デイサービスを運営していくうえで欠かせないのが、デイサービスの特色作りです。
一般型デイサービスが集客を行うには特色作りが必須です。
今は様々なことに特化するデイサービスも増えてきています。
そのため、一般型のデイサービスは独自の特色作りを行なって他のデイサービスと差別化を図らないと集客も難しくなってきています。
メモ
一般型のデイサービスとは・・・何かに特化せずに、一日を通して入浴・機能訓練・食事・レクリエーションなど幅広いサービスや活動を行なうデイサービス
特色が無い一般型デイサービスでは様々な悩みを抱えることにもつながります。
- 何をPRすればいいのか分からない
- 顧客のターゲットが絞れずに幅広いスキルを持った人材の確保が必要
- 集客につながらない
実際に私の一般型デイサービスでは、営業活動だけを行なっていた時には稼働率が40~60%程度で集客が伸び悩んでいました。
しかし、特色作りに臨んだうえで営業活動を行なうことで、85~90%ほどの稼働率を安定して出せるようになりました。デイサービスの特色作りは集客にとってそのくらい大事なことです。
今回の記事では、既にオープンしている一般型デイサービスで実際に私が行なった特色作りの方法をお伝えしていきます。
デイサービスの集客につながらずに悩んでいる方は、今回の記事を読んで特色作りに臨んでみてください。
関連記事:デイサービスの営業活動がうまくいかないと悩む方へ。集客や稼働率アップのコツは当たり前のことを当たり前にやるだけ
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一般型デイサービスの特色作りが必要な理由は集客のため
一般型デイサービスで特色作りが必要な理由はたった1つで、集客のためです。
他のデイサービスと差別化ができる特色作りを行うことで集客につながります。
集客、集客というとあまりにもデイサービス目線で乱暴に感じるかもしれませんので言葉を変えてみます。
集客=あなたのデイサービスを必要とする人にあなたのデイサービスを届ける
集客は必要な方にサービスを届けることという気持ちを常に持っておくようにしましょう。
ケアマネージャーなどへの営業活動で、デイサービスの特色をうまくPRすることができれば集客にもつながります。
このことを踏まえたうえで、なぜ一般型デイサービスに特色作りが必要なのかについてお伝えしていきます。
その理由は2つあります。
- デイサービスに対する世間の考え方の変化
- 特化型デイサービスの登場
この2つについて詳しく説明していきます。
デイサービスに対する世間の考え方の変化
今は、特色作りができていないデイサービスが集客をすることはかなり難しくなっています。
その理由は先ほどお伝えした2つの要因が絡んでいるためです。
2つの要因のうちの1つ目がデイサービスに対して、世間の考え方が変化してきているからです。
デイサービスに対しての世間の考え方は次のように変化しています。
デイサービス=通う所
↓
デイサービス=目的をもって通う所
デイサービスはただの通う場所から、目的をもって通う場所に変化してきているのです。
この辺りは地域包括ケアシステムとも関連しますのでこちらの記事を参照してみてください。
- 目的を持ってデイサービスに通うことで生きがいを見つけ
- 生きがいを持つことで在宅限界を高めていく
このような考え方になっています。
これがどういうことかというと、ケアマネージャーがデイサービスを探す時に次のよう考え方になっているということです。
「私が担当しているご利用者Aさんが目的を持って通えるようなデイサービスはどこかな?」
つまり「ご利用者の目的を達成するために、塩梅の良い特色があるデイサービスはどこかな?」と探すようになっているということです。
特色作りができていないデイサービスはそもそも選択肢に上がらないということです。
いえ、選ばれる場合もありますが、その場合はあなたが気づいていないあなたのデイサービスの特色にケアマネージャーは気づいているということです。
選ばれるデイサービスになるためには、あなたのデイサービスの特色に気付きもしくは作り、それを世間にPRしていかなければいけないということです。
特化型デイサービスの登場
一般型デイサービスに特色作りが必要な理由のもう一つに特化型デイサービスの登場があります。
ここ数年で何かに特化する特化型デイサービスが増えてきています。
代表的な特化型デイサービスで言うと、次の2つです。
- 機能訓練特化型
- 入浴特化型
それに加えて、最近では「え、そんなものもあるの?」と驚いてしまうような、特化型のデイサービスがあります。
- 美容特化型デイサービス
- 歩行特化型デイサービス
- 趣味特化型デイサービス
- 疾患特化型
- 共生型
- アミューズメントタイプ
こういった特化型デイサービスでは、顧客のターゲットをぎゅーーっと絞ってデイサービスの運営を行なっています。
