これからデイサービスで働きたいと考えている方にとって、気になるのはデイサービスでの仕事内容です。
デイサービスでの仕事内容は、それぞれの職種によって変わってくる場合が多いです。
デイサービスでは主に次の職種が働いています。
ポイント
- 管理者
- 生活相談員
- 介護職員
- 看護職員
- 機能訓練指導員
他にも、デイサービスによっては調理師・事務員・送迎専門職員などが働いている場合があります。
今回の記事では、1~5の職種に関しての仕事内容について説明していきます。
管理者の仕事内容
管理者は、デイサービスの長として適切な事業運営と、管理監督が主な仕事内容になります。
デイサービスの役割に関しては、デイサービス管理者の役割とは?でも簡単に紹介していますのでご覧ください。
では、管理者の仕事内容について詳しくお伝えしていきます。
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関連デイサービス管理者の役割とは?
失敗から学ぶデイサービス管理者の役割を解説続きを見る
適切な事業運営
デイサービスの管理者として、適切な事業運営を行うためには法令遵守が欠かせません。
デイサービスの運営をしていると、様々な法令を遵守する責任が伴います。
身近なところで言うと職員の配置基準を守るなど介護保険法を遵守する義務があります。
周辺の業務で言うと、送迎時に交通ルールを守る、年2回の避難訓練を行うなど様々な法令を守っていきます。
ルールから外れそうな職員がいたら、適切に指導をしてリスク管理をしていくというのが管理者にとって重要な仕事内容となります。
デイサービスの運営はあくまでも決められたルールの中で行なっていく必要があります。
ルールを守れないと、それなりの罰則を与えられる可能性もありますので行政等と連携を図りながら適切な運営をしていきましょう。
管理監督
適切な事業運営ともつながってきますが、管理監督もデイサービスの管理者には重要な仕事内容になります。
デイサービスの管理者は、職員に様々な指示を出して仕事をお願いすることが出てきます。
ですが、お願いをして終わりではありません。
その後の進捗状況の把握や、お願いした仕事を進めるにあたって困りごとが無いかどうかの確認など放任せずに常に気にかけておくことが必要になります。
職員の性格によっては、自分から管理者に相談しづらいこともありますので、常に職員とのコミュニケーションをとっておくことも仕事内容の1つです。
デイサービス全体の仕事がスムーズに進むように常にデイサービスの状況を把握しておくようにしましょう。
その他
デイサービスの管理者にはその他にも様々な仕事内容があります。
デイサービスによっては幅広く色々なことに取り組むことも出てきます。
多くの仕事内容に取り組みながら、デイサービスを安定して運営させていくことも手腕の見せ所になります。
やりがいを求める方は、管理者を目指してみてもいいでしょう。
管理者のその他の仕事内容
- 居宅や包括への営業活動
- シフト作成
- サービス担当者会議への出席
- 介護業務
- 職場の会議への出席
- 国保連への請求業務
- 書類の管理
- 稼働率・売上・支出などの数字の管理
その他で紹介している仕事内容に関しては、デイサービスによって行ったり行わなかったり様々です。
デイサービスごとに変わりますので、管理者としてデイサービスへの就職を考えている方は事前に確認するようにしましょう。
生活相談員の仕事内容
デイサービス生活相談員の仕事内容は多岐に渡ります。
その仕事内容には、相談等の窓口・書類の管理・介護業務などがあります。
デイサービスの生活相談員は何でも屋と言われるようなこともあり、多くの業務をこなしている場合が多いです。
その他にも介護現場のリーダーとして、職員を引っ張るリーダーシップを求められる場合もあります。
では、生活相談員の仕事内容を紹介していきます。
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関連デイサービス生活相談員の仕事内容は?
