デイサービスで新入職員が入ってきた時に、重要な役割を担うのが新入職員の指導係です。
新入職員の指導係に任命された時には、何をしたらいいの?どうやって指導や教育するの?なぜ私なの?と様々な疑問や不安を抱えるかもしれません。
今回記事では、デイサービスでの新入職員の指導に関する次のことをお伝えします。
- デイサービス新入職員の指導係の役割
- 新入職員の指導パターン
- 親入職員の指導方法
- 新入職員指導の時のNG行動
今回の記事を読むことでデイサービス新入職員の指導係として、『戦力になる新入職員の指導』ができるようになります。
それに加え、指導係に任命されたあなた自身が成長する心構えもお伝えしています。
私自身がデイサービス勤務歴11年以上の中で培った職員の指導方法のノウハウを詰め込んだ記事ですのでぜひ最後までご覧ください!
デイサービス新入職員の指導係の役割
デイサービスで新入職員の指導係に任命された時は、まず初めに指導係としてあなたに与えられた役割を理解しておきましょう。
デイサービスでの新入職員の指導係の役割は次の2つです。
- 新入職員が現場で独り立ちできるようにする
- デイサービス全体を成長させる
新入職員をデイサービスの現場で戦力として活躍できるようにすることが一番大きな役割です。
デイサービスの為でもあり、なにより新入職員の為です。
新入職員の研修期間が終了して、いざデイサービスの介護現場に独り立ちした時に分からないことだらけで困るのは新入職員です。
ですので、新入職員がデイサービスの介護現場で困ることの無いように育て上げることが指導係の役割の1つになります。
もう一つはデイサービス全体を成長させることです。
最後まで記事を読んでいただくとどういうことか分かりますが、新入職員の指導や教育の過程ではデイサービス全体のレベルアップできるチャンスがいくつかあります。
そういった機会を有効に使いデイサービス全体の力の底上げをしていくことが指導係のもう1つの役割になります。
この2つの役割があるということを意識しながら新入職員の指導にあたっていきましょう。
デイサービスで新入職員の指導は3つのパターンに分けておく
デイサービスで新入職員の指導係に初めて任命された時にはどういう風に指導・教育をしたらいいのか、不安や悩みを抱えるものです。
具体的な指導方法を知る前には、新入職員に対して何のために指導をするのかを知っておく必要があります。
私のデイサービスで何のために新入職員を指導や教育をするのかは大きく3つのパターンに分けておくようにしています。
指導や教育を次の3つに分けておくことで、指導係であるあなたの中で整理をしながら説得力のある指導を行なうことができます。
- 社会人として成長してもらう指導
- 介護技術を身に着けてもらう指導
- 改善してもらう指導
基本的には指導を成長・技術・改善の3つに分けておくことで、場面によって指導の仕方や、指導の心構えを使い分けてメリハリのある指導や教育を行うことができるようになります。
社会人として成長してもらう指導
デイサービスでの新入職員の指導や教育で、社会人として成長をしてもらうための指導は一番の核になります。
新入職員から社会人として成長してもらうことでデイサービスの介護の質向上につながります。
新入職員から社会人として成長してもらうためには次の項目の指導・教育が必要です。
- 挨拶
- 接遇マナー
- 勤務態度
- 仕事への心構え
デイサービスではあなたよりも年上の新入職員に対して指導・教育をすることもあります。
そんな時に、年下の私が年上の方に社会人としての指導なんかしても良いのかな?と疑問に思うかもしれません。
ですが新入職員が年上であっても、あなたのデイサービスに来たからには社会人として成長してもらう指導は必ず行なってください。
私も20代から管理者をやっていたので、自分が年上の職員にわざわざ社会人としての指導なんか必要ないだろうと思っていた時期がありました。
ですが、社会人として成長してもらう指導を蔑ろにしていると様々なデメリットが発生します。
- 挨拶が適当になる
- ご利用者への関わり方が雑になる
- ひいては介護の質の低下につながる
社会人としての成長の指導を蔑ろにすることは、デイサービスのご利用者に迷惑をかけることにもつながります。
介護の質の低下は、デイサービスの評判にも悪影響を与えることにもなります。
どんな状況であろうと社会人として成長してもらうための指導は徹底して行うようにしましょう。
介護技術を身に着けてもらう指導
デイサービスで介護技術を身に着けてもらうための指導も必須です。
介護技術が向上することは新入職員の自信にもつながり、デイサービス全体のレベルアップにつながります。
介護技術には、次のようなものがあります。
- トランス
- 個別による介助方法
- 声のかけ方
- 認知症ケア
介護技術を身に着けてもらう指導を行なう時に、違う介護施設からあなたのデイサービスに転職してきた新入職員は「前の職場と違うんですけど・・・」と戸惑うこともあります。
