デイサービスの生活相談員はご利用者だけでなく、ケアマネージャーやご家族とも多くのコミュニケーションをとる必要がある職種です。
ですが、生活相談員の中には人見知りで初対面の人と関わるのが苦手という方もいるかもしれません。
今回は、人見知り生活相談員歴9年以上の私が次のような悩みを解決する記事を書いていきます。
- 人見知りなのに生活相談員になったけど大丈夫?
- 人見知りで営業活動に行きたくない
- 人見知りは生活相談員に向いていないんじゃないの?
実際に人見知りでも生活相談員を続けてきた私が実践してきた営業の方法や、人見知りでも生活相談員ができる理由を解説します。
今回の記事を読むことで、人見知りでも自信を持って生活相談員業務をできるようになります。
ぜひ最後までご覧ください!
この記事を書いている人の紹介
名前:なひのひ
経歴:人見知り生活相談員歴9年(そのうち約7年は管理者と兼務)
性格:人見知り、人と目を合わせて話すことが苦手
運営:今期は平均稼働率85.9%(2022年11月時点)
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人見知りでもデイサービス生活相談員はできる!
まず結論からお伝えしますが、デイサービスの生活相談員は人見知りでもできます。
人見知りにとって「嫌だなぁ」と思う場面は多くありますよね。
- 初対面の人と会う
- 自分から何かを伝える
- 大勢の人がいる場所に出向く
私も人見知りなので自ら話をすることは少なく、聞き役に徹するような場面が多くなります。
ですが、実は人見知りが故に聞き役に徹することはむしろ生活相談員に向いている素質と言えます。
実際にデイサービスで生活相談員の仕事をしていると、自分が話す時間よりも、相手の話を聞いている時間の方が圧倒的に長いです。
相談援助の業務においてデイサービス生活相談員の役割は情報の運び屋だと私は思っています。
- ご利用者やケアマネージャーから聞いた情報をデイサービスに伝えて
- デイサービスの情報をご利用者やケアマネージャーに伝える
外部から入ってくる情報と、デイサービスから伝える情報の量を比較した時に圧倒的に外部から入ってくる情報の方が多いです。
話をする能力よりは相手に必要な情報を的確に選択する能力が求められます。
ですので自分の意見を積極的に話せる人よりも、相手の話を聞いたうえで的確な情報を提供できる人が生活相談員に向いています。
デイサービス生活相談員の仕事内容については以下の記事でも紹介しています
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参考デイサービス生活相談員の仕事内容は?
必要なスキルや資格についてもお伝えします。続きを見る
人見知りでも生活相談員ができる3つの理由
デイサービスの窓口として機能する生活相談員にとって、人見知りという性格はネガティブな印象を持つ人もいるかもしれません。
ですが私は人見知りをむしろポジティブに捉えて生活相談員の業務を行なっています。
私が生活相談員にとって人見知りをポジティブに感じている理由は次の3つです。
- 聞き役に徹することができる
- 必要な情報だけを端的に伝えることができる
- 実際に集客ができている
人見知りがゆえの生活相談員としての強みを理解しておくことで自信を持って業務を行なうことができるようになります。
ネガティブに捉えがちな人見知りという性格を、ポジティブに捉えられるようにぜひご覧ください。
聞き役に徹することができる
先ほども、お伝えしたように人見知りは自分から話すよりは聞き役になることが多いと思います。
聞き役に徹することができるのは、デイサービスの生活相談員にとってかなり強みになります。
相談援助において、デイサービス生活相談員の役割は情報の運び屋だとお伝えしました。
情報の運び屋としての仕事は次の2つです。
- 情報収集してニーズを受け入れること
- 相手にとって必要なデイサービスの情報を届けること
相手の話を聞くことができない人は、そもそも相手の主訴(相手の訴えの本質)を理解できません。
主訴が分からないと、その人が求めるデイサービスの情報はどれなのかを選択して提示することができないです。
聞き役に徹することのできる人見知り生活相談員は、相手の主訴を理解したうえで相手に必要な情報を的確に届けることができます。
必要な情報だけを端的に伝えることができる
私自身、人見知り生活相談員歴9年ですが未だにできることなら余計な会話は極力避けたいと思っています。
何となく「それって、生活相談員にとってマイナスなんじゃないの?」と思うかもしれませんが、むしろ逆です。
余計な会話を避けられる人は、言葉を変えると相手にとって必要な情報だけを端的に伝えることができます。
介護の仕事に特化して言えることかもしれませんが、端的な情報だけを伝えられる人がむしろ生活相談員に向いている理由は次の2つです。
- 相手の時間を奪わない
- 守秘義務を守れる安心感を与える
ケアマネージャーは、忙しい時間の合間や他の事業所への連絡もある中でデイサービスに連絡してきます。
そんな中で、今回の連絡に関係ない事をベラベラ話されると他の業務や他の事業所に連絡する時間を奪うことになります。
そうするとケアマネージャーに、あそこのデイサービスに連絡すると話が長くなるから連絡したくないなぁという印象を与えることになります。
一方で人見知りの人は、余計なことをベラベラ喋らないので相手の時間を奪わずに、守秘義務を守れそうという印象を与えることができます。
実際に集客ができている
人見知りでも生活相談員ができる3つ目の理由は、実際に私が集客できているからです。
それは9年も生活相談員をやっているからでしょ?と思うかもしれませんが、実際にそうなんです。
私も1年目から順風満帆に生活相談員業務を行なってきたわけではありません。
生活相談員1年目はなにも分からず色んな失敗もしました。
- ケアマネージャーに怒られた
- 書類整備がうまくいかずにガチで泣いた
- 当日まで定員を超過していることに気付かなかった
- 電話を保留のまま数分放置した
- 稼働率をみるみる低下させた
それでも9年間、生活相談員を続けることで稼働率85.9%のデイサービスを運営できています。
もちろん私1人の力ではありません。
それでもデイサービスの顔になる生活相談員への信頼は集客に大きく影響していることも多くの失敗の経験から学びました。
人見知りどうこうに関わらず、最初からうまくいく必要なんかはありません。
「人見知りだから」を言い訳にせず、『人見知りだから』に強みを見つけて生活相談員を継続していきましょう!
