デイサービスの生活相談員は幅広い仕事内容をこなすので、よく何でも屋と表現されることがあります。
実際にデイサービスの生活相談員は、様々な相談窓口としての機能だけでなく、介護現場に入ったりレクリエーションの企画を行ったり、縦横無尽に駆け回っている方も多いと思います。
ですが、デイサービスの生活相談員が本来の仕事内容を見失ってしまうと様々な悪影響も出ます。
- 気がついた時には現場がうまく回らなくなる
- 集客もままならない
- ケアマネージャーからの信頼をなくす
そうならないためにも、今回はデイサービス生活相談員の仕事内容や持っているといいスキル、生活相談員になるための資格についてお伝えしていきます。
今回の記事では私の失敗例も挙げながらお伝えしていますのでぜひご覧ください。
デイサービス生活相談員の仕事内容とは?
デイサービスの生活相談員は、幅広く様々なことをこなすという意味では何でも屋という表現も間違えていないかもしれません。
今回はデイサービス生活相談員の仕事内容についてお伝えします。
デイサービス生活相談員の仕事内容はデイサービスの仕事内容とは?の記事でも簡単に説明しています。
記事の中では紹介しきれなかった仕事内容も加えて、大きく6つあります。
- 相談等の窓口
- サービス担当者会議への出席
- 書類の作成・管理
- 介護業務
- 利用状況報告書の作成、利用実績の報告
- 司令塔
すべてのデイサービスで全てのことを求められるわけではなく、デイサービスによって仕事内容は変わってくる可能性があります。
一つずつ詳しく説明していきます。
相談等の窓口
デイサービスの生活相談員になると、様々な相談の窓口としての仕事内容が出てきます。
- 新規ご利用者の受付窓口
- 既存のご利用者やそのご家族からの相談窓口
- ケアマネージャー等からの相談窓口
- 全般的な相談苦情の窓口
- 利用状況の報告
これらの窓口としての役割や機能が出てきますので、様々なことに答えられる準備をしておく必要が出てきます。
例えば新規の受け入れをするためには、どの曜日に空きがあって送迎を無理なく組むことができるかなどを把握しておく必要があります。
私の失敗体験を1つお伝えします。
失敗体験①
私が、生活相談員になりたての頃は仕事内容を理解していなく、新規の依頼が入った時は確認をしてから連絡を折り返すことがよくありました。
ですが、折り返しをするまでの間に他のデイサービスの利用が決まってしまったという失敗経験を数回味わいました。
必ずではありませんが、デイサービスに連絡をしてきた時点で相手はすぐに返事が聞けると思っている場合が多いです。
ですので生活相談員として、デイサービスの窓口であることが自分の仕事内容なんだという意識を持っておく必要があります。
サービス担当者会議への出席
デイサービスの生活相談員の仕事内容の一つにサービス担当者会議への出席があります。
サービス担当者会議はサ担や担会と省略して呼ばれることがあります。
サービス担当者会議が開かれるタイミングは主に次の通りです。
- 新規サービス利用時
- 介護認定の更新時
- ケアプラン変更時
- 課題発生時
これらのタイミングでサービス担当者会議が開催されデイサービスの生活相談員も出席することになります。
サービス担当者会議では、ご利用者が利用している他のサービス事業所の職員も出席して情報共有の場にもなります。
デイサービスの生活相談員は、そこで聞いてきた情報を持ち帰ってデイサービスの職員に共有することになります。
話を聞いて本質を理解する力が求められます。
ちなみに私自身は伝えることがとても苦手なので、サービス担当者会議では聞いたことをとにかく文字に起こすようにして情報を逃さないようにしています。
大事なことは必要な情報を共有してご利用者のケアに悪い影響が出ないようにすることですので、苦手なことも自分でカバーできるように努力しましょう。
書類の作成・管理
デイサービスの生活相談員になると、介護記録とは別に書類の作成や管理を行う必要が出てきます。
主な書類として次のようなものがあります。
- 個別援助計画書
- 契約書
- 重要事項説明書
- 個人情報使用同意書
- サービス提供票
- 利用状況報告書
- 基本情報など
管理する書類は、新規利用者の契約に行った際に交わすような書類や毎月毎月たまっていく書類など様々なものがあります。
デイサービスで扱う書類は個人情報が記載されているものが多いので、保管は鍵付きの場所に収納する必要があります。
紹介した書類は、デイサービスでのサービス実施をするにあたって必ず必要な書類がほとんどです。
他にも必要な書類はいくつかありますが、生活相談員の仕事内容の範囲で最低限作成しておくことと厳重に保管しておくことを覚えておきましょう。
特に計個別援助計画書などは定期的な評価をする必要があり、継続的に追いかけていく書類になります。
物理的に書類を管理するだけでなく、評価が必要な時期かどうかの管理も重要になってきます。