この時に指導する立場であるあなたの心構えは、今まであなたがデイサービスでやってきたことを自信を持って教えることです。
他の介護施設と比較されてしまうと、どうしても「自分がやっていることって間違っているのかな?」と不安に思うかもしれません。
ここで指導係のあなたが「んじゃそっちの方法でやろうか」と言ってしまうとデイサービスの統一ケアが崩壊してしまいます。
デイサービスでは、どんな介護技術が必要かは対象のご利用者によって変わります(個別ケア)。
例えばトランス一つをとっても、あなたのデイサービスのご利用者AさんとBさんでは全く一緒ということは無いはずです。
介護技術の一般的な正解と、あなたのデイサービスでの正解では違って当たり前なので、あなたがあなたのデイサービスのご利用者に実践してきた介護技術を自信を持って指導しましょう。
その介護技術で問題が発生するような場合は指導するあなたと新入職員2人の問題ではなく、デイサービス全体で検討することになります。
改善してもらう指導
デイサービス新入職員の指導方法であなたの頭を一番悩ませるのは、改善してもらうための指導かもしれません。
新入職員がデイサービスのルールから外れたことや間違えたことをした場合、改善をしてもらう必要があります。
改善のための指導では、時には厳しい態度で指導や教育をしなければいけない場面も出てきます。
新入職員から嫌われるのが怖いからと改善のための指導をおろそかにしてはいけません。
改善できることを放置しておくと離職や大きな事故など思いもよらぬ事態につながります。(ミスを隠す嘘は許すなの記事でもお伝えしています)
誤解の無いように言うと、改善のために必ずしも厳しい態度で指導するというわけではありません。
あくまでも改善をしてもらうことが目的なので、通常の指導方法で改善できればそれに越したことはありません。
あなたがデイサービス新入職員の指導係になって以上は改善してもらうための指導をすることも役割の一つになります。
改善のための指導は次の記事の指導方法の項目を見ていただくと理解を深めていただけます。
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関連【事故と離職を防ぐ!】デイサービスや介護現場でミスを隠す嘘は許すな!その理由と指導方法をお伝えします。
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5つのことを明確にする新入職員の指導方法
ここからは、具体的にデイサービスの新入職員の指導方法をお伝えしていきます。
デイサービスでの新入職員の指導方法は、基本的には普段からあなたが行なっている業務をそのまま教えていくだけです。
ですがデイサービスの新入職員を指導方法では次の5つのことを明確にしておくことでメリハリのある分かりやすい指導ができるようになります。
- 新入職員にどうなってほしいか明確にする(展望)
- なぜそれをやるのか明確にする(理由)
- 『なにがなぜ』ダメなのか明確にする(行動)
- わからないことを明確にする(不明)
- 『伝える』と『伝わる』を明確にする(指示)
新入職員を指導方法では、5つのことを明確にするように意識しましょう。
5つのことを明確にする指導方法をとることで、新入職員の成長と指導するあなた自身の成長にもつながることになります。
職員にどうなってほしいか明確にする
デイサービスで新入職員の指導係になった時には、指導する前に新入職員にどうなってほしいのかを明確にしておきます。
新入職員への指導のゴールを先に作っておくことは指導全体のベースになっていきます。
ここでは具体的には次の3つを明確にしておきます。
- どのくらいの期間で
- どんな過程で
- どうなってほしいか
期間や過程は新入職員が入職した時の経験やスキルなどによっても変わってきます。
大事なことは、先に最終的にどうなってほしいかを決めておいて新入職員の意識をそのゴールに向けてあげるということです。
分かりやすいのは、研修スケジュールのような感じで紙ベースで具体的に示しておくといいでしょう。
事前に管理者や上司などと打ち合わせをおこなって、すり合わせをしておくようにしてください。
なぜそれをやるのか明確にする
デイサービスの新入職員の指導方法でなぜそれをやるのか明確にすることはかなり重要です。
ここでお伝えすることは次の2つの意味は全く違いますよということです。
- 業務やルールを伝えること
- 業務やルールの目的を伝えること
私がデイサービスで働いてきた経験上、なぜそれをやるのか理由が分からない業務は長続きせずルールが守られなくなります。
デイサービス新入職員への指導方法で大事なことは、一つ一つになぜそれをやるのか理由を明確に伝えることです。
例えば私のデイサービスでは、ご利用者のお迎えに行った時に必ず連絡帳を預かるというルールがあります。
これをあなたが次のAパターン、Bパターンで伝えた場合、新入職員はそれぞれどのように捉えるでしょうか?
