さすがにそろそろアニメの登場人物も年を取ったほうがいいと思っているなひのひです。
デイサービスや介護施設で介護現場の職員から管理者になった方は、最初のうちは多くの不安や悩みを抱えると思います。
私自身も介護職員や生活相談員を経験してきましたが、突如「来月から管理者をお願いしたい」と言われた時には多くの不安がありました。
私が抱えた不安
- 自分に管理者が務まるのか
- そもそも管理者として何をしたらいいかわからない
- 人をまとめることができるのか
- デイサービスを潰さずに運営できるのか
今回の記事では、デイサービスや介護施設で介護職や生活相談員として現場で奮闘してきた状態から管理者になった方や管理者になる予定の方に向けて記事を書いていきます。
管理者になる時に抱える不安、管理者になる時に抱える不安の解消法、現場職員と管理者の役割の違いについてお伝えしていきます。
介護現場の職員から管理者になる時に抱える不安
デイサービスや介護施設の現場職員から管理者になる時には漠然と不安を抱えると思います。
特に、管理者という職種は事業所に1人なので、教えてくれる人が極端に少ないという現実があるため不安を増進させますよね。
実際に私が管理者になった時にも、管理者の役割や運営の方法について教えてくれる人はいませんでした。
ですので、現場の経験の延長線上で運営を考えていくしかありませんでした。
ですが、介護現場の職員から管理者になる時の不安も自分の中で整理して考えることができれば解決への近道になります。
私が介護現場の職員から管理者になる時に実際に抱えた不安を例に、不安の整理の仕方をお伝えしていきます。
管理者になる時に抱える不安は2つに分類する
私がデイサービスの管理者になる時に抱えた不安は冒頭でも述べた通りです。
いくつかの不安を箇条書きしましたが、整理してまとめてみると2つの不安に分類されています。
メモ
マネジメントの不安と役割の不安です。
もう少しかみ砕いて2つの不安を説明すると、
- 自分に管理ができるのかという不安
- 自分は管理者として何をしたらいいのか分からないという不安
上の2つに分類されます。
恐らく、新しく管理者になる方は大体この2つの不安で悩まれることが多いのではないでしょうか?
管理者になるときに抱える不安をこの2つの分類に整理できていないと漠然と不安を抱えることになり不安の解消も遠くなってしまいます。
では、私が管理者になる時に抱えていた不安はどのように分類することができるのでしょうか?
管理者になる時に抱える不安の具体的な分け方
冒頭でお伝えした私が抱えていた不安を2つの分類に振り分けると以下の通りになります。
マネジメントの不安
・自分に管理者が務まるのか
・人をまとめることができるのか
・デイサービスを潰さずに運営できるのか
役割の不安
・そもそも管理者として何をしたらいいのか分からない
上記のようにマネジメントの不安と役割の不安に分けることができます。
結論から言うとどちらの不安も、管理者初心者として正しい認識を持っていれば不安の解消に近づくことができます。
マネジメントの不安も役割の不安も私の経験をもとにそれぞれ4つの不安解消法をお伝えしていきますのでご覧ください。
マネジメントに関する4つの不安解消法
ここまでは、デイサービスや介護施設で管理者になるときに抱える不安は整理して2つに分けて不安を理解しましょうということをお伝えしてきました。
それに加えてマネジメントの不安に関しては、今すぐに解決できないこともお伝えしました。
この意味は、介護未経験で介護職として入社した時と全く一緒です。
介護未経験の介護職は介護技術も分からず、利用者や入居者との話し方もぎこちないですよね。
同じように初めて管理者になる時には、管理者未経験で管理者になります。
ですので、マネジメント技術も分からず、管理とはなんなのかも分からないというのが当たり前なんです。
逆に管理者になることに不安を抱えずに、自分にはできると思っている方が、取り返しのつかない失敗をしそうで怖いですね。
このことを理解しているだけでも少しは気持ちが楽になると思いますが、もう少し具体的にマネジメントに関する不安解消方法をお伝えしていきます。
マネジメント力はすぐに身に着くものではないことを理解しておく
最初に紹介する不安解消法は、マネジメント力はすぐに身に着くものではないことを理解しておくということです。
管理者になったからといって、あなた自身が違う人になるわけではありません。
今まで現場職員として頑張ってきたあなたが管理者になるのですから、今日からいきなり管理者らしい仕事ができるわけがないですよね。
そのことを理解して、少し肩の力を抜くだけでも不安の解消につながります。
特にデイサービスや介護施設の管理者が行なうマネジメントは多岐に渡っていきます。
おおまかに分けると
職員・利用者(入居者)・収支・運営・行政・サービスのマネジメントなどがあります。
さらにそれぞれが細分化されていきます。
これだけのことは管理者になって1、2か月で覚えられるものではないということを理解しておきましょう。
最初からすべてを理解して、完璧にこなす必要はないということです。
特に、介護現場から管理者になる方は今までマネジメントなんて教わる機会もなければ、現場で教えてくれる人もいないことがほとんどだと思います。
