デイサービスを安定して運営させていくためには稼働率の管理は欠かせません。
ですが、デイサービスの管理者や生活相談員は稼働率に関して次のような悩みを抱えています。
- デイサービスの稼働率を上げるための方法がわからない
- 集客が見込めずにデイサービスの稼働率があがらない
今回の記事ではデイサービスの稼働率に関する上記のような悩みにお答えしていきます。
この記事で伝えること
- デイサービスの稼働率の計算方法
- デイサービスの稼働率と重要な関わりのある5つの要素
- デイサービスの稼働率80%以上を目指すための5つの方法
- デイサービスの稼働率を上げる時の3つの注意ポイント
- デイサービスの稼働率を上げる時の最初の3ステップ
実際に私が管理者を務めるデイサービスでも、開設から数年はなかなか稼働率が上がらずに悩みました。ですが、様々な稼働率アップの戦略を試すことで徐々に稼働率アップの効果が出てきました。
私のデイサービスの過去3年間を見ても、平均稼働率は80%以上を維持しており全国平均よりも上回った結果を残しています。
今回はデイサービスの稼働率80%以上を目指して、それを維持し続けるために取り組むべきことをお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
デイサービス稼働率の計算方法
まず初めにデイサービスにおける稼働率とはなんなのかについてお伝えしていきます。
デイサービス稼働率とは、利用できる最大の人数に対して、何割利用されているかを表す数字です。
例えば、1か月に100人できるデイサービスで実際には1か月に80人利用した場合には稼働率は80%になりますよね。
実際にデイサービスの稼働率を計算する計算式は次の通りです。
デイサービス稼働率の計算式
稼働率=1か月の延べ利用者数÷(その月の営業日数×利用定員)
これにあなたのデイサービスの実際の数字を当てはめていただくとデイサービス稼働率を求めることができます。
たとえば次のような条件で稼働率の計算式に当てはめてみます。
- 定員 20名
- 稼働日数 24日
- 1ヶ月の延べ利用者数 392名
稼働率=392名÷(24日×20名)≒0.817となるので、81.7%のデイサービス稼働率だということがわかります。(小数点以下に関しては小数点第二位で四捨五入して計算しています。)
まずは、お伝えしてきた計算式であなたのデイサービスの稼働率を知るところから始めてみましょう。次はデイサービス稼働率と関係のある重要な5つの要素についてお伝えしていきます。
デイサービス稼働率と関係のある重要な5つの要素
デイサービスの稼働率は次に紹介する5つの要素と重要な関わりがあります。
稼働率と5つの要素がどのような関係性にあるかを理解しておくことで、稼働率を上げて集客や収入を上げるためのヒントになります。
稼働率と関わりのある重要な5要素
- デイサービスの収入
- デイサービスの認知度
- デイサービスの評判
- デイサービスのリピート率
- 生活相談員の質
実際には、稼働率から上記の要素に影響を与えるものと、上記の要素から稼働率に影響を与えるものがあります。デイサービスの稼働率はそれぞれの要素が単一的に影響を与えるのではなく、様々な要因が絡み合って影響を与えている場合が多いです。
どれもデイサービスの稼働率と重要な関わりを持つ5つの要素を解説していきますので、ぜひご覧ください。
デイサービスの収入
デイサービスの稼働率はデイサービスの収入に直接影響を与えます。この場合はどちらかと言うと、稼働率が収入に影響を与えている(稼働率→収入)という感じですね。
デイサービスの稼働率が上がればデイサービスの収入は上がっていきます。但し、要支援の方や総合事業の方が利用される場合には月額で料金が決まっている場合が多いです。そのためデイサービス稼働率が上がっても収入が上がりづらい場合があります。
デイサービスでは次のような様々な必要経費が発生します。ですのでそれを賄うことができる収入を生み出すために稼働率を上げていく必要があります。
- 人件費(給料、賞与など)
- 車両関係(リース代、ガソリン代、車検代など)
- 光熱費(水道、電気、ガスなど)
- 備品等の費用
- 建物に関する費用
このような支出を賄って安定して運営させていくためには、支出を上回る収入をキープしていくことが必要になります。
基本的にデイサービス稼働率はデイサービスの収入に直接影響を与えていきますので、売上アップを目指すためには稼働率を上げていく必要があります。
デイサービスの認知度
デイサービスの認知度はデイサービス稼働率に影響を与えます。つまり、あなたのデイサービスを知っている人の数が稼働率に影響をあたえる(認知度→稼働率)ということですね。
あなたのデイサービスを知っている人が増えれば、それだけデイサービスの稼働率を上げられる可能性が高くなります。
逆にあなたのデイサービスを知っている人が少なければ、利用につながる可能性も低くなりますので稼働率は上げづらくなりますよね。
例えば、あなたのデイサービスの存在を100人が知っている場合と5人しか知らない場合ではどちらが集客につながる可能性が高いでしょうか?
