デイサービスは、介護が必要な高齢者等が自宅から通うことのできる介護サービスです。
デイサービスを初めて利用する時には、何を基準にしてデイサービスを選んだらいいのかと悩まれる方も多いと思います。
デイサービス自体の件数も全国で約43,700件と、とても多くなっています。
これほどの件数のデイサービスから、利用されるご本人に合ったデイサービスを見つけるのは至難の業ともいえるでしょう。
今回の記事では、初めにデイサービスの選び方の手順や相談窓口を紹介していきます。
そのうえで、デイサービスを選ぶ時にポイントとなる次の5つのことをお伝えしていきます。
- デイサービスの規模
- デイサービスの料金
- 規模ごとのメリット、デメリット
- サービス内容
- デイサービスとデイケアの違い
デイサービスを選ぶ時に重要な内容となりますので、これからデイサービスを利用されるご本人やご家族の方はぜひご覧ください。
初めてデイサービスを選ぶ時にやるべき3つのこと
初めてデイサービスの利用を検討される方にとって、数あるデイサービスの中からどのデイサービスを選んだらいいかは悩みの種になります。
デイサービス勤務歴11年社会福祉士の私がオススメするデイサービスを選ぶ時にやるべき3つのことをお伝えしていきます
利用したいデイサービスを選ぶ時には、次のように順序だててデイサービスを選択していきましょう。
- デイサービス利用の目的を決める(最優先)
- こだわりのポイントを絞っていく
- ケアマネージャー等に伝える
最初にデイサービス利用の目的を決めて、その目的に合ったこだわりポイントを絞っていきます。
最終的にデイサービスの情報はケアマネージャー等からもらうことになりますので、事前に決めておいた利用の目的とこだわりたいポイントをケアマネージャー等に伝えるというイメージです。
1.デイサービス利用の目的を決める(最優先)
初めてデイサービスを選ぶ時に最初に行うことは、デイサービスの利用目的を決めることです。
利用目的が複数ある場合には何を一番優先したいのか優先順位を決めておくようにしましょう。
最初にデイサービスの利用目的を決めて優先順位をつけておくことで、目的にあったデイサービスを選びやすくなります。
デイサービスを利用する目的には例えば次のようなものがあります。
- 入浴
- 機能訓練(運動)
- 交流
- 外出機会の確保
- 認知症の進行予防
- 家族の介護負担軽減
デイサービスを利用する目的はこれで全部ではありませんが、おおよそ上記のような利用目的が多くなります。
例えば週に1回、入浴の機会を確保するためにデイサービスを利用するとします。
すると入浴をそもそも行なっていないデイサービスは選択肢から除外されることになります。
そこからこだわりのポイントを絞っていくことで、より厳選されたデイサービスの選択肢を割り出していくことができます。
2.こだわりのポイントを絞っていく
デイサービスの利用目的が決まったら、次にやることはこだわりのポイントを絞っていくことです。
ですが、正直なところデイサービス利用の目的まで決まっていれば、こだわりポイントまで深く考えなくても大丈夫です!
おまけ程度にご覧いただいて、必要ない方は次のケアマネージャー等に伝えるまで進んでください。
こだわりのポイントを絞ることに関しては、先ほど例に挙げた週1回の入浴という利用目的で説明していきます。
デイサービスで入浴と言っても入浴の方法や環境はデイサービスによって異なります。
- 大きい浴槽で複数人で入浴できる
- 温泉が湧いている
- 個別浴槽で1人ずつ入浴できる
- 車いすの方でも入れる特別浴槽がある
どんなイメージで入浴をしていきたいか、を何となく頭に浮かべているだけでもどんなデイサービスを利用したいのかケアマネージャー等に伝えやすくなります。
ですが、初めてデイサービスを利用する場合にはなかなか実際のデイサービスをイメージもしづらいと思います。
その場合は、デイサービスの利用目的だけでもいいのでケアマネージャー等に伝えるようにしましょう。
3.ケアマネージャー等に伝える
デイサービスの利用目的やこだわりたいポイントが決まったら、ケアマネージャー等にその内容を伝えてみましょう。
ケアマネージャー等は主に次のところで働いていてデイサービスの情報をご利用者やご家族に提供してくれます。
- 地域包括支援センター
- 居宅介護支援事業所
この2つに関しては、次の項目やデイサービスを利用するまでの流れの記事でも解説をしていますのでご覧ください。