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デイサービスの生活相談員に向いていない人は?
ここまでは、人見知り生活相談員の強みに着目して人見知りでも生活相談員はできますよとお伝えしてきました。
ここからは、逆にデイサービスの生活相談員に向いていないのがどんな人かお伝えしていきます。
私が思うデイサービスの生活相談員に向いていない人は次の3タイプです。
- 自分のデイサービスのことを知ろうとしない人
- ご利用者と関わりたくない人
- 愛想がない人
人見知りであることと、上記の3タイプに該当することは別物です。
人見知りであろうがなかろうが3つの内1つにでも該当する方は、生活相談員に向いていないと私は思っています。
その理由について、詳しく解説をしていきます。
自分のデイサービスのことを知ろうとしない人
自分のデイサービスのことを知ろうとしない人は、デイサービスの生活相談員に向いていないです。
先ほど、デイサービスの生活相談員の役割は情報の運び屋ですとお伝えしました。
生活相談員は相手の話を聞いたうえで、相手に必要なデイサービスの情報を届けなければいけません。
自分のデイサービスのことを知ろうとしない人は、相手にとって必要なデイサービスの情報を届けることができません。
- 相手に伝えられる情報量がそもそも不足している
- どの引き出しから情報を出したらいいかわからない
- デイサービスで対応できるかどうかも分からない
デイサービスのことを伝えなければいけない役割なのにデイサービスのことを知ろうとしないのは、生活相談員にとっては致命的ですね。
誤解の無いように説明しておきますが『デイサービスのことを知らない』と『デイサービスのことを知ろうとしない』は別物です。
生活相談員になりたての人は『デイサービスのことを知らない』のはある程度仕方のない事です。
これから知っていけばいいですし、相手から聞かれて答えられなかったことは覚えればいいだけですのでデイサービスのことを知ろうとする努力はしていきましょう。
ご利用者と関わりたくない人
ご利用者と関わりたくない人や関わらない人もデイサービスの生活相談員に向いていないです。
私はデイサービス生活相談員も含めデイサービス職員がご利用者と関わる時の基本姿勢は、次の3つだと思っています
- 見て
- 聞いて
- 触れる
ご利用者と関わる時にはこの3つの基本姿勢ができていることが最低ラインです。
生活相談員とケアマネージャーやご家族との連絡は、ご利用者がデイサービスでどんな利用状況かを伝えることが多くなります。
ご利用者と関わらずに見て・聞いて・触れるのうち一つでも欠けている生活相談員は、ご利用者の利用状況を伝えることができません。
「え?別に職員から聞き取りをして伝えることができるよ?」と思うかもしれませんが、無理ですね。
聞いた情報はそれ以上でもそれ以下でもありません。
つまり聞いた情報以外の情報は伝えることができず、想定していなかった質問には答えられないもしくは適当に答えるしかなくなります。
1回2回ならうまく取り繕うことができるかもしれませんが、繰り返すことで「あそこの生活相談員は何を聞いても分からなくて信用できない」と、外部からの信頼を失っていくことになります。
デイサービスの顔である生活相談員への信頼を失うことは、デイサービスの信用も失うことになります。
ご利用者と関わりたくないと思っている方は、生活相談員にはならないようにしましょう。
愛想がない人
人見知り=愛想がないというイメージを持つ人もいるかもしれませんが、そうではありません。
人見知りでも、人前での笑顔が素敵で惹きこまれるような人はいます。
逆に人見知りではないんだけど、いつも無表情で声のトーンも変わらないなぁと感じる人もいます。
私はデイサービスの管理者も兼務していますので、どちらかを選んで生活相談員にしなさいと言われたら間違いなく前者を選びますね。
その理由は簡単で、生活相談員はデイサービスの顔だからです。
生活相談員はデイサービスの顔として営業や実績の報告、担当者会議などで外部の人と会う機会が多くなります。
愛想がない人が生活相談員だと次のような印象を与えてしまうかもしれません。
- ご利用者にも冷たい態度を取るんじゃなかろうか?