デイサービスを知っている人のうち100人中100人、5人中5人がデイサービスの利用につながるわけではありません。ですが、あなたのデイサービスを知っている人の絶対数が多いほうが、利用につながる可能性は高いですよね。
あなたのデイサービスを知らない人にとっては、あなたのデイサービスは存在しないのと一緒です。なので、稼働率を上げるにはできる限りあなたのデイサービスの認知度を高めていく必要があります。
デイサービスの評判
デイサービスの評判も、デイサービスの稼働率に影響を与えます。あなたのデイサービスの評判が良ければ良いほど稼働率は高くなると思っていいでしょう(評判→稼働率)
デイサービスの評判は数値化しにくく、可視化しづらい部分です。ですが、次のようなデイサービスに関わりのある人や事業所からの評判、評価は常に気にしておくようにしましょう。
- 既存のご利用者、ご家族
- ケアマネージャー
- 地域包括支援センター
- 地域住民
- 他のサービス事業者
例えば既存のご利用者やご家族からの評判が良ければ、利用回数を増やしてもらえるようになったり、お友達を紹介してもらい新規ご利用者獲得につながって稼働率が上がっていきます。
ケアマネージャーや地域包括支援センターからの評判が良ければ新規ご利用者の獲得につながり、デイサービスの稼働率アップにつながります。
逆に評判が良くないデイサービスでは、新規のご利用者獲得につながり辛く、利用していても他のデイサービスに移られたりと稼働率を上げることが苦しくなっていきます。
デイサービスのリピート率
デイサービスのリピート率という言葉を使っていますが、具体的に言うと次のようなことです。
- デイサービスを継続して長い間利用してもらえる
- ケアマネージャー等から繰り返し新規紹介をもらえる
- 利用回数を増やしてもらえる
デイサービスのリピート率が高くなればなるほど、稼働率も上がっていくことになります(リピート率→稼働率)。繰り返し新規の紹介をしてもらえたり、デイサービスに通うのが楽しくて利用回数を増やしてもらえるような場合にはデイサービスの空きがどんどん埋まって稼働率が上がっていきますよね。
デイサービスの評判とも関わりの深い部分で、評判が良ければリピート率が上がっていく傾向にあります。独特な取り組みを行なって人気のあるようなデイサービスはリピート率も上がっていきます。
ですがデイサービスのリピート率を決めるのは評判だけでなく、デイサービス自身の施策としての努力も必要になります。
例えば、色々な居宅のケアマネージャーさんから新規紹介を頂けることは素晴らしいのですが、紹介が単発で終わってしまい次の紹介につながっていない場合は安定して稼働率を高い状態で維持しづらいかもしれません。そのため、デイサービスとして繰り返し新規紹介を頂くために、どんな取り組みが必要なのかを考えていく必要があるというようなことですね。
生活相談員の質
デイサービスの窓口、つまりデイサービスの顔ともいえる生活相談員の質はデイサービス稼働率に大きく影響を与えます。(生活相談員の質→稼働率)
生活相談員の質が稼働率に影響を与えると聞くと残酷な言い方に聞こえるかもしれませんが、私自身が生活相談員として10年以上デイサービスの運営に関わっていて実感している事実をお伝えしています。
生活相談員の人としての質がどうこうというわけではなく、相談援助で対価を頂くプロとして相応しい品質を保てているかどうかということですね。生活相談員は業務の幅が広く、相談援助のプロだという意識が薄れがちです。ですが生活相談員の専門性は相談援助です。介護技術やリーダーシップを持っているに越したことはありませんが次のようなスキルの質が問われます。
- コミュニケーション力(傾聴、提案力など)
- 知識、情報量
- 提案力
- 突発的なことへの対応力
- 安心感
主に上記のような点で、生活相談員がご利用者やご家族、ケアマネージャーなどからの信頼感を得られているかどうかは高い稼働率を維持していくためのポイントになります。