地域包括支援センターや居宅介護支援事業所の職員は情報収集と情報提供のプロです。
どうしてデイサービスを利用したいのかをケアマネージャー等に伝えることで、条件に合ったデイサービスの情報を教えてくれます。
それがデイサービスの見学や体験利用などにつながり、実際にデイサービスの中に入る機会を持つことができます。
地域包括支援センターや居宅介護支援事業所の活用方法はこちら↓↓↓でも紹介しています
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関連【社会福祉士が解説】デイサービスを利用するまでの流れを解説
利用条件や相談窓口も紹介!続きを見る
デイサービスを利用するための相談窓口は2つ
ここまではデイサービスの選び方として、3つの手順を解説してきました。
手順の3つ目として、利用の目的やこだわりのポイントをケアマネージャー等に伝えるということもお伝えしました。
ですが初めて介護サービスを利用する場合には「ケアマネージャーにお願いするにはそもそもどこに行けばいいの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
ケアマネージャーが働いている場所は大きく分けて次の2つです。
- 地域包括支援センター
- 居宅介護支援事業所
居宅介護支援事業所にはケアマネージャーが働いています。
地域包括支援センターでは、経験豊富なケアマネージャーの他に社会福祉士や保健師も働いています。
詳しく解説していきます。
地域包括支援センターを活用する
地域包括支援センターは各市区町村にいくつか設置され、高齢者等の相談窓口としても機能している施設です。(おおよそ中学校区域に1件の目安で設置されています。)
介護サービスをご利用する本人が住んでいる場所によって担当の地域包括支援センターは変わります。
市区町村からの委託を受けている公共の施設ですので、デイサービスの選び方で悩んだ際には一番最初の相談窓口としてぜひ活用してみてください。
地域包括支援センターには、主任ケアマネージャー・保健師・社会福祉士など様々な専門性を持った職員が配置されています。
介護や介護予防に関する相談の窓口として機能しています
地域包括支援センターには管轄内に限らず、介護サービスに関する情報が集まり提供できる情報も豊富に持っています。
相談の方法は電話や直接訪問などがあります。
デイサービスを利用するまでの流れを説明してくれたり、ケアマネージャーがいる居宅介護支援事業所を紹介してくれます。
介護度申請の結果、要支援1・要支援2という認定を受けた方は、デイサービスを利用した後も引き続き地域包括支援センターの職員に担当してもらうことが可能です。
要介護1~5の認定を受けた方は、次に紹介する居宅介護支援事業所のケアマネージャーが担当していくことになります。
ケアマネージャー(居宅介護支援事業所)を活用する
ケアマネージャーは介護支援専門員とも呼ばれ、居宅介護支援事業所やケアプランセンターなどで働いています。
地域包括支援センターの職員と同じようにデイサービス利用までの流れを説明してくれたり、デイサービス利用後も引き続きサービスの調整を担当してくれます。
- 要介護1~5の認定・・・ケアマネージャーに介護サービス利用の計画を立ててもらいながら介護サービスを選んでいくということが大半になります。
- 要支援1、2の認定・・・地域包括支援センターからの委託という形でケアマネージャーが担当を受け持つ場合があります。
居宅介護支援事業所は地域包括支援センターのように件数の目安があるわけではありません。
民間企業も参入していますので、地域包括支援センターよりも多くの件数があります。
ケアマネージャーのいる居宅介護支援事業所を探すにはいくつかの方法があります。
- 地域包括支援センターで教えてもらう
- ハートページ(無料の冊子)で探す。※市役所の介護保険課などに置いてありますが、扱っていない地域もあります。
- 口コミ
- 情報公表制度を活用する
ケアマネージャーは、介護サービスを必要とするご本人やご家族に寄り添って、生活状況や理想の生活像などの聞き取りを行ってくれます。
介護サービスを利用していくうえで心強い味方になりますので、デイサービスの選び方で悩まれている方はどんどん活用していきましょう。
デイサービスを選ぶ時の5つのポイント
デイサービスを選ぶ時のポイント①~デイサービスの規模~
デイサービスは、厚労省が定める基準によっていくつかの規模に分類されます。
