今回は、デイサービスのシフト作成の方法についてお伝えしていきます。
デイサービスでシフト作成を担当している方にとって月末が近づくにつれシフト作成は頭を悩ませる原因にもなりますよね?
私も数年に渡ってデイサービスのシフトを作成しましたので、人手不足や人員配置などシフトの組み方で悩んできました。
今回は、デイサービスでのシフト作成の準備・シフト作成の7つの手順・有給休暇の消化方法についてお伝えしていきます。
デイサービスのシフト作成で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
デイサービスのシフト作成のための準備
前置きとして、私のデイサービスは利用定員15名 常勤4名 非常勤4名です。
私のデイサービスの場合は管理者(私)がシフト作成を行なっています。
デイサービスのシフトを作成する時に、私が準備段階でやっておくことは職員の希望休をとっておくことです。
希望休を取る時には、翌月分のシフトを何も書いていない状態でバインダーに挟んで休憩室に置いておきます。
そして毎月15日までに休みを取りたい日に(3日分まで)しるしをつけておいてもらいます。
例えば
8月の希望休は7月15日までに書いてもらう。
常勤・非常勤問わず3日分までの希望休です。
特に不満が出ることもなくずっとこのシステムでやっています。
そして、原則として事前に出してもらった希望休の日は必ず休みにするようにします。
希望休が埋まるとこんな感じになります。
私のデイサービスの場合、希望休の出し方には個人差があり、毎月3日間必ず出す職員もいれば、まったく出さない職員もいたりバラバラです。
今回は例示なので、管理者以外の職員が全員が3日分提出した体にしています。
デイサービスのシフト作成時にこの方法で希望休を取るメリットは次の通りです。
メリット
- 職員が事前に予定を入れることができる。
- 他の人が希望を出している所は事前に職員同士で話し合って解決できる。
- わざわざ職員から管理者に休みたい理由を言わなくていいので休みを取りやすい。
- シフト(勤務表)作成者からしても事前にシフトのシミュレーションをしやすい。(15日までの間にちょくちょくチェックしています。)
しかし、時には特別な事情で4日以上の希望休が欲しい職員もできてきます。
そんな時は、管理者(シフト作成者ではなく管理者です)に直接申し出てもらうようにします。
これによって、他の職員に突っ込まれた時に管理者から言われて、希望休を与えたとシフト(勤務表)作成者が言い訳できるようにしておきます。
(私の場合は私自身の言い訳の為に行っています笑)
このシステムが確立されているので、特に不満も出ていませんが・・・。
デイサービスのシフト作成の手順
希望休が確定した16日からは、いよいよデイサービスのシフト作成に入っていきます。
が、初めてデイサービスのシフトを作成される方は、組み方が難しくどこから手を付けたらいいかわからないかもしれません。
最初にお伝えしておくと私がデイサービスのシフト作成に取り組む時の完成までの流れイメージは以下の感じです。
シフト作成の流れ
- 希望休の所を埋める
- とりあえず埋める
- 優先順位をつけて調整していく
- 過剰配置を避ける
- 職員に配慮する
- 調整項目を確認して調整
- 微調整と確認
ちなみに私は初めてデイサービスのシフト作成に取り組んだ頃は、しばらくパソコンとにらめっこしていました。
最初から完璧なシフトを作ってやろうと意気込んでいたんですね。
ただ、最初から完璧なシフトを作ることは正直言って不可能です。
かといってがむしゃらに作ろうと思ってもなかなか難しいですよね。
先ほど紹介した手順を踏んでデイサービスのシフト作成に取り組むと効率的に取り組めると思います。
デイサービスのシフト作成の手順を順番に紹介していきます。
1.希望休の所から埋める
デイサービスのシフト作成にあたって最初に行うことは希望休を出している所から埋めてみるです。
シフトの希望休の所を埋めると、他の人の勤務が確定する箇所が出てきます。
例えば、
- 正社員は祝日分や夏休みなどを除けば基本的に週5日勤務なので希望休の週は勤務が確定します。
- 看護職員は2人なので、1人が希望を出している所は勤務が確定します。
- 相談員は管理者も含め3人いますが、基本的には管理者を除いた2人で配置していくので看護職員と同じです。
以下の感じです。
希望休の箇所を埋めてしまうと、結構埋まる箇所が多いですよね。
シフトの微調整は後で行っていきますので、この時点では勤務日数などは気にしないで埋めていいです。
慣れてくると、自然と勤務日数も気にしながら埋めていけるようになっていきますよ!