デイサービスの窓口になっている生活相談員の質次第で、そのデイサービスの介護の質を評価されるような部分もなきにしもあらずです。内部ではなく外部の方が生活相談員と接して評価する時に合格点をもらえるように準備しておきましょう。
もしかすると、この記事をご覧いただいている生活相談員の中には核心を突かれてドキッとしている方もいるかもしれません。(実際に私自身もあまり突かれたくない部分ですので)
稼働率がなかなか上がらずに悩んでいるデイサービスの生活相談員は上記のような点に磨きをかけたうえで、自分の個性を出していくと強い武器になっていくでしょう。
では、次にデイサービスの稼働率アップのためにやるべきことについて解説していきます。
デイサービス稼働率80%以上を目指すためにやるべき5つのこと
ここからは、デイサービスの稼働率80%以上を目指してやるべきことをお伝えしていきます。デイサービスの稼働率を80%以上に上げるための方法として今回紹介するのは次の5つです。
- デイサービスの認知度を高める
- キャンセル率を下げる
- 居宅や包括からの信頼を得る
- 利用回数を増やす
- デイサービスの質を高める
デイサービスの稼働率を80%以上に目指して施策に取り組む場合には、デイサービスの空き枠をどこまで埋めると達成できるのかを意識してやっていくといいでしょう。
では詳しく解説していきます。
デイサービスの認知度を高める
デイサービスの稼働率を上げるためにはあなたのデイサービスをより多くの方に知ってもらうことが必要です。つまり、デイサービスの認知度をあげていくということですね。
この記事の中では、あえて知名度ではなく認知度と言う言葉を使っています。それはデイサービスの名前だけでなくどんな特色のあるデイサービスかまでをより多くの人に届ける必要があるからです。
自分のデイサービスの名前やデイサービスの取り組みをどのくらいの人が知っているのだろうと考える機会はあまりないかもしれません。ですがデイサービスの稼働率を上げて集客アップを目指すにはデイサービスの認知度というものも意識しておいた方がいいでしょう。
デイサービスの認知度を数値化するのは難しいかもしれませんが、新規の紹介が少なかったり問い合わせが少ない場合にはデイサービスの認知度の低さに原因があるかもしれません。
利用する側や紹介する側が気になるのは、そのデイサービスではどんなことを行なっているのかという部分です。
デイサービスをこれから利用する場合には、デイサービスについて色々な活動をするのか、機能訓練に特化しているのか、お風呂は温泉なのかなど気になるのは事業所の名前ではなくてその内容です。
デイサービスの認知度を高めるには以下の方法があります。
- 居宅や包括に営業に行く
- ホームページを作成する
- SNSで活動を発信する
- 地域の回覧板で通信を配布してもらう
デイサービスの認知度を高めていくためには、基本的にはデイサービスの職員が直接足を運んで顔を見せてコミュニケーションを取る方法が安心感もあり集客もつながりやすくなります。
ですが、今ではスマホやパソコンで調べる方も増えていますのでホームページを作成したり、SNSで活動の様子やデイサービスの情報を発信することも効果的でしょう。中には、テレビCMを流すようなデイサービスもあります。デイサービスの認知度を上げるには、より多くの方の目にあなたのデイサービスの情報が目に入る必要があります。
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キャンセル率を減らす
デイサービス稼働率アップのためにはキャンセル率を減らすことも重要です。この対策はどちらかというと稼働率維持というほうが近いかもしれません。
ですがデイサービスでは稼働率を下げないことが次の稼働率アップにつながっていきますので、重要な対策です。キャンセル率を減らすためにデイサービスで行うことができる対策には主に次のようなものがあります。
- 振替利用の提案
- キャンセル料を設定する
- ご利用者がワクワクするような活動を行なう