介護業務
デイサービスの生活相談員でも、書類の作成や外部関係者との連絡だけに集中していいというわけではありません。
介護業務も重要な仕事内容の一つです。
デイサービスの生活相談員はケアマネージャーと直接連絡を取る窓口でもあるということは先ほどお伝えしました。
ということは、ご利用者の利用状況や日々の変化を密に連絡を取るのも生活相談員ということです。
またまた私の失敗体験を紹介します。
失敗体験②
新規の依頼が数件重なった時に、介護業務に入る時間を取れなくなった時がありました。
そんな時に、ご利用者の変化を報告すると介護業務を行なっていないとケアマネージャーから聞かれた、より詳細の部分が全く答えられなかったのです。
- 介護業務に入って自分で見たことを報告する
- 介護業務に入っている人から聞いたことを報告する
この二つでは全く違うんだということを実感した失敗体験でした。
確かに、聞いた情報では事前に全てを把握しておくということは難しいですよね。
例えば、皮膚が腫れていたことを報告する場合には次のような情報を報告します。
- 腫れの程度
- 色
- 常に痛いのか、痛くないのか、触ると痛いのか
- 熱感
自分で見た情報は思い出しながらすぐに答えられますよね。
そういえば、両親からよく「百聞は一見に如かず」と耳にタコができるほど聞かされていたなということを思い出しました。
もちろんすべての時間を介護業務に当てるわけにはいきません。
ポイント的に介護業務にはいったり、時間の割合を決めて介護業務に入るなど仕事内容を調整するようにしていきましょう。
利用状況報告書の作成、利用実績の報告
利用状況報告書は月間報告書などと呼ばれることもあります。
利用状況報告書の作成や利用実績の報告は月末月初に毎月毎月訪れる恒例行事ですね。
利用状況報告書は生活相談員だけの仕事内容にはせずに、担当制で介護職員なども書いているデイサービスもあると思います。
誰が書いても良いのですが、書いてある内容だけは生活相談員が必ず確認することをおススメします。
というのも、利用状況報告書に書いてある内容の問い合わせを受けるのも生活相談員だからです。
内容を確認しないままケアマネージャーに渡ってしまうと、問い合わせを受けた時に生活相談員が答えられないという事態が起きてしまいます。
また、内容によってはケアマネージャーからの不信感を招いたり信頼を失ってしまうことにもなりかねません。
利用状況報告書を事前に確認して自分が分からなかったところは、書いてくれた職員に確認をしておくようにしましょう。
また、利用実績の報告もデイサービスの生活相談員が責任をもって行うことをおススメする仕事内容です。
国保に伝送する単位数と、ケアマネージャーに提出した単位数に相違があると返戻が発生してしまいます。
場合によってはケアマネージャーにも迷惑をかけることも出てきます。
外部に迷惑をかけないことを心掛けながら仕事内容をこなしていきましょう。
司令塔
デイサービスの生活相談員は、デイサービスの中でご利用者本人やケアマネージャーが作成するケアプランに一番最初に出会う職員です。
そして、ケアプランの内容を一番詳しく説明を受けるのも生活相談員です。
さらには、ケアプランをデイサービスの個別援助計画書に落とし込むのも生活相談員の仕事内容です。
つまり何が言いたいかというと、そのご利用者のケアの内容を一番理解しているのが生活相談員だということです。
なので、現場の職員が当初決められたケアの内容から外れていきそうな時に修正をしていくという仕事内容も、生活相談員にはとても重要です。
また、ケアの内容を変える必要がある時には、デイサービスのチーム内で話し合ってケアマネージャーとも連携をとっていく必要が出てきます。
その時に、中心となって司令塔として動くのが生活相談員だということになります。
デイサービス生活相談員として必要なスキルは?
デイサービスの生活相談員として必要なスキルはインターネット上でも様々な場所で回答されています。
ここでは、私が実際に生活相談員として携わった経験を元に、最低限必要だなと感じたスキルをお伝えしていきます。
私がデイサービスの生活相談員として最低限必要と感じるスキルは3つあります
- 自分が働くデイサービスの事を知っておくこと
- 相談ができること
- 話を聞けること
この3つのスキルに関して、詳しく解説していきます。
自分が働くデイサービスの事を知っておく
デイサービスの生活相談員のスキルとして最低限持っておいたほうがいいと感じるのは、自分が働くデイサービスの事を知っておくということです。
この理由は、先ほどお伝えしたように返事を待たせている間に集客を逃してしまう可能性があるからです。
自分のデイサービスで「確認して、折り返します」と言ったのに、
Bデイサービスで「大丈夫ですよ!」と即答されたら「じゃあBデイサービスにお願いします」となりますよね?