A「朝、迎えに行ったら必ず連絡帳を預かってね」
B「連絡帳には薬袋がついているから薬が入っているか確認と、ご家族からの連絡の確認に抜けが無いように必ずお迎えの時に連絡帳を預かってね」
Aパターンは業務内容を伝えているだけなので、連絡帳を預かること自体が目的になっています。
すると「朝の迎えで忙しい時にわざわざ連絡帳を預かる必要なんかない」と連絡帳を預からなくなる新入職員も出てきます。
ですが、Bパターンは連絡帳を預かる理由が明確で「迎えに来たら、薬と連絡確認のために預からなくちゃ」と新入職員は意識するようになります。
デイサービス新入職員への指導方法では、理由まで明確に伝えることで意味のある業務を継続させることにつながります。
『なにがなぜ』ダメなのか明確にする
なぜそれをやるのか明確にすることとも似ていますが、何がなぜダメなのか明確にすることも新入職員の指導方法には必要です。
『なにが』と『なぜ』のどちらか一方ではなく『なにがなぜ』のセットの指導方法であることがポイントですね。
私はこの指導方法を『なぜなに』と呼んでいるのですが、『なぜなに』の指導方法を習慣化させておくと次の効果があります。
- 指導係が感情的に怒らないようになる
- 人に対してでなく、行動に対して指導ができる
- 行動の何がダメで行動がなぜダメだったのかがわかると同じミスをしなくなる
次に紹介する場面は入浴介助で、立ち上がりの時にご利用者が足を滑らせて転倒しそうになった場面です。
こんな場面であなたならどんな声掛けをするか考えてみてください。
浴室でシャワーチェアからの立ち上がりの場面。
本来は手すりに掴まって立ち上がっていただくが、新入職員が腋の下を抱えて立ち上がらせた結果、ご利用者が足を滑らせて転倒しそうになった。
「危ないからダメだよ」とか「手すりに掴まってもらってね」とどちらか一方の声掛けだけでは不足で、もう少し具体的にどちらも伝えてあげるようにしましょう。
例えば「利用者○○さんは自分のタイミングで立ち上がらないと足に力が入らないから(なぜ)、介助じゃなくて(何が)手すり把持で立ちあがってもらってね」と『なぜなに』を含めて伝えます。
指導方法の中で、新入職員への声のかけ方に正解があるわけではないのであなたの言葉で伝えてあげることが重要です。
ですが『何が』と『なぜ』は必ずセットで伝えるようにしましょう。
わからないことを明確にする
デイサービス新入職員の指導方法では、わからないことを明確にするようにします。
ここでいうわからないこととは次の2つのことです。
- 指導される新入職員がわからないこと
- 指導するあなた自身がわからないこと
ここの指導方法は、新入職員と指導係のあなた自身の成長に直接かかわる部分ですのでさらに詳しく解説していきます。
指導される新入職員がわからないこと
指導方法を実践するうえで、新入職員がわからないと思っていることを明確にしてあげましょう。
新人職員に何が分からないのか問いかけると「何が分からないのか分からない」と返答されることがよくあります。
その状態の時に、次の新しいことを教えても新入職員の身に着かないことが多いです。。
効率よく指導方法を実践する意味でも、新入職員がわからないと思っていることを明確にしておきます。
新入職員がわからないと思っていることを明確にさせる指導方法は、次の2つのポイントを押さえることです。
- 新しいことを教えたその時に理解できたか確認する。
- 一日の終わりに今日教えたことでわからないことが無かったか確認する。
基本的には、新しいことを教えたその時に新入職員が理解できたか確認するようにしましょう。
分からないことをそのままにして次のことを教えると新入職員は、何がわからなかったのか忘れてしまいます。
それが『何がわからないのかわからない状態』に陥る原因です。それを避けるためにもその時に確認するを習慣化しておきましょう。
それを踏まえたうえで一日の業務終わりにもう一度、わからなかったことはないか確認します。
そうすることで、新入職員があなたに聞きそびれたことや、後で疑問に思った部分を確認することができるようになります。