- ご利用者1人1人の興味のあることを理解しておく
振替利用を提案して休んだ事にしない、キャンセル料を設定して休みづらくする、活動や興味の出る声掛けで惹きこむという3点はキャンセル率を下げるのに効果的な方法です。
もちろん本当に体調不良や外出の用事があって休まなければいけない場合もありますので、そのあたりは塩梅を見ながら対応していきましょう。
デイサービスでキャンセル料は頂いて良いの?キャンセル料を頂ける条件、金額設定の方法などをお伝えします。でも解説していますが、デイサービスのキャンセルは稼働率だけでなく運営にも影響を与えます。
高齢者がお客様のデイサービスでは、突然の体調不良でお休みになることも日常茶飯事です。デイサービスで働く方の中には、お迎えに行ったのに「今日は具合が悪くて休ませてください」なんて言われた経験をされた方も多いと思います。
「高齢者だから突発的な休みはしょうがないよね。。。」とあきらめたくなる気持ちもわかりますが、デイサービス稼働率アップのためにはそこで諦めずに何かしらの対策をしていきましょう。
居宅や包括からの信頼を得る
デイサービスの稼働率を上げていくには、居宅や包括からの信頼を得ていくことも大きなポイントです。
居宅や包括からの信頼を得ることで、新規ご利用者の獲得や利用回数増につながり稼働率をアップさせることができます。
実際に居宅や包括からの信頼を獲得していくためには、次の3つに分けて考えていくようにしましょう。
- 今まで新規ご利用者の紹介をもらったことが無い居宅や包括からの信頼獲得
- 既にご利用者の紹介をもらっている居宅や包括からの信頼獲得
- 以前に紹介をもらっていたけれども、ここ最近新規ご利用者の紹介が無い居宅や包括からの信頼獲得
まずは、今まで新規ご利用者の紹介をもらったことのない居宅や包括に関してです。営業活動に行く場合に、やってしまいがちな失敗が一方的に情報を発信してしまうことです。「私のデイサービスはこんなところですよ」と発信することで営業活動に満足しないように気を付けましょう。
大事なことは、居宅や包括側のニーズです。要は相手がどんなデイサービスを求めているかを知ったうえで、そこに対してあなたのデイサービスがどのように貢献できるかという双方向のコミュニケーションを取ることで信頼獲得につながっていきます。
次に、既にご利用者の紹介をもらっている居宅や包括からの信頼獲得に関してです。すでに紹介を頂いている場合には、既存のご利用者様が現在どのような状況でご利用されているか、どのような変化があったかなどの情報を発信していくようにしましょう。それと合わせて、ケアマネージャー等がデイサービスに何を求めているのかも確認しながらコミュニケーションを図っていくようにしましょう。
最後に、以前に紹介をもらっていたけれども、ここ最近新規ご利用者の紹介が無い、居宅や包括です。以前に紹介があったけどしばらく紹介を頂けていないということは、あなたのデイサービスのどこかに問題があったのかもしれません。なにか思い当たる節がある場合には、問題を改善したうえで情報を発信していくようにしましょう。
利用回数を増やす
ご利用者の利用回数を増やすことも稼働率を上げるために必要な施策になります。
週1回利用のご利用者を、週2回に増やせるようにご利用者本人やご家族、ケアマネージャー等に相談を持ち掛けることも必要です。
デイサービスご利用者の利用回数を増やすためには、ご利用者を知ったり、もっと通いたいと思っていただけるような普段からのかかわりが必要になります。
- ご利用者の生活状況
- ご利用者が興味を持っていること
- ご利用者がどうなりたいと思っているか
上記のようなご利用者やご家族が抱える課題や思いに対して、あなたのデイサービスがどのような役割を発揮していけるか提案していけるスキルも必要になるでしょう。
多いケースで言うと、日中ご家族が不在になる日が出てきて、ご利用者が1人で生活するには何かしらの不安があるからデイサービスの利用回数を増やすケースでしょうか。