私自身も管理者になった時に教えてくれる人はいませんでした。
約7年以上管理者を務めてきましたが、マネジメントについてはまだまだ勉強不足だと思っています。
ですので、デイサービスや介護施設で管理者になるときの前提条件としては、マネジメント力はすぐに身に着くものではないということを理解しておきましょう。
失敗することを前提で挑戦する
管理者として、一番やってはいけないことは失敗を恐れて何も挑戦しないことです。
管理者として、経験を積み重ねてくると周囲の期待値も上がり、自然と失敗しづらい環境になってきます。
その時の為に「こうすると失敗する。」という経験を積み重ねておくことが重要です。
管理者のあなたへの期待値が低いうちに失敗することを前提に挑戦するようにしていきましょう。
管理者になる時に不安を抱える気持ちは痛いほどわかります。
それでも、行動を起こすことは不安だからと何もしないことは絶対に避けましょう。
あなたが現場職員から管理者に抜擢されたのには、あなたでなければいけなかった理由が必ずあります。
つまりあなたに求められていることは、あなたらしさを出して挑戦していくことです。
先ほどもお伝えしたようにあなたは管理者未経験なので、あなたが行なう全てが成功することは誰も期待していません。
むしろ、新しい管理者がどんな挑戦を仕掛けてくるのかということに注目されていると思っておいてください。
皆さんがわかっていることだと思いますが、成長するには失敗はつきものです。
ですので、失敗することを前提に挑戦すると決めておくということが不安の解消につながります。
自分の中で優先順位をつけて1つずつ臨む
管理者になる時には、あれもこれもいろいろやらなくちゃいけないと考えることが不安につながる場合もあります。
そういう時には、優先順位をつけて1つずつ管理者業務に臨むことをおススメします。
同時進行で複数の課題に取り組むことは管理者の経験とともに自然とできるようになっていきます。
介護現場から管理者になる方であれば、自分の介護現場で何が課題になっているかは大体把握されていると思います。
例えば、
- 接遇マナーができていない
- 集客ができていない
- 介護技術が低い
- 必要な書類が揃っていない
- 人手が不足している
などデイサービスや介護施設によって抱えている課題は様々だと思います。
課題になっている部分を把握したうえで、その解決に向けて1つずつ動き出すということが最初の一歩です。
人手が不足している現場の場合の例を挙げて説明していきます。
人手不足のマネジメント
まずなぜ人手が不足しているのかを把握する(運営)
↓
現場で無駄な仕事が多く効率が悪いため人手不足に感じることを把握できたとします(運営)
↓
職員へのヒアリングを行い、どうしたら効率よく現場の仕事を回せるか聞いてみます(職員・サービス)
↓
ヒアリングの結果を現場で試して見るように指示を出します(職員・サービス)
簡単に説明しましたが、この流れだけでも管理者として運営・職員・サービスのマネジメントに関わったことになります。
こんな感じで優先順位をつけて繰り返し繰り返し取り組んでいく姿勢を持っておくことが管理者になる時の不安解消につながります。
職員とのコミュニケーションを取っておく
管理者になる時に不安を抱えている方は職員とのコミュニケーションを取っておくようにしましょう。
これから管理者として様々な挑戦を仕掛けていくときに、職員と話し合いをすることは必須になってきます。
管理者になるうえで、不安も抱えているという気持ちを共有しておくことで、職員はあなたを助けようという気持ちになります。
何よりも、不安な気持ちを共有することで管理者になるあなた自身の不安が少しは解消されるでしょう。
もちろん、いつまでも「不安だ」と言い続けていたら、いつか「この人大丈夫かな?」と職員も不安にさせてしまいますので塩梅を見てください。
不安な気持ちを共有したうえで「やることはやるし、言うことは言う」と管理者としての強気な姿勢も共有することで職員の受け取り方もいいほうに変わるでしょう。
管理者の役割に関する4つの不安解消法
介護現場の職員から管理者になる時には、自分が何をしたらいいのか分からないと不安を抱えることがあると思います。
実際に管理者として仕事をするようになると、現場職員の時とは違う動きをする必要が出てきますし意識を切り替えなければいけないこともあります。
現場職員と管理者になった時の動き方の違いを理解しておくことが、役割の不安解消への近道になります。
では、具体的に管理者としてどのような役割をもって動くといいのかをお伝えしていきます。
前置きとして、あくまでもデイサービスや介護施設の管理者として何をしたらいいかわからないという不安への4つの解消法です。
ですので、デイサービスや介護施設の管理者として最初に何をすべきかということについてお伝えしています。
現場を経験してきた方にとっては難しい判断もあるかもしれませんが、管理者として運営していくために是非ご覧ください。
プレイヤーからマネージャーに意識を切り替える
介護現場で活躍されていた方にとっては、現場で動く事こそが自分の存在意義のように感じるかもしれません。