前年度にそのデイサービスを利用した1か月あたりの延べ人数により分類されています。(地域密着型デイサービスだけは、定員によって分類されます。)
規模ごとの利用人数
- 地域密着型デイサービス・・・定員18名以下(原則、お住いの市町村が同じ方しか利用できません。)
- 通常規模型デイサービス・・・301~750名
- 大規模型デイサービスⅠ・・・751名~900名
- 大規模型デイサービスⅡ・・・901名以上
以上のように4つの種類に区分されています。イメージとしては大規模型通所介護が一番大きくて地域密着型通所介護が一番小さいです。
デイサービスの規模によって変わるのは主に次の4つです。
- 一日の利用者の人数
- 利用料金
- 職員の人数
- 施設の広さ
デイサービスの選び方に悩んでいる場合に一つの目安にしてみてください。
規模が一番小さい地域密着型通所介護については以下の記事で詳しく紹介しています。
続きを見る
関連【社会福祉士が解説】地域密着型通所介護って何?地域密着型通所介護の役割や他のデイサービスとの違いを解説
デイサービスを選ぶ時のポイント②~料金を構成する5つの要素~
デイサービスを選ぶ時の基準として、料金がどのくらいかかるのかは知っておきたい情報です。
デイサービスの利用料金は次の5つの要素で構成されています。この5つの要素を知っておくだけで大体どのくらいの料金が発生するのか把握しやすくなります。
- 負担割合
- 基本報酬(基本料金)
- 加算料金
- 処遇改善加算
- 自費料金
規模ごとや介護度ごとに定められた料金は全国統一となっていて、同じ規模で同じ介護度で同じ時間利用する場合であればAデイサービスとBデイサービスで基本料金が違うということはありません。
以下の記事では、デイサービスの利用料金を詳しく解説しています。この記事と合わせてご覧ください。
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関連【2023年最新版!】デイサービス利用料金を徹底解説!料金の仕組みや負担割合を具体例もあげてお伝えします。
負担割合(1~3割)
デイサービス利用料金の詳しい説明をする前に負担割合というものについて説明していきます。
デイサービスを含めほとんどの介護サービスでは、ご利用者と国がサービス事業者に利用料金を支払うことになります。
この時のご利用者の利用料金の負担割合は1~3割になります。
例えば1ヶ月で10,000円の支払いが発生した場合、
- 利用者:1,000~3,000円(1~3割)
- 国:7,000~9,000円(7~9割)
をデイサービスに支払うということになるのです。
ご利用者の負担割合は、前年の収入によって決まります。
例えば、去年に土地を売って大きな金額の収入があった場合は3割負担になる可能性があります。
基本的にデイサービスでは、利用者に対して実際に支払う金額を懇切丁寧に説明します。
ですのであまり深く考えなくてもいいかと思いますが、支払いの仕組みとして負担割合というものがありますというご紹介です。
この負担割合の決まり方に関しては、年金収入とそれ以外の所得の合計や65歳以上の方の世帯人数などで決められます。
負担割合の決まり方は下の記事の中で紹介していますので合わせてご覧ください
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【2023年最新版!】デイサービス利用料金を徹底解説!料金の仕組みや負担割合を具体例もあげてお伝えします。
続きを見る
基本報酬(デイサービスの基本料金)
デイサービスの基本料金は基本報酬と呼ばれています。デイサービスに1回通うだけでかかる料金の事です。
デイサービスの基本報酬を決める要素は次の3つです
- 介護度
- デイサービスの規模
- 利用時間
メモ
要介護1の方が通常規模型デイサービスを利用する場合、どこの通常規模型デイサービスを利用しても同じ基本料金で利用できるということです。(※)
※介護保険サービスでは地域区分が1級地~7級地+その他に分けられています。同じ地域区分内のデイサービスであればどこのデイサービスを利用しても同じ料金という意味になります。
例えば、9:00~16:30のデイサービス利用を4つの規模のデイサービスで行なった場合は以下のようになります。
(デイサービス料金には、送迎の時間は含まれませんので9:00~16:30デイサービスにいたという場合です。)
1割負担の場合
大規模Ⅱ | 大規模Ⅰ | 通常規模 | 地域密着 | |