またわからなかったことを確認するタイミングを作ることを習慣化しておくと、新人職員が自ら疑問を作るようになります。
それは、新入職員があなたのデイサービスの業務への理解を深める指導方法にもつながります。
指導するあなた自身がわからないこと
指導するあなた自身がわからないことを明確にしておかないと、曖昧で説得力がない指導方法になります。
指導する立場になると、わからないことは恥ずかしいことと思うかもしれません。
ですが、指導する立場のあなたにも苦手なことや分からないことがあるのは当然です。
例えば、新入職員から「なんでこれをやるんですか?」と聞かれた時に、
もしかするとあなた自身が「あれ?そういえばなんでやってるんだっけ?」と忘れていたり分からなくなっていることもあるかもしれません。
その時には「私もわからないから後で確認して正しいことをちゃんと教えるね」とわからないことを認めるようにしましょう。
すると新入職員も「このデイサービスはわからないことは聞いていい環境」なんだと安心します。
そしてなによりも、指導しているあなたに対して信頼感をもつようになります。
逆にあなたがわからないことを分からないまま指導していることは新入職員は見抜いています。
すると新入職員は「ここのデイサービスは分からないことは自分のやり方でやっていいんだ」と思うようになります。
そうすると統一したケアにつながらずデイサービス全体の介護の質の低下につながります。
『伝える』と『伝わる』を明確にする
新入職員への指導方法では、伝えると伝わるを明確にします。
指導方法に限らず、デイサービス全体の業務でも同じことが言えますね。
- 伝える=相手に対して言葉を発する
- 伝わる=あなたが言ったことを相手が理解する
ここでの伝えると伝わるに関してはこんな感じの理解で良いと思います。
デイサービスで長いこと働いていると「え?私言いましたよね。」という言葉を聞くことがあります。
実際に私自身も幾度となく使ってきました。今ではこの言葉を発さないように気を付けています。。。
あなたが、指導方法を実践していく中で新入職員に伝えたと思っていても、新入職員には伝わっていないことが出てきます。
あなたが親入職員に伝えたのに伝わっていない原因には次のようなものがあります。
- そもそも新入職員に聞こえていない
- 新入職員が難しい言葉を理解できていない
- 新入職員の理解が追い付かない
先ほどお伝えたしたように1つ1つ理解できたか確認したり、相手の経験やスキルに合わせた言葉選びをすることで相手に伝わる伝え方ができるようになります。
新入職員を指導する時のNG行動
新入職員を指導する時には、指導するあなた自身が気をつけなければいけない行動があります。
私が指導する職員に対してNG行動にしていることは次の4つです。
- 良い先輩や上司になろうとする
- 『私ならこうするよ』を押し付ける
- 自分が成長しようとしない
- 指摘ばかりする
新入職員の指導をする時に上の4つのNG行動をとってしまうと様々なデメリットが発生します。
- 新入職員の早期離職につながる
- 研修が終わった時に実践で使える力がついていない
- デイサービス全体のスキルの底上げができない
新入職員の指導係としての役割を果たすためにも、NG行動についても理解しておきましょう。
良い先輩や上司になろうとする
良い先輩や良い上司になろうとすることは一見良いことのように思うかもしれません。
ですが新入職員と良い関係を作ることと良い先輩や上司になることは分けて考えるようにしましょう。
良い先輩や上司になろうとする時にやってしまいがちな行動が次の通りです。
- 注意しない
- 新入職員のミスを隠す
- 新入職員ができないことを代わりにやってしまう
- 先に答えを教えてしまう
良い先輩や上司になろうとする人は、優しく教えることに力を入れようとします。
ですがこれは、新入職員の為ではなくあなたが新入職員から気に入られたくてあなたの為にやっていることです。
すると、新入職員が独り立ちした時に「あなたに教えてもらったせいで何もわからない」と将来的に不満を持つようになります。