しかし、管理者になった場合は現場を見守ることがあなたの存在意義になります。
私が管理者になる前に読んだ本のうち1冊にデイサービスの管理者について次のように書かれていました。(タイトルは忘れてしまいましたが)
メモ
デイサービスの管理者がデイサービスの中にいることは、現場の職員からしたら邪魔なので管理者は営業に出て集客に専念してください。
こんな感じの内容が書かれていたのです。(もう少し表現が違ったかもしれません。)
中にいないでくださいというのは極端な言い方かもしれませんが、実際管理者になると様々なマネジメントをするという役割が出てきます。
- 人の管理
- 収支の管理
- サービスの質の管理
- 安定した運営をする管理
- 行政への届け出
これだけのことをやっていると、現場に入っている時間は自然と大幅に奪われることになるのです。
ですので、今まで現場の中であなたが色々と指示を出したり指導をしていたことと同じことができる職員を育てていく必要がでてきます。
自分の右腕左腕になるような人材を育てて、あなたがプレイヤーとして常に現場に入らなければいけない状況は避けるようにしましょう。
できる限り身軽にしておく
次に紹介するのは、できる限り身軽にしておくということです。
身軽にしておくことで、緊急に管理者が動かなければいけない時やここ一番の集客チャンスや、地域の連絡会への参加など本当に自分でなければいけない時に動けるようになります。
介護現場の職員から管理者になる場合、現場職員が担当するような細かい業務がそのままくっついてくるかもしれません。
デイサービスで言うと、車両の清掃担当・整理整頓担当・食材管理担当みたいなみんなで分担しているような仕事です。
このような細かい業務は全て現場職員に渡してください。
管理者と生活相談員など他の職種を兼務する場合にも、できれば他の職種の業務割合は削れるだけ削っておいた方がいいでしょう。
自分がやらなくていい仕事は自分でやらない
これまで紹介してきた内容とも似ていますが、自分でなくてもいい仕事は自分でやらないことも管理者には必要な判断です。
特に、現場職員の時に縦横無尽に色々な業務に取り組まれてきた管理者にとっては心苦しい判断かもしれません。
ですが例えば、スタッフマネジメントの1つには職員を成長させるという役割があります。
職員が成長するには、挑戦をして成功も失敗も経験することが必要です。
つまり、現場職員の時にあなたが縦横無尽に色々な業務に取り組まれてきたように、今の現場職員にも同じ体験をさせるということです。
時には、もどかしくて手を貸してあげたくなるような時もあるかもしれませんが、それもあなたではなく他の現場職員の役割です。
管理者にとっての優しさは手を貸してあげることではなく、手を出さずに全員に成長の機会を与えることだということを覚えておきましょう。
先ほどのマネージャーに意識を切り替えるの話ともつながりますが、手を貸してあげる役割すら現場職員に委ねるということです。
逆に言うと、管理者が手を出すことは、職員の成長を止めるお手伝いをしているということですね。
重要な局面で判断をする覚悟を持っておく
デイサービスや介護施設の管理者をしていると、重要な局面で判断をする場面も出てきます。
例えば私が管理者になって間もなかった頃に、施設内でインフルエンザが少しずつ蔓延してきた時がありました。
その時に、デイサービスの営業を続けてもいいかどうかの判断をしなければいけない状況になりました。
管轄の保健所からは「事業所判断に任せます」という返事で経営者からも「なひのひさんに任せます」という返事でした。
各職種のリーダーからも意見を聞きましたが、最終的には総合的に判断をして1週間デイサービスの営業を休止する選択をしたことがありました。
苦渋の決断でしたが、デイサービスや介護施設の運営をしていると時に現場の職員では決められないような重要な局面が出てきます。
重要な局面で判断をすることは管理者にしかできないことです。
2択であればAかB、3択であればAかBかCを冷静に判断して、最終的に管理者である自分が判断するという覚悟が必要になります。
最後の方は少し重い話になりましたが、今回は介護現場の職員から管理者になった場合の不安や役割についてお伝えしてきました。
最後に今回お伝えした内容をまとめますので、最後までご覧ください。
まとめ
今回は介護現場から管理者になった場合の不安や不安の解消法、管理者の役割についてお伝えしてきました。
管理者になる時の不安は
マネジメントの不安と役割の不安に分類して考える
不安の解消法は
マネジメント力はすぐに身に着くものではないことを理解しておく
現場の課題に優先順位をつけて1つずつ取り組む
不安な気持ちを共有しておく
介護現場職員から管理者になった時の役割の意識は
プレイヤーからマネージャーになる
なんでも自分がやるのではなくできる限り身軽にしておく
重要な局面で判断する覚悟を持っておく
介護現場の職員から管理者になる時には、不安や役割の意識変化など大変なことも多いですが、やりがいのある仕事ですので一緒に頑張っていきましょう!!
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