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相談等の窓口
生活相談員になると、デイサービスの窓口としての仕事内容が与えられます。
窓口になる仕事内容として次のようなものがあります。
生活相談員の窓口業務
- 新規利用者の受け入れ窓口
- 既存の利用者や家族からの相談窓口
- ケアマネージャー等からの相談窓口
その相談内容は多岐に渡りますので、その時々で適切に答えられる瞬発力が求められます。
新規受け入れを進めていくにあたっては、ご利用者やご家族が一番最初に対峙するデイサービスの職員が生活相談員です。
デイサービスの顔ともいえる職種ですので、懇切丁寧な対応が求められます。
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書類の管理
ご利用者がデイサービスを利用するには、様々な必要書類が出てきます。
主な書類は次の通りです。
ご利用時に必要な書類の例
- 重要事項説明書と付随する書類
- 契約書
- 個別援助計画書
- 各加算関係の書類
- 利用状況報告書
- 提供票
- ケアプラン
- ご利用者の基本情報
挙げればまだいくつか考えられますが、これらの書類を作成したり管理をしていくことも生活相談員の仕事内容です。
新規契約時、サービス開始前、月末と様々なタイミングで、複数の書類を作成し管理していく仕事内容が出てきます。
生活相談員はこれらの書類を適切に保管し、有効期間が切れる前に次の準備をするなどきめ細かな書類管理が必要になります。
介護業務
生活相談員は介護職と兼務している場合があります。
生活相談員として専従で業務をしていても、多くのデイサービスでは仕事内容に線引きはしていません。
生活相談員は、ご利用者がデイサービスに通い始めた後も、ご家族やケアマネージャーとの連絡を取り合う窓口の機能を持ちます。
その時に、デイサービスでの生活状況や、ご本人の変化を把握していないとうまく情報を伝えることができません。
ですのでむしろ、ケアマネージャーやご家族に利用状況を伝えるために、適度に介護業務を与えているデイサービスもあります。
また、現場のリーダーとして職員から頼りにされる場面も多く出てきます。
その時に状況を判断して指示を出せるような、決断力やリーダーシップが求められる場合も出てきます。
デイサービスでの生活状況も見ながら、月末の利用状況を作り上げていくということも出てきますね。
介護職員の仕事内容
介護職員は、デイサービスの中でご利用者と関わる時間が一番長くなる職員です。
デイサービスの介護職員は、送迎・ホールの見守り・移動の介助・入浴介助・排泄介助など一般的な介護業務に加え、レクリエーションの企画、進行など常にご利用者がいるところで働くというのが仕事内容の基本になります。
その他にも、介護記録の作成や情報の共有なども介護職の重要な仕事内容になります。
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一般的な介護業務
デイサービスの介護職員の主な仕事内容が介護業務です。
先ほどもお伝えした通りデイサービスでは、送迎・ホールの見守り・移動の介助・入浴介助・排泄介助などがあります。
介護業務や介助という言葉だけを聞くと、なんでもかんでもお手伝いをするというイメージを持つかもしれません。
しかし実際のデイサービスでの仕事内容はそうではなく、できることはご本人に行なってもらうというのが一般的です。
例えば入浴の場面では、洗髪をご自身でできるのにこちらが手を出すということはしません。
ご本人ができることでも介護職員が過剰に手を出してしまっては、ご本人も少しずつできなくなってしまいます。
そうならないように、危険の無い程度に見守りを行いながら必要最小限の介助を行うことが介護業務のなかでは重要な仕事内容です。
ですので鋭い観察力で、介護職員としてどのように関わっていくといいのかを見極める洞察力が必要になります。
介護記録の作成
デイサービス介護職員は介護記録を作成することも仕事内容の1つです。
例えば、入浴介助でいつもは見当たらなかった内出血が見つかった場合に、
- どの程度の内出血だったか
- 発見後どのような対応をしたか
- 家族等へ報告をしたか
- 後日どのように変化していたか
内出血を発見したその時だけでなく、経過を追って記録していく必要が出てきます。
介護記録はご利用者がデイサービスを利用してどんな過ごし方をしてきたか、どのように変化してきたかを知る重要な仕事内容になります。
その後のデイサービスの利用計画を立てる、重要な目安になっていくといっても過言ではありません。
情報の共有
全ての職種に言えることですが、情報を他の職員と共有することも仕事内容です。
デイサービスの中で、他の職種よりも人数が多いのが介護職員という事業所は多いと思います。
全体の打ち合わせで、情報の発信をしても休んでいる職員などには伝わっていないというケースも考えられます。
まずは介護職員の中で情報を共有して、誰が対応しても同じ介護業務を行なえるということに神経を使いましょう。
情報の共有不足が起きると、職員によって対応が変わりサービスの提供にばらつきが出ます。
そうなると「Aさんはやってくれたけど、Bさんはやってくれない」とご利用者からの不安や不満につながります。
デイサービス全体での情報共有はもちろんですが、介護職員内での情報共有も重要な仕事内容だということを覚えておきましょう。
デイサービス介護職員の詳しい仕事内容はこちらの記事でも紹介しています。
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関連デイサービスの介護職員の仕事内容とは?