要介護1 | ¥604 | ¥626 | ¥655 | ¥750 |
要介護2 | ¥713 | ¥740 | ¥773 | ¥887 |
要介護3 | ¥826 | ¥857 | ¥896 | ¥1,028 |
要介護4 | ¥941 | ¥975 | ¥1,018 | ¥1,168 |
要介護5 | ¥1,054 | ¥1,092 | ¥1,142 | ¥1,308 |
2割負担の場合
大規模Ⅱ | 大規模Ⅰ | 通常規模 | 地域密着 | |
要介護1 | ¥1,208 | ¥1,252 | ¥1,310 | ¥1,500 |
要介護2 | ¥1,426 | ¥1,480 | ¥1,546 | ¥1,774 |
要介護3 | ¥1,652 | ¥1,714 | ¥1,792 | ¥2,056 |
要介護4 | ¥1,882 | ¥1,950 | ¥2,036 | ¥2,336 |
要介護5 | ¥2,104 | ¥2,184 | ¥2,284 | ¥2,616 |
3割負担の場合
大規模Ⅱ | 大規模Ⅰ | 通常規模 | 地域密着 | |
要介護1 | ¥1,812 | ¥1,878 | ¥1,965 | ¥2,250 |
要介護2 | ¥2,139 | ¥2,220 | ¥2,319 | ¥2,661 |
要介護3 | ¥2,478 | ¥2,571 | ¥2,688 | ¥3,084 |
要介護4 | ¥2,823 | ¥2,925 | ¥3,054 | ¥3,504 |
要介護5 | ¥3,162 | ¥3,276 | ¥3,426 | ¥3,924 |
例示よりもデイサービスで過ごす時間が短くなれば料金は安くなりますし、長くなれば料金は高くなります。
料金だけを見ると安いほうがいいと思いがちですが、料金の高い地域密着型デイサービスにもいくつかのメリットがありますので後ほど紹介していきます。
加算料金
デイサービスの料金には、基本報酬の他に加算と呼ばれるものがあります。
加算はそのデイサービスがどんなサービスを行なっているかを知る目安にもなりますので、デイサービス選びには重要な情報です。
加算を別の言葉に置き換えるとオプションのようなイメージです。
デイサービスに通う(基本報酬)+オプション(加算料金)のような感じです。
例えば、デイサービスに通う+お風呂に入った場合には入浴介助加算と呼ばれる加算が発生します。
入浴介助加算にもⅠとⅡの2種類があるのですが、Ⅰの場合ご利用者の負担は40円です。(1割負担の場合)
色々な種類の加算を算定しているデイサービスでは1回の利用ごとに発生する加算料金も高くなります。
ですがデイサービス側としても、ただ闇雲に加算を請求できるわけではありません。
それぞれの加算ごとに国が定めた職員の配置基準、設備基準、書類の整備などを合格したうえで加算を請求しています。
デイサービスの加算料金の代表的な物を挙げてみます。
デイサービス加算の例
- 入浴介助加算(Ⅰ)40単位/日
- 入浴介助加算(Ⅱ)55単位/日
- 個別機能訓練加算(Ⅰ)イ 56単位/日
- 個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ 85単位/日
- 個別機能訓練加算(Ⅱ)20単位/月
- 認知症加算 60単位/日
- 延長加算 50~250単位/日
単位という言葉に関しては円に置き換えてもらって大丈夫ですが、2割負担や3割負担の場合は2倍または3倍の負担になります。
加算料金は基本的に、その加算のサービスを実施した場合に発生します。
例えば「今日は体調が悪くて入浴できませんでした」という場合にはその日の入浴介助加算は発生しないことになります。
加算とは反対に、減算もあります。減算の中には代表的な物で送迎減算や同一建物内減算があります。
送迎減算は、デイサービスが利用者の送迎を行わなかった場合に適用され、片道につき47円(1割負担の場合)の減額になります。
同一建物内減算は例えば、老人ホームなどの入居施設の中にデイサービスが併設されている場合は1回の利用ごとに94円が減算されます。
処遇改善加算
デイサービスの処遇改善加算は、先ほどまで説明していた加算とは少し性質が異なります。
今まで説明した加算は、デイサービスで何かを行なったことに対して加算が発生するというものでした。
例えば、入浴を行なったら入浴介助加算が発生するし、機能訓練を行ったら個別機能訓練加算が発生するということですね。
一方で処遇改善加算は、デイサービスに通うだけで発生する加算料金です。介護職員の人材不足などを解消するための処遇改善をご利用者に負担していただくというものです。