デイサービスの規模や職員の人数によって条件は変わると思いますが、まずは希望休を基準にして埋めてみましょう。
2とりあえず埋めてみる
そしてここからが恐らく本格的に悩んでくるところだと思いますが、私は魔法の呪文を自分に言い聞かせています。
「とりあえず埋めてみる」
私がシフト作成時に自分に言い聞かせる魔法の呪文は「ビビデバビ・・・」でなくて「とりあえず埋めてみる」です!!
私のシフト作成の経験上、パソコンの画面を見つめて悩んでいてもシフトは出来上がりません。
ですので、私はとりあえず空欄が無いように埋めてしまいます。
ここからは一心不乱に後先考えずにとりあえず埋めちゃいます。
とはいえ、何か優先順位や目安がないと埋めづらいですよね。
優先順位については後ほど詳しく説明しますが、私の場合は入浴の予定者数に合わせて人数配置をすることが優先事項です。
ですので入浴の予定者数に合わせて必要な人数だけを、とりあえず埋めちゃいます。
シフト作成時はデイサービスの実情に合わせてで何を優先するか一つ決めておくと、かなり埋めやすくなります。
例えば、送迎の人数なのか、レクリエーションの人数なのか、ホール対応の人数なのかはデイサービスによって変わると思います。
とりあえず埋めた結果、優先順位をクリアしていなくても全く問題ないので大丈夫です。
シフトは最後の調整を行っていくので、とりあえず埋めちゃいます。
しつこいですが、ここまでは本当にとにかくとりあえずです。
嘘じゃないです。
デイサービスのシフトは見ていても仕方ないのでとりあえず埋めてから調整していきます。
デイサービスのシフトをとりあえず全て埋めるとこんな感じになります。
※曜日の下の数字は入浴の予定者数です。(次の3で説明します。)
そして一通り1か月のシフトがとりあえず埋まったら、これをベースにしながら優先順位がクリアできるように調整していきます。
3優先順位の通りに調整していく
先ほども触れましたが、私がデイサービスのシフト作成時に最優先することは、入浴が回ることです。
私のデイサービスでは、ざっくりいうと午前中に入浴と機能訓練を行い、午後からレクリエーション活動のような感じの流れでした。
入浴に2~3名、機能訓練に1名(看護職員)、ホール見守り1名で管理者以外で5~6名の職員配置になります。
入浴は利用者5名に対して1人の職員が必要という目安です。
デイサービスのシフトを作成している時に、入浴の予定者数が一目でわかるとシフトもスムーズに埋めていくことができます。
ですので曜日の下に入浴の予定者数を打ち込んでいます。
例えば2日(月)は入浴予定の利用者様が11名なので入浴対応に職員3名が必要になりますね。
ホール対応と機能訓練対応は1名ずつで大丈夫なので計5名の職員が必要になります。
そこに管理者を1人配置しています。(管理者はできる限り身軽なほうがいいので付属のような感じです。)
午後からのレクリエーションはほとんどの場合2~3名の職員で対応できますので、残りの1~2名は午後から記録やレクリエーションの準備の時間に使うことができます。
このように、どの業務を優先させると現場が回るかをシフト作成者が把握しておくことはとても大事になってきます。
このあたりが各デイサービスの実情に合わせた調整になってきます。
とりあえず埋めたシフトをベースにしながら調整を行ってください。
4過剰配置を避ける
次に気を付けていきたいのが、過剰配置を避けるということです。
現場にとっては人の配置が不足することが一番困ることですが、人を多く配置することも避けたいことです。
その理由としては2つあります。
- 人が多くなることで、責任感が分散してします。
- 本当に必要なところに人を配置できなくなる
人が多いことで、皆いるから大丈夫だろうと思ったり、繁忙期に人を配置できなくなるなどの不具合が出てきます。
過剰配置できるほど人員がそろっている現場はとてもうらやましいですね。
先ほどのとりあえず埋めたシフトでは、4日・18日・31日が入浴の予定者数に対して過剰な配置になっています。
この時点で調整をしてもいいですし、後で他の項目と合わせて調整をしてもいいです。
5職員に配慮する
優先順位にも気をつけながら、とりあえず1か月分のシフトが埋まったら細かい調整に入っていきます。
ここからは職員への配慮です。