つまり、特化型のデイサービスは既に「自分のデイサービスをどんな人に届けたいか」という特色作りができているということです。
さらに、文字を見ただけでどんな人に向いているデイサービスか分かり安いというメリットもありますよね。
例えば、次のような会話があった場合、特色のない一般型デイサービスは選択肢にも上がらず集客できないことになります。
こんな会話があちらこちらで成立してしまうと、特色作りができていない一般型デイサービスにはいつまで経ってもご利用者は紹介されず集客できませんよね。
一般型デイサービスが特化型デイサービスに勝って集客するためには、
ケアマネージャーがご利用者からこう言われた時に、
ついでにお風呂にも入れるし、ちょうどいいかも
と思い出してもらう必要があるのです。
そのために、一般型デイサービスの強みを活かしつつ、特化型デイサービスにも対抗できる特色作りをしていくことが必須になるということです。
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デイサービス特色作りの2つの方法
一般型デイサービスの特色作りを考える時に、ただ漠然と考えていても集客につなげるのはなかなか難しいものです。
私がデイサービスの特色作りを考え始めたのはデイサービスがオープンしてからで、その理由は集客が思わしくなかったからです。
本来であれば、特色作りはデイサービスのオープン前にやっておくことが望ましいでしょう。。。。
ですが、デイサービスがオープンしたからこそできる特色作りの方法もありますのでお伝えしていきます。
私が実践したデイサービスの特色作りの方法は2つです。
- 既存ご利用者のニーズから特色を作る
- デイサービスのハード面とソフト面を組み合わせて特色を作る
この2つの方法でデイサービスの特色作りを行うことで、自分自身が自分のデイサービスを理解することにもつながる利点があります。
では、詳しく説明していきます。
デイサービスの特色作りは既存ご利用者のニーズから見つけ出す
既にオープンしているデイサービスの場合、既存のご利用者から特色作りを行う方法があります。
この場合、特色を今から作るというよりも既に出来上がっている特色に気付くの方が表現が近いかもしれません。
ケアマネージャーからご利用者の紹介が来た時に「○○なので、なひのひさんのデイサービスが良いかと思いました。」と紹介してくれた理由を教えてくれる場合があります。
その理由こそが、集客につながるデイサービス特色作りのヒントかもしれません。
例えば私のデイサービスの場合は、地域密着型デイサービスなので次のような理由で利用される方が圧倒的に多いです。
- 少人数のデイサービスがいい(大勢の所が苦手)
- 1人でお風呂に入りたい(皆がいるところでお風呂に入りたくない)
- 長時間の送迎は不可
- かまってほしい
ご利用者のニーズを、デイサービスの特色にもそのまま当てはめて考えられますよね。
少人数・個浴・短時間送迎・密なコミュニケーション。これだけでもデイサービスの特色が出来上がっています。
これだけでも集客にそれなりの効果は得られますが、同じような一般型デイサービスがあった場合には競合で集客に負けてしまうかもしれませんよね。
その場合には、次に紹介するハード面とソフト面を組み合わせて集客につながる特色作りを行う方法をおススメします。
デイサービスの特色作りはハード面とソフト面を組み合わせる
集客のできるデイサービス特色作りの方法として、ハード面とソフト面のそれぞれの観点から強みを見つけ出していくと整理がしやすく時間もかかりません。
イメージとしては、環境と環境を組み合わせるような感じです。
この記事ではハード面は主に建物や周囲の環境、ソフト面はプログラム内容や人などに分類していきます。
ハード面:建物の立地条件、広さ、トイレ、風呂、構造、備品、材質など
ソフト面:プログラム内容(一日の流れ)、レクリエーション、職員の雰囲気、食事、機能訓練など
デイサービスの特色の出し方では、とりあえず強みでなくとも自身の事業所がどんなものか挙げれるだけ挙げてみるといいです。
例えば、次のようなハード面とソフト面の環境を持ったデイサービスがあります。
ハード面
- コンビニが近い(職員の足で徒歩2分)
- 小規模(13名定員)
- トイレは2か所(手すりがあり、車いす対応可能)
- 1フロアで見守りが行き届く
- 50インチのテレビ
- クロス張りだが要所要所に木のぬくもりを感じる
- 4種類の飲み物が選べる給茶機を置いている
- 完全個浴が3か所
ソフト面
- 理学療法士が対応する機能訓練
- 介護職員は全員介護福祉士所持
- 食事は外注
- 季節感のあるレクリエーション
- 9時からのサービス提供
- 遅いお迎えも対応可能
この中の1つ1つをバラバラに見ていくと、まぁどこにでもあるような一般型デイサービスかなという感じがしますよね。
特色がなくインパクトが無く集客にはつながりにくいイメージですね。
ですが、この環境をいくつか組み合わせてデイサービスを運営するとどうでしょうか?