必要なスキルや必要な資格についてもお伝えします。続きを見る
看護職員の仕事内容
デイサービスでの看護職員の主な仕事内容は2つあります。
- ご利用者の体調管理
- 服薬の管理
デイサービスの看護職員の中には、機能訓練指導員を兼務している場合も多いかもしれません。
その場合、一日の大半を機能訓練に費やすということもありますよね。
ですが、看護職員としての仕事もおろそかにしていけません。
ご利用者の体調管理
デイサービスの中では、唯一の医療職となるのが看護職員です。
ですので、ご利用者に体調変化があった場合の情報共有は看護職員に集約されるケースが多いです。
介護職員や生活相談員が感じ取ったのが、見た目には分かりづらい微妙な変化であっても寄り添って情報を聞き取る姿勢が求められます。
ご利用者の体調の急変があった場合にも一番頼りにされるのは看護職員です。
何かが起きてから慌てて対応をするのではなく、事前に病歴や持病を把握しておいて考えられるリスクを職員内で共有しておくことも仕事内容の1つでしょう。
服薬の管理
服薬の管理も、看護職員の専門性をもって行う仕事内容です。
デイサービスの場合は、昼食前後薬や目薬、場合によっては朝食後薬をデイサービスに来てから服薬するなど多くの薬を扱うケースもあります。
服薬の責任を様々な職種に分散させてしまうと、飲み忘れや重薬などの事故につながります。
ダブルチェックなどの対応が必要な場合もありますので、確認作業などは複数の職種が関わる場合もあります。
ですが、利用者Aさんの薬をAさんが間違いなく飲んだかどうかを確認するという部分は看護職員に集約させているデイサービスが多いようです。
機能訓練指導員の仕事内容
デイサービスの機能訓練指導員の仕事内容も大きく2つあります。
1つ目は、機能訓練です。
2つ目は、目的の共有です。
デイサービスの機能訓練指導員として認められる資格は様々なものがあります。
- 看護師または准看護師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- あん摩マッサージ指圧師
- 柔道整復師
- 鍼灸師
デイサービスの機能訓練指導員として働くには、それぞれの資格の専門性を活かせるという強みがあります。
自身の資格の強みを生かせそうなデイサービス選びも仕事内容をこなすうえでは重要かもしれません。
機能訓練
機能訓練指導員の主な仕事内容は機能訓練を提供することです。
ですが、機能訓練を提供するまでにはいくつかのプロセスをこなす必要があります。
機能訓練のプロセス
- ご利用者の居宅を訪問
- 日常生活の把握
- 生活状況の把握
- 理想の生活像の把握
- 計画書を作成
- 説明
- 機能訓練開始
- 評価
大まかにはこの1~8を繰り返し繰り返し行なっていきます。
特に機能訓練は提供前が重要で、機能訓練を受けるご利用者がどんな方で、どんな理想を持っているのかを把握したうえで機能訓練に入っていきます。
その方とその方の生活に寄り添っていく姿勢が大事になります。
目的の共有
機能訓練では、個別ごとに計画を立てたうえで機能訓練を実施していくことになります。
ここで重要になるのが、利用者Aさんはなぜ機能訓練を行うのかのなぜをデイサービスの職員に共有しておくということです。
例えば利用者Aさんは自宅で自分でトイレに行けるようになりたいので機能訓練を実施しているとします。
機能訓練としてAさんに関わるのは機能訓練指導員です。
ですが、デイサービスの中での生活全般に関わるのは介護職員です。
介護職員がAさんがなぜ機能訓練を受けているのかを理解していないと、できないからといって
トイレまでの移動や
トイレでの下衣の上げ下ろし
トイレを流す
これらの事を全て行なってしまうかもしれません。
介護職員がAさんのトイレ一連の動作を全て行なっていたら、一向に機能訓練の成果は出てきませんよね?
ですので、その方がなぜ機能訓練を行うのかを職員全体に共有するというのが重要な仕事内容になります。
まとめ
今回は、デイサービスでの仕事内容について5つの職種の仕事内容を紹介しました。
デイサービスで働く場合、職種ごとに仕事内容は変わってきます。
ですが、デイサービスではチームプレイが必要不可欠です。
チーム全体でそれぞれが行なう仕事内容を理解して、情報の共有を行うことが重要です。
デイサービスのご利用者やご家族から、通って良かったと思ってもらえるような仕事内容をこなしていきましょう!