普段からご利用者やご家族とコミュニケーションを取っておくことで、このような生活状況の変化に早く気付くことができてデイサービス側から利用回数増の提案ができるようになります。
デイサービスの質を高める
デイサービスの稼働率と関係のある5つの重要な要素では生活相談員の質もデイサービスの稼働率と関連があるとお伝えしました。
ですがデイサービスの稼働率を上げていくためにはデイサービス全体の質を高めていく必要があります。デイサービスの質と一言に言ってもイメージしづらいかもしれません。デイサービスの質を決定していくには様々な要素があります。
- 接遇マナー
- 活動内容
- 介護技術
- 知識
- 突発的なことへの対応
例えば、職員の言葉遣いが荒くご利用者をないがしろにするようなデイサービスは質が高いとは言えないですよね?そんなデイサービスにはご利用者が集まらないです。
同じように、ご利用者が興味を持てない活動を延々としていたり、介護技術が低く法令などの知識を持たないデイサービス、突発的な出来事に対応できないデイサービスには新規ご利用者は紹介しづらいものです。
デイサービスの稼働率をアップさせるには、あなたのデイサービスがウィークポイントだと感じている部分は質を高めていく必要があるでしょう。
研修の機会を積極的に設けたり、他の事業所の情報を仕入れる、指導できる職員を育てていくなどの取り組みを行うようにしましょう。
デイサービスの稼働率アップを目指す時の3つの注意ポイント
ここまではデイサービスの稼働率80%以上まで上げるための方法について解説してきました。ですがデイサービスの稼働率アップを目指す時には、注意しなければいけないポイントが3つあります。
- 強引に行く
- 1人のご利用者にこだわる
- できないことまで引き受ける
デイサービスの稼働率を上げて売り上げを伸ばしたいがために、手段を選ばずに施策を実行していくと、逆に信頼を失ったり関係者に迷惑をかける結果を招いてしまいます。
そうならないためにも、事前にデイサービスの稼働率アップを目指す時の注意ポイントを把握していきましょう。
強引に行く
デイサービスの稼働率を上げることだけにこだわって強引に行くことは避けるようにしましょう。強引に行くとは例えば次のようなケースを言っています。
- ご利用者の意に反して利用回数を増やそうとする
- 他のデイサービスのご利用者に営業をかける
- 相手の忙しさを考慮せずに営業をする
デイサービスの稼働率を上げることにこだわると、自己中心的に考えてしまいがちになります。
強引に稼働率を上げようとすると、どこかで誰かからの信頼を失うことになってしまいます。その結果、目先の稼働率は上がってももっと長いスパンで見た時の将来的な稼働率の安定につながらなくなります。
デイサービスの稼働率を上げるうえで大事なことは、デイサービスの安定運営を考えることです。あくまでも関係者からの信頼獲得をしながら稼働率を上げていけるように模索していきましょう。
1人のご利用者にこだわる
1人のご利用者にこだわってデイサービスの稼働率を上げることもできる限り避けたほうがいいでしょう。
例えば、デイサービスの稼働率を上げるために利用回数を増やしやすそうな方にこだわって1週間毎日デイサービスの利用につなげたとします。
しかしながら、そのご利用者が入院等でデイサービスを利用できなくなった場合にデイサービスの稼働率はどうなるでしょうか?ガクッと一気にデイサービスの稼働率を下げてしまいますよね。
つまり1人のご利用者が抱える稼働率の割合が高すぎることには、それなりのリスクもあるということです。
もちろん先ほどお伝えした通りご利用者の利用回数増は稼働率を上げるために有効な方法です。適度に利用回数を増やしていくことは効果的ですが、一人にこだわり過ぎず全体をまんべんなく見て対策をしていきましょう。
デイサービスの稼働率を上げる時には、一か月の利用回数(延べ人数)よりもデイサービスを利用している人数(実人数)にこだわったほうがいいということです。
できないことまで引き受ける