- 理学療法士が対応する機能訓練では、コンビニへの買い物に行くこともできる。
- 必ず介護福祉士が対応する個別入浴
これは一例なので、実際のデイサービスの環境でハードとソフトの組み合わせを行うことでデイサービスの特色作りができます。
環境と環境を組み合わせることで、意外と他のデイサービスにはない独自の特色作りを行うことができるということですね。
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デイサービスの特色作りを行う時の注意点
一般型デイサービスで集客のできる特色作りを行う時には、気をつけなければいけない注意ポイントがあります。
次の項目でも少し触れるのですが、継続できない特色作りは行わないということです。
これだけは必ず守ったほうがいいでしょう。
継続できない特色作りとは例えば次のようなものを指します
- 人材の確保ができない
- 職員が常に残業をしないと取り組めない
- 支出が収入を上回り続ける
先ほどの例で、理学療法士や介護福祉士と職種を限定した特色作りの例をあげました。
ですが、この特色作りを継続的に行うには理学療法士や介護福祉士を確保し続ける必要があります。
ケアマネージャーはあなたのデイサービスの特色に魅力を感じてご利用者を紹介しています。
せっかく紹介したのに、理学療法士が離職したからと1ヶ月で継続ができなくなるような特色では「次にまた紹介しよう」とは思いませんよね。
そうならないためにも、一般型デイサービスが集客につながる特色作りを行う時にはいつまでもやり続けられるという保証が必要になります。
サービス提供範囲内で差別化を目指す
デイサービスの特色作りを行う時に難しいのは、どこまでの範囲のデイサービスと差別化するかです。
基本的には、あなたのデイサービスが対応可能な範囲内の他のデイサービスと差別化できていればいいでしょう。
既にオープンしていて、ある程度の集客ができているデイサービスであればご利用者のニーズのデータはそれなりに集まっているでしょう。
今のご利用者のニーズから外れないように、特色作りを行うことを優先に目指してみてください。
一般型デイサービスの特色作りを行う時に「全国に唯一のデイサービスを目指す!」と意気込んでしまうのはあまりにも無謀です。
あまりにも奇をてらった特色作りをしてしまうと、次のようなデメリットが生まれます。
- 継続が困難
- ノウハウが分からない
- 職員が離脱する
テレビでも紹介されるような特色で取り組みを行なっているデイサービスは、事前準備にしっかりと時間をかけています。
運営していくためのノウハウも緻密に計算したうえで、独自の特色作りをしているので集客につなっていますし継続できています。
既にオープンしているデイサービスの場合は、
- 与えられた環境で
- 既存のご利用者に合わせて
- できる範囲の特色作り
この3つのポイントで特色作りを行なっていくようにしましょう。
デイサービスの特色のPR方法
デイサービスの特色作りができたら、次はいよいよ外部へのPRで集客につなげていきます。
と、その前にデイサービス内部で特色を共有することは絶対に忘れないでください。
さて、主にデイサービスのPRを行う先は次のような場所です。
- 居宅介護支援事業所
- 地域包括支援センター
- 医療機関
- 地域住民
集客につなげるにはデイサービスの特色をPRをする職員自身が、デイサービスのことを説明できるようにしておくことが前提です。
そのうえで、次の3つのことをただひたすら繰り返して集客につなげていきます。
- 多くの人にあなたのデイサービスを知ってもらう
- 多くの人にあなたの顔を覚えてもらう
- あなたのデイサービスを必要な人に届ける
この3つのことに関しては、デイサービス営業のコツの記事でも紹介しています。
そちらの記事を読んで頂くと、デイサービスの集客までの道のりどういうことか分かるようになっていますので合わせてご覧ください。
せっかくデイサービスの特色作りを行なっても、その特色を知っている人がいなければ集客につながりません。
デイサービスの特色が世間に広まっていくには時間がかかりますが、コツコツと積み上げていくようにしましょう。
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まとめ
今回は一般型デイサービスの特色作りについてお伝えしてきました。
一般型デイサービスの特色作りが必須な理由は次の2つです。
- デイサービスに対する考え方の変化に対応するため
- 特化型デイサービスに負けないため
私が実践したデイサービスの特色作りの方法は次の2つです。
- 既存ご利用者のニーズ
- ハード面とソフト面の環境を組み合わせる
デイサービスの特色作りでは、継続できるということに注意しながら取り組む必要があります。
デイサービスの特色作りを行うことで、あなたのデイサービスを必要とする方にサービスを届けられるようにしましょう。
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