処遇改善加算は使い道も国から決められています。処遇改善加算の料金はデイサービスの設備や広告などの運営支出に回すことができません。
1円単位で全てを必ず現場の介護職員(生活相談員、事務職などが該当する場合もある)に分配するというルールがあります。
あくまでもデイサービスの介護職員の為の加算という考え方ですね。
処遇改善系の加算大きく3つの種類があって、それぞれが細かく分かれていきます。
- 介護職員処遇改善加算(Ⅰ~Ⅲがあります)
- 介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ,Ⅱがあります)
- 介護職員等ベースアップ等支援加算
処遇改善加算はⅠ~Ⅲ、特定処遇改善加算はⅠとⅡがあり、それぞれで料金は若干異なってきます。
それぞれに算定の条件があって、デイサービスによってⅠ~Ⅲのうちのどれを算定しているかは異なります。
処遇改善加算系の加算は多くのデイサービスで算定をしていて職員の離職防止や待遇改善の取り組みにも直結しています。
デイサービスが職員の処遇改善に取り組んで、働いている職員が生き生きしているかどうかもデイサービスの選び方で重要なポイントになりますね。
ここまで説明してきた、基本報酬、加算料金、処遇改善加算がご利用者の負担割合によって1~3割の料金負担となる部分です。
ここからは、デイサービスによって自由に設定することができる自費料金について説明していきます。
自費料金(食費、レク材料費など)
デイサービスを利用する時には、ここまで説明してきた介護保険の料金の他にそれぞれのデイサービスが独自に設定できる自費料金が発生します。
自費料金の代表的な物には次のようなものがあります。
- 食費
- レクリエーション材料費
- リハビリパンツ代
- 洗濯代
- キャンセル料
自費料金は負担割合からは除外されている料金ですので、全てご利用者の自己負担となります。
目安として食費は500円~800円くらいが相場かなと思いますが、食事を売りにしているデイサービスではもっと高い可能性もあります。
レクリエーション材料費に関しても、頻繁かかるデイサービスもあれば材料費がほとんどかからないデイサービスもあります。
その他にも、送迎をタクシー会社に頼んでいる場合には送迎にプラスの料金がかかったり、バスタオルのレンタル代を請求される場合もありますので、デイサービスを選ぶ際にはこの辺りの情報も注意深く見るようにしましょう。
自費料金はデイサービスによっても差が出やすいので、デイサービスの選び方で料金を重要な目安にされる方は特に気にしておくようにしましょう。
デイサービスを選ぶ時のポイント③~規模ごとのメリット、デメリット~
デイサービスの規模は4種類あることは先ほどお伝えしました。
規模ごとに変わるデイサービスのメリットとデメリットを知っておくこともデイサービスの選び方のポイントになりますので参考にしてみてください。
地域密着型通所介護を利用するメリットとデメリット
最初に地域密着型デイサービスを利用するメリットとデメリットを紹介していきます。
地域密着型デイサービスを利用するメリットとしては次のようなものがあります。
メリット
- 施設自体がこじんまりとしている傾向があり、職員の目が届きやすい。
- 大人数が苦手な人に最適。
- 対象地域がデイサービスがある、市町村内だけなので送迎に時間がかからない。
- 柔軟に対応をしてもらいやすい。
- 職員の数も限られているので、親近感がある。
では、反対に地域密着型デイサービスを利用するデメリットをお伝えします。
デメリット
- 少人数なので、交流の幅が狭い。
- 他の利用者と性格が合わなかった場合に、他のグループに移りづらい。
- 職員と性格が合わなかった場合にデイサービスに居づらくなる。
- 他の規模よりも利用料金が高い
地域密着型通所介護の詳しいことに関しては以下の記事でも紹介していますので、この記事と合わせてご覧ください。
-
【社会福祉士が解説】地域密着型通所介護って何?地域密着型通所介護の役割や他のデイサービスとの違いを解説
続きを見る
通常規模型デイサービスを利用するメリットとデメリット
通常規模型デイサービスを利用する場合のメリットには次のようなものがあります。
メリット
- 利用者数が多すぎず少なすぎず、程よい人数感で利用ができる。
- 他の規模のデイサービスに比べ数が多いので、選び方に幅が広がる。
- 職員数も多すぎないので、親近感がある。