デイサービスの稼働率を上げたいがために、できないことまで引き受けることも避けたほうがいいです。居宅や包括から新規ご利用者の紹介が来た時には嬉しくなってなんでも引き受けたくなりますよね。
ですが、あなたのデイサービスで対応できないことまで引き受けてしまうと、ご利用者が利用を開始した後に「やっぱりできませんでした」と断らなければいけない結果になってしまいます。
そうすると「あの時はできるって言ったじゃないか」と一度引き受けたがために逆に居宅や包括からの信頼を失ってしまうことになります。
例えば、次のような部分は対応できることできないことを明確にしておいてほうが良いでしょう。
- 医療依存度の高い方の受け入れ
- 入浴形態の対応
- 食事がどこまで対応できるか
- 機能訓練でどこまで対応ができるか
- 送迎の範囲
できないことを引き受けてしまうとご利用者にも迷惑をかけてしまうだけでなく、デイサービスを紹介してくれた居宅や包括がご利用者からの信頼を失ってしまうなどデイサービスの問題だけでは済まなくなってきます。
稼働率を上げて売上を上げたいがためにできないことまで引き受けないように注意しましょう。
デイサービス稼働率アップの優先3ステップ
ここまで、デイサービスの稼働率を上げるための方法や注意点に関して解説してきました。では、実際に稼働率を上げていこうと思った時の最初の3ステップをお伝えしていきます。
- 自分のデイサービスについて知る
- 半年以内の稼働率目標を決める
- デイサービスの認知度を高めていく
デイサービスの稼働率を上げようと思った時には、まずは自分のデイサービスについて知ることから始めていきましょう。
自分のデイサービスを知っておくことで、ご利用者のニーズにどんな方法で答えることができるかがわかるようになります。先ほどお伝えした対応できることできないことを知っておくこともその1つでしょう。
2番目にに行うことは半年以内の稼働率の目標を決めることです。もちろん100%に近い稼働率を目指すことは理想が高くていいことです。ですが、実際にあなたのデイサービスが半年以内に目指すことのできる現実的な目標を立てるようにしましょう。
半年後に目標の稼働率を達成するためにどんなスパンで施策を試す必要があるのか決めておくと、達成度も目に見えやすくなりやりがいも生まれてきます。その他にもどの施策が効果的なのかを知ることもできるようになり今後のデイサービス運営にもプラスになっていきます。
3ステップ目にやることはデイサービスの認知度を高めていくことです。デイサービスの認知度を高める方法はデイサービスの稼働率を高めるためにやるべき5つのことでお伝えした通りです。
デイサービスの稼働率アップを目指そうと思った時には、最初の3ステップを踏まえることで行動しやすくなります。デイサービスやあなた自身の現状に合わせて行動を起こしてみましょう。
では最後に今回の記事をまとめていきます。ぜひ最後までご覧ください。
まとめ
今回は、【80%以上を目指す!】デイサービス稼働率アップの5つの方法と重要な5要素を解説!というテーマでお伝えしてきました。
デイサービスの稼働率はデイサービスの収入に直接影響を与えますので、安定した運営をしていくには稼働率の管理が必要になります。デイサービスの認知度や生活相談員の質も稼働率とは重要な関わりのある要素です。
デイサービスの稼働率80%以上を目指して上げていく5つの方法は次の通りです。
- デイサービスの認知度を高める
- キャンセル率を下げる
- 居宅や包括からの信頼を得る
- 利用回数を増やす
- デイサービスの質を高める
デイサービスの稼働率を上げていこうと思った時には、自分のデイサービスを知ることや稼働率の目標を決めてから行動に移るようにしましょう。
そのうえでデイサービスの認知度を高め、関係者に迷惑のかからない注意ポイントを押さえながら稼働率アップの施策を実行するようにします。
稼働率アップに取り組んでもすぐに結果を出すことは難しいですが、根気強く施策を続けていくことが重要です。あきらめずにデイサービスの稼働率アップに臨んでいきましょう!!