職員に長く勤務してもらうためにも職員への配慮も大事な項目ですので、シフト作成に慣れてきたら積極的に取り組んでみてください。
私がデイサービスのシフト(勤務表)を作成する時に職員に配慮することは大きく3つあります
・勤務日数の確認
・職員個々の事情に合わせる
・必ず連休を入れる
・どうしても無理な時はまず管理者を犠牲に(最終手段)
1つずつ紹介していきます。
勤務日数の確認
最初に職員の勤務日数の確認をしていきます。
例えば今回見本にしているシフトでは、常勤は22日の勤務日数という設定にしています。
非常勤職員は人によって勤務日数が変わるので一律ではないので、特に注意して確認が必要です。
とりあえず埋めたシフトでは、生活相談員のB谷さんが21日の勤務になっています。
B谷さんは最終週の月曜日希望休を出しているので、有給休暇で休めるように調整するのが良いかと思います。
他にも特別休暇制度で夏季休暇や誕生日休暇などがあれば活用してみてくださいね。
職員個々に合わせる
次にデイサービスのシフト作成時に気を付けていることは、職員個々の事情に合わせて勤務を入れることです。
パート職員の中でも人によって勤務日数や勤務時間は違いますし、体力が違えば家庭事情も違いますよね。
例えばC川さんから「今、家庭が忙しくて、3連勤になると疲れが取れないんです」という相談を受けたとします。
そういう場合にはその職員に関しては、3連勤にならないように配慮しながらシフト調整をしていきます。
ここでシフト作成者からすると「苦労して作っているのに・・・」と思うかもしれませんが、職員と闘うようなことは絶対にしません。
全員を全て平等になんて言うのは不可能ですし、大事なことは同じ職員に長く働いてもらうことです。
離職を防ぐには、シフトって意外と大事な要素で「何かあった時に配慮してもらえる」という安心感は重要です。
とりあえず埋めたシフトを見てみると、C川さんの勤務で16日~18日が3連勤になっているので変更していきます。
この時点で調整してもいいですし、最後の微調整で修正していっても大丈夫です。
ただ、どの程度まで希望を聞くかとか他の職員とのバランスなどはシフト作成者ではなく管理者が基準を持っておいてくださいね。
長期的なことなのか、短期的なことなのかでも判断は変わってくるかと思います。
こんな感じで個々の職員への調整をしていきます。
必ず連休を入れる
必ず連休を入れるうのは特に常勤職員への配慮ですね。
私の働いているデイサービスは月~土(祝日含む)営業のデイサービスです。
ですので、火~金に休みが入ると基本的に単発の休みになってしまいます。(祝日分の休みもありますが)
常勤職員は、働き方に関してなかなか意見が言いづらかったり正社員の場合は正社員なんだから働くのは当たり前と思っている傾向の方もいます。
そう思っていただけることは管理者として、とてもありがたいことですが、やはりプライベートの充実も必要です。
ですので、常勤職員にも月に一回は必ず連休を入れるようにしています。
できる限り土日の休みを一回は入れて、無理であれば日月の休みという感じで優先順位をつけています。
とりあえず埋めたシフトでは、F田さんに連休が入っていないのでF田さんにも連休を入れられるように調整していきます。
そして、正社員に連休を入れるのはできる限り2週目以降です。
月末にシフトを配布すると、2週目以降のほうが予定を立てやすくなると思いますので、そんな配慮を黙々と行っています。
どうしても無理な時はまず管理者を犠牲にする
今回例示しているデイサービスのシフトは、私も経験したことのないぐらい余裕のあるシフトで例示しています。
現状では、やはり人手不足になることも出てきますよね。
そんな時に、どうするかというとまずは管理者に犠牲になってもらいます。
本当にどうしようもない場合の最終手段なので、使わないに越したことはありません。
とはいえ、デイサービスの実情に合った人員を整えることもデイサービス管理者の仕事です。
心苦しさはあると思いますが、困ったらデイサービスの管理者に相談をしてみてください。
優先順位としては、現場の職員にしっかりと規定通りの休みを取ってもらうことです。
もちろん管理者が時間外勤務をした場合は翌月以降で代替えの休みをもらうか、時間外賃金をもらってくださいね。
(会社の役員などが管理者の場合は勤務日数に制限はありません)
6調整項目を確認して調整
私の場合はここまで調整項目を確認してシフトの調整を行っていきます。