通常規模型デイサービスを利用するデメリットは特に思いつきませんが、しいて言うなら数が多いので選ぶのに悩んでしまうということです。
大規模型デイサービスを利用するメリットとデメリット
大規模型デイサービスを利用する場合のメリットには次のようなものがあります。
メリット
- 社会福祉法人や医療法人などが運営している場合が多く職員の研修体制が行き届いている。
- 多くの方が利用されるので、いろいろな方と交流の機会を持つことができる。
- 利用料金が安い。
- 同じ趣味を持つ方と出会いやすい。
大規模型デイサービスを利用するデメリットは次のようなものがあります。
デメリット
- 利用者数が多いので、ごちゃごちゃしている所が苦手な人は通いづらい。
- 職員も多く、全ての職員を把握しづらい。
デイサービスを選ぶ時のポイント④~サービス内容~
ご自身がデイサービスを選ぶ場合や、ご両親の為にデイサービスを探す場合にサービス内容は利用を長く続けていけそうかどうかの目安になります。
料金や職員の人数などは規模ごとにが変わります。
デイサービスのサービス内容に関してはデイサービスの規模ごとではなくてデイサービスごとに変わります。
デイサービスのサービス内容を知るうえで重要になる指標のようなものは次の通りです。
- 加算体制
- レクリエーション
- 日常生活上のお世話
- 医療行為
この辺りの項目をそれぞれのデイサービスで、どの程度行なっているのかということがデイサービスの選び方のポイントになります。
加算体制
先ほど加算についてお伝えしましたが、加算もサービス内容を把握する一つの情報です。
例えば、入浴介助加算を算定していないデイサービスではお風呂に入るサービスは行なっていません。(加算を貰わずにやっているケースも極々まれにあるかもしれません。)
多くのデイサービスでは、清潔保持のための入浴介助加算やや今の体の状態を維持するための個別機能訓練加算を頂ける体制を取っています。
そのうえで+α、口の中の健康を維持する口腔機能向上加算や認知症状の進行を緩やかにするプログラムを作成する認知症加算などはデイサービスごとの特色の一つでもあります。
中には例外もあり、リハビリ特化型と呼ばれるデイサービスでは、入浴は行わずに半日程度で個々人に応じた運動をすることに長けています。
レクリエーション
デイサービスでは、レクリエーション活動と呼ばれるものを行うことが多いです。
レクリエーションの取り組み方はデイサービスによって変わります。
- 行う内容
- 行う頻度
- 行う種類
- 行い方
あるデイサービスでは、外出や創作、お菓子作り、夏祭り、クリスマス会など季節感を取り入れて幅広く毎日毎日行なっています。
またあるデイサービスでは「地元の祭りに出す創作物を長期的に行いましょう!」と計画的に行なっています。
またまたあるデイサービスでは「レクリエーションは利用者様と一緒に考えて、皆さんがやりたいことを皆さんで作り上げましょう」とご利用者主体としています。
レクリエーション活動はデイサービスごとに特色を出しやすい部分でもあります。デイサービスを利用されるご本人にとって合いそうなレクリエーションかな?と吟味するようにしてみましょう。
日常生活上のお世話
日常生活上のお世話とは次のようなものを指します。
- 利用者が移動する時の職員の対応
- 利用者が排泄する時の職員の対応
- 利用者が食事をする時の職員の対応
- 利用者がお風呂に入る時の職員の対応
自宅でも行うような日常生活場面の行動を、デイサービスでどの程度対応できるのかもデイサービスの選び方では重要です。
例えば、デイサービスの中を利用者本人が歩く時に付き添ってもらえるか、トイレに行くときにはズボンの上げ下ろしのお手伝いをしてもらえるかなどがあります。
実際にデイサービスの中で、どの程度関わってもらえるかというところも確認しておきましょう!
医療行為
医療行為は例えば、糖尿病を患っていてインスリン注射が必要な方や経管栄養で食事をとられる方などがデイサービスを選ぶ際に特に重要になるポイントです。
デイサービスによっては、経管栄養の対応やインスリン注射の対応ができない場合があります。
多くのデイサービスでは、看護師や准看護師の資格を持った看護職員が勤務しています。
ですが、看護職員はあくまでも医師の指示がないと医療行為は行えないことになっています。
デイサービスで医療行為に関しては、医師の指示書の提出を求められたり、そもそも行なっていない場合もありますので事前に確認をするようにしましょう!