- 楽しくないデイサービスなのかな?
- この人とうまくやっていけるかな?
いつでも無愛想で声のトーンも暗いような人には、仕事をお願いして大丈夫かなと不安感を与えることにもなります。
特にデイサービスはTHE・対人の仕事ですので、無愛想な人に対しての不安感はより強くなるでしょう。
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人見知りの生活相談員が営業活動に行きたくない時の3つの対処法
デイサービスの集客には、居宅や包括を直接訪問する営業活動は必須です。
人見知りの生活相談員にとっては営業は緊張するし、できれば行きたくないと思う人もいるでしょう。
私も営業に行かずに集客できるのであればそれに越したことはないと思っている派閥の人間です。
ですがやっぱり、直接営業活動に行かずに集客できるほどデイサービスの運営は甘くありません。
ここからは、人見知りの生活相談員が営業活動に行きたくないと思った時の3つの対処法についてお伝えしていきます。
- 話しやすいケアマネージャーから訪問する
- 少ない件数から営業を始める
- 声を出してみる
今回紹介する3つの対処法は、実際に人見知りの私が実践している方法でもあります。
人見知り生活相談員にとっては、効果的な方法ですのでぜひご覧ください。
集客や稼働率アップにつながる営業活動のコツはこちらの記事で紹介しています。
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参考デイサービスの営業活動がうまくいかないと悩む方へ
集客や稼働率アップのコツは当たり前のことを当たり前にやるだけ続きを見る
話しやすいケアマネージャーから訪問する
プールに入る前に準備運動が必要なように、人見知りにとっては営業に行く時に心の準備運動が必要です。
徐々に営業への気持ちを高めていく準備が必要ということですね。
そのために人見知りの私が実践していることは、話しやすいケアマネージャーから訪問することです。
仕事とは言え生活相談員も人ですので、話しやすいなぁと思うケアマネージャーがいるでしょう。
最初に話しやすいケアマネージャーから訪問することで、人と話したくないなぁというもやもやした気持ちを解消することにつながります。
『人と会う』という気持ちを少しずつ作ることができますし、営業に対してのギアを少しずつ上げて行くことができます。
必ず営業に行かなければいけないという時には、効果的な方法です。
少ない件数から営業を始める
最初から、担当地域内の居宅や包括の全てを訪問しようとすると気が重く行きたくないと思うかもしれません。
人見知りの私がオススメする方法は、少ない件数から営業を始めて場数をこなしていくことです。
営業で集客するためには、より多くの人に自分のデイサービスを知ってもらう必要があることはこちらの記事でも紹介しています。
営業の最終的な目標は、必要とする人にデイサービスを届けることです。
ですが人見知り生活相談員にとっては多くの人に会うことが苦痛に感じるかもしれません。
苦痛だと感じているまま営業活動に回ってしまうと、それが態度として営業先にも伝わってしまいます。
そうするとせっかく勇気を出して、営業活動に行ったのに逆にマイナスイメージを与えることにもなります。
そんな時には営業で、いきなり多くの件数を回る必要はありません。
3軒だけなら頑張れると思うなら、最初に3軒回ると目標をきめて集中して質の高い営業活動をした方がいいでしょう。
多くの人にデイサービスを知ってもらうのに時間はかかりますが、場数をこなしていくと少しずつ営業も慣れてきます。
慣れてきたら一回の件数を増やしていけばいいだけですので、最初から無理することの無いようにしていきましょう。
声を出してみる
人見知りなのに営業に行く人にとって最大の敵は声を出さないことです。
声を出さないと、人と話すのが嫌だなぁともやもやした気持ちが胸につっかえたままになります。
声を出してみると意外と気持ちが晴れて営業に行くという気持ちが高まるものです。
私はよく移動の車中で発声するのですが、実践している方法は次の通りです。
- 歌ってみる
- 適当に声を出す
- 営業で喋る内容を声に出してみる
- 挨拶の練習をする
基本的に、どんな発声をしたらいいかは関係なくとにかく声を出すだけで気持ちは変わるものです。
特に人見知りにとって、気持ちの切り替えポイントを作ることは必須だと思っています。
どうしても営業への気持ちが乗らない時には、発声してみることも試してみてください。
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まとめ
今回は人見知りでもデイサービス生活相談員ができる3つの理由をお伝えしました。
- 聞き役に徹するから、必要な情報を届けられる
- 余計な情報を与えず、相手の時間を奪わない
- 人見知り生活相談員の私が生活相談員をできている
デイサービス生活相談員の場合は、人見知りが聞き役になったり、端的に情報を伝えられる強みにもなるということをお伝えしてきました。
人見知りどうこうに関わらず、デイサービスのことを知ろうとしない人やご利用者と関わりたくない人はデイサービスの生活相談員には向いていません。
『人見知りだから』を言い訳にせずに『人見知りだから』こその強みを見つけてデイサービスの生活相談員を続けていきましょう!