ここまで確認した調整項目は、
- B谷さんの勤務日数
- 4日・18日・31日が入浴の予定者数に対して過剰な配置になっている
- C川さんの勤務で16日~18日が3連勤になっている
- F田さんに連休がはいっていない
ということがありましたので、まとめて調整していきます。
デイサービスのシフトをこの段階で調整していくと次のような感じになります。
有給休暇なども活用しながら、調整を行っています。
有給休暇は計画的に消化できるようにしているデイサービスも多いと思いますが、突発的に有給休暇の消化が必要な場合は職員と相談して消化してくださいね。
ちなみに31日は本来5人で充足なのですが、月末で実績報告の準備などがありますので1人多い状態のままにしています。
こんな感じでデイサービスの実情に合わせて、最後にまとめて調整していくとうまく調整ができると思います。
7微調整と確認
職員への配慮まで確認をしたら、最後に微調整と確認をしていきます。
微調整では、例えば特別な行事などに対して人数が足りているかなどの調整をしていきます。
デイサービスの場合、月末や月初は実績提出の準備や配布が出てくるかと思いますので、必要人員+1人配置できることが理想ですよね。
夏祭りなど普段よりも人員を要するような行事を企画している場合も、人数が不足しないように調整を行いましょう。
他にもシフトにはその月の予定を記載したり、レクリエーションの内容がわかるようにしたり使いやすいシフト(勤務表)作りを目指してきました。
私の場合は入浴の配置が重要なので、入浴の配置を確認するために行っている工夫が以下のイメージです。
ピンクで塗りつぶされている職員が入浴担当する職員です。
本来、私がシフト(勤務表)を作成する過程で確認するために使っていましたが、A3くらいのサイズで事務所などに貼っておくと、職員がわざわざ入浴担当を決める時間も省略できるようになります。
デイサービスによって工夫するポイントや職員の配置状況は変わりますので、デイサービスごとに合った調整を行ってみてください。
最期にデイサービスのシフト作成時の有給休暇の消化方法について取り組みを紹介していきます。
シフト作成時の有給休暇の消化方法
デイサービスのシフトを作成する時に、昨今は特に有給休暇の消化に注意を払わなければいけません。
ポイント
10日以上の有給休暇が付与される職員に関しては5日以上の消化が義務化されています。
私のデイサービスではほんの数年前まで、有給休暇消化が習慣化されていませんでした。
有給休暇に関しての認識が薄く、取らないことが当たり前のような雰囲気があったと思います。
私のデイサービスでは有給休暇の消化が義務化される少し前から、有給休暇を積極的に消化してもらうようにしました。
会社の中では有給休暇への取り組みは一番最初に始めましたが、世間一般で見るとかなり遅れていたほうだと思います。
職員には「希望休の締め切りまでに有給の希望も出すようにしてくださいね」と終礼などにみんなの前で言うようにしました。
最初は「有給使っていいんですか?」という雰囲気がありましたが、そんな雰囲気はは最初だけでしたね。
有給を消化してもらう時の準備として管理者に必要なのは就業規則や法令を知っておくことです。
何日前まで希望を出してもらって、何日前まで届け出をしてもらうのかなど職員に説明できる状態にしておく必要があります。
私の場合は希望休とごちゃごちゃにならないように有給は取りたい日にちはメモ紙に書いて提出してもらっています。
その後、有給を消化する5日前までには休暇届を提出してもらう形ですね。
そんな感じで働きやすい職場を目指して、シフト(勤務表)作成に取り組んできました。
まとめ
今回はデイサービスのシフト作成について私が取り組んできた内容を交えながらお伝えしました。
・シフト作成のための準備として希望休を事前に取る
・シフト作成はとりあえず埋めてみるから始める
・シフト作成時は職員個々への配慮も忘れない
・シフト作成には優先順位をつける
・有給休暇も消化することが当たり前という環境を作る
私はこんなことに気をつけながらシフト作成を行ってきました。
それぞれのデイサービスに合わせたシフト(勤務表)作成に取り組んでみてください。
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