デイサービスを選ぶ時のポイント⑤~デイサービスとデイケアの違い~
よく、デイサービスに似た言葉でデイケアというものを聞くことは無いでしょうか?
一般的に、デイサービスもデイケアも同じものという認識があると思います。
ですがデイサービスの選び方で悩んでいる時に、デイサービスとデイケアを同じものとして捉えることは辞めましょう。
デイサービスとデイケアの大きな違いは2つあります。
- 利用の目的
- リハビリ専門職が配置されているか
デイサービスとデイケアの違いについては以下の記事でも詳しく解説しています。この記事とを合わせてご覧ください。
-
関連デイサービスとデイケアって違うの?
利用する目的と働いているスタッフの違いについて解説します。続きを見る
利用の目的
デイサービスとデイケアの違いには利用する目的があります。
デイサービス利用の目的
- 入浴
- 食事
- 機能訓練
- 他者との交流
- 家族の負担軽減 など
次にデイケア利用の目的をお伝えします。
デイケア利用の目的
- 身体機能の回復
- 生活機能の維持、向上
- 他、デイサービスと類似
デイサービスでは機能訓練を行うのに対し、デイケアではリハビリテーションを行います。
機能訓練とリハビリテーションの違いをざっくり説明すると”維持”か”回復”かです。
機能訓練では、利用されるご本人の状態を維持して、今できることを継続していく訓練を行います。
リハビリテーションでは病気やケガによって低下した体の機能を回復することを目的としています。
ここがデイサービスとデイケアの大きな違いの一つになりますので、選び方の参考にしてみて下さい。
常勤医師やリハビリ専門職の配置
デイサービスとデイケアの大きな違いの2つ目は常勤の医師やリハビリ専門職がいるかどうかです。
デイサービスに定められた人員基準には、常勤医師やリハビリ専門職の配置は求められていません。
それに対して、デイケアには常勤医師の配置やリハビリ専門職の配置が義務付けられています。
先ほど説明したように、デイケアではリハビリテーションを行うことを目的としています。
リハビリテーションを受けるには医師の指示が必要になりリハビリの専門職(※)から直接リハビリを受けることになります。
デイサービスの中には、リハ特化型と呼ばれるデイサービスも最近は多くなってきています。
リハ特化型のデイサービスでは、常勤医師はいないもののリハビリ専門職がいてリハビリテーションを提供するというところが多いです。
デイサービスとデイケアの違いで選び方に悩まれている方は、この2つの違いを理解したうえで選ぶようにしてみましょう!
※リハビリ専門職とは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のことです。
見学や体験利用を活用してみましょう!
さていよいよ、デイサービスの選び方もひと段落して、通いたいデイサービスの数も絞れてきた方におススメなのが見学や体験利用です。
デイサービスによっては、本利用を始める前に雰囲気を感じていただくために見学や体験利用を実施している所もあります。
見学では、30分~1時間程でデイサービスの中を見ていただきながら、デイサービスの概要の説明をしてもらいます。
体験利用では、デイサービスを利用するのと同じように一日デイサービスの利用を体験してみるというものです。
デイサービスを本利用するには、契約書類なども多く時間がかかってしまいます。
ですので、契約をする前に見学や体験利用をすることで、そのデイサービスに長く通うことができそうかどうかを事前に見定めることができます。
見学や体験利用の日程の調整なども、地域包括支援センターやケアマネージャーが行なってくれる場合がありますのでぜひ相談してみてください!
デイサービスの選び方の終盤では見学や体験利用も活用できることを覚えておきましょう!
まとめ
今回は、これからデイサービスの利用を検討される方に向けてデイサービスを選ぶ時の5つのポイントというテーマでお伝えしてきました。
デイサービスを選ぶ時に最初にやることは、何のためにデイサービスを利用するのか利用目的を決めることです。
デイサービスには様々な規模・サービス内容・メリット・料金があることをお伝えしてきました。
今では、個性あふれるデイサービスも多くなってきていますので、利用目的やこだわりたいポイントにあるデイサービスを探してみましょう
デイサービスを選ぶ時の相談窓口は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所のケアマネージャーです。
地域包括支援センターの職員やケアマネージャーはデイサービスの情報を豊富に持っていますので自分で考えるのは大変と思ったら活用してください。
初めてデイサービスを利用する時には分からないことも多いと思います。
是非、今回の記事を参考にしていただいていただければ幸いです!