例えば自分が働くデイサービスの情報には次のようなものがあります。
ポイント
- デイサービスの規模
- サービス提供時間
- 料金(基本報酬・加算・食費など)
- レクリエーションの内容
- サービス内容
- 送迎の時間
その他にも、自分のデイサービスでできることやできないことなどは「○○はできる?」と聞かれた時に、即答できるようにしておいた方がいいです。
法令遵守でできることと、デイサービスでできることは内容が違います。
法令上でできるとされていることでも、自分のデイサービスではできないこともありますので管理者や上司に徹底的に確認をしておくことをおススメします。
もちろん、聞かれてすぐに答えられないことがあるのは当然なので、できる限り早く返答をして、次に同じことを聞かれた時には即答できるように蓄積させていくことが必要になります。
自分が働くデイサービスの事を知っておくと、自然と柔軟な対応もできるようになります。
来たことに対してだけ行動するのではなく、来ると予想されることに対して行動を起こしておくことをおススメします。
相談ができること
次に必要だと感じるスキルは相談ができることです。
相談ができないとご利用者やケアマネージャーに迷惑をかける結果を引き起こすからです。
よく仕事の基本は報告・連絡・相談だと言われることがあります。
先ほどもお伝えしたように、デイサービスの生活相談員は様々な相談の窓口になっています。
ですので、連絡を受けて報告や連絡をすることには長けていると思います。
ですが、自分が相談する立場になることに抵抗を抱えている場合があると思います。
お察しの通り、、、、私自身がそういうタイプでした。
相談をするというのはもちろん、ケアマネージャーにご利用者の件で相談をするという意味合いも含まれています。
ですが、次にお伝えすることも同じくらい重要ですのでぜひご覧ください。。
デイサービスの生活相談員は日常的に幅広く様々な仕事内容をこなしていくことになります。
ですので、生活相談員の仕事内容を生活相談員だけで行なっていたら、必ずいつかキャパオーバーになる場面が出てきます。
失敗例②でもお伝えしましたが、新規が重なって介護業務に入れなくなったというのはキャパオーバーの典型的な例ですよね。
そんな時に仕事を手伝ってもらったり相談できることでキャパオーバーにならずに済むことになります。
キャパオーバーになってしまうと、ケアマネージャーなどへの報告や連絡もおろそかになってしまい迷惑をかける結果となってしまいます。
話を聞ける(聴ける)こと
デイサービスの生活相談員に必要なスキルの一つによくコミュニケーション能力があげられています。
ですが私が思うに生活相談員には、双方にやり取りを行うコミュニケーション能力の中でも特に話を聞く(聴く)力が必要です。
ここで言う話を聞く(聴く)力とは次の4つを指します。
ポイント
- 話の本質を理解する力
- 話を受け入れられる力
- 質問できる力
- 傾聴する力
本来は一つずつゆっくりと解説していきたいのですが、この記事の中では簡単に説明していきます。
いずれにしても、こちらの思いを伝えることよりも、相手の思いをくみ取る力に重きを置いているということを理解していただけるといいです。
介護の世界ではよく言われている、(かどうかわかりませんが)
否定せず、受け入れ、解決するという基本的なことができていればいいのかなと思います。
デイサービス生活相談員は資格が必要?
デイサービスの生活相談員になるには、次の資格のうちからいずれかを持っている必要があります。
生活相談員に必要な資格
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 社会福祉主事任用資格
生活相談員が行なう仕事は内容によっては相談援助と呼ばれます。
ですので、相談援助の仕事内容を行うのに十分な力があると認められている資格が必要ということですね。
地域によっては
介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネージャー)、常勤の実務経験などでデイサービスの生活相談員になれるところもあります。
デイサービスの生活相談員として働きたい地域の資格要件も確認してみてください。
生活相談員の仕事内容で悩んだ場合におススメの必携本
デイサービスの生活相談員にこれからなる方や、なりたての方は仕事内容に不安や悩みを抱えるかもしれません。
実際に私も介護職員の時に「来月から生活相談員をお願いします」と言われた時には、不安でしょうがなかったです。
デイサービスの生活相談員の仕事内容はネット上でも色々と紹介されていますが、常に見ることのできるような本は少ないですよね。
どうしたらいいのか困ったちょっとした時に、見ることのできる本を紹介します。
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私が生活相談員になった時には、もう少し古い情報が載っている本でしたが、介護保険の制度改正に合わせて最新版が販売されいるようです。
普段は、あまり本を読むことの無い私ですが、この生活相談員業務必携はよく読みこみました。
計画書の作成方法や、ケアマネージャーとの連携の図り方など生活相談員に必要な情報が載っていますのでお勧めです!
まとめ
今回は、デイサービスの生活相談員についてお伝えしてきました。
デイサービスの生活相談員は幅広く様々な仕事内容が与えられます。
相談の窓口だけではなく、時には介護業務に入ってご利用者の状況を観察することも重要な仕事内容です。
デイサービスの生活相談員になるには、社会福祉士か精神保健福祉士か社会福祉主事任用資格のいずれかを持っている必要があることが一般的です。
デイサービスの生活相談員として持っているといいスキルは3つ紹介しました。
デイサービスを知っておくこと、相談ができること、話が聞けること。
どれもデイサービスの生活相談員には重要なスキルですので、今から生活相談員を目指す方は意識しながら生活してみましょう!