長期的に新入職員と良い関係を築ける人は、注意するし、新入職員のミスも報告するし、新入職員にチャレンジさせるし、答えを考えさせます。
これは全部新入職員の将来の為に行なっていることなので、新入職員が独り立ちした時に「私のために厳しくしてくれたんだ」と気づくことになります。
ですので、指導をしているその時に良い先輩や上司になろうとするのではなく、長期的に良い関係を作っていけるような心構えを持っておきましょう。
『私ならこうするよ』を押し付ける
新入職員を指導するあなたは多くの成功体験をもっているでしょう。
ですが、あなたの成功体験をもとに「私ならこうするよ」というのを押し付けてしまうことは辞めましょう。
あまりにもあなたが「わたしならこうするよ」と押し付けてしまうと、新入職員は自分で考えることをやめてしまいます。
言われるのが嫌で「○○さんはどうやってますか」といつもあなたに答えを求めるようになります。
ミスをしてもいいようなことはあえて新入職員にミスをさせることも指導係の役割です。
新入職員には考えるクセをつけさせつつ、デイサービスのやり方を教えていくといううまいバランスをとりながら指導をしていくようにします。
ここでお伝えしたことはあくまでも押し付けることがNGということです。
時には新入職員から「どうすればいいですか?」と聞かれることもあると思います。そういった場合には「私はこういう方法でやってるよ」と教えましょうね。
自分が成長しようとしない
指導する側のあなたが新入職員と一緒に成長しようとしないことはNGです。
指導係に任命されて「教えなくちゃいけない」と意気込むかもしれませんが、ひと呼吸入れて「指導は自分も成長するチャンス」と意識してみましょう。
新入職員と一緒に成長しようとしない指導係は、教えてあげているというスタンスをとってしまいます。
するとどうしても教え方が上から目線になりがちです。
そうなると、新入職員は指導係に対して次のように感じ信頼関係を築きにくくなります。
- 質問をしづらい
- コミュニケーションをとりづらい
- 怒られそう
逆に新入職員に指導をしながら自分も成長しようとする人は、一緒に頑張っていこうねと新入職員のことを考えて指導を行なうことができます。
成長しようとする人は、自分が成長する方法を常に考えているので、それをそのまま新入職員に反映させます。
- 新入職員が成長するにはどうしたらいいか
- ここは自分でやらせてみよう
- 自分で考えさせてみよう
先ほどの良い先輩や上司になろうとするの項目でお伝えしたこととも重なることです。
新入職員が独り立ちした時のことまで考えているので、実際に現場に入った時に困ることの無いような指導ができるようになります。
指摘ばかりする
指摘ばかりしてしまうことは、新入職員が萎縮することになりますのでNG行動です。
ここでいう指導と指摘の違いは次の通りです。
- 指導:中長期的に新入職員に関わりながら成長を促すこと
- 指摘:新入職員がミスや違うことをした時にその場で正すこと
あくまでも指摘は指導の中の1つの方法として効果的に使うようにしましょう。
例えば新入職員の監視するかのごとく、一つ一つの行動に「それはダメだよ、こうやって」と指摘をされていたら嫌になりますよね。
先ほどもお伝えしましたが、あえて新入職員にミスを体験させることも必要です。
ご利用者に危険が及ばないようなことや迷惑がかからないことであれば一回やってもらった後で「あの場面では、こういう理由でこうしたほうがいいよ」と教えるようにしましょう。
指摘をすることが指導をすることと思っていると、指摘をするばかりの指導になってしまいます。
すると新入職員の成長を止めてしまうだけでなく、新入職員がネガティブに考えるようになり早期の離職にもつながります。
最初にもお伝えしたように、新入職員の指導係としてのあなたの役割は新入職員を現場で活躍できる職員に成長させることだということを肝に銘じておきましょう。
指導係が変われば、教える内容がかわるのは当然
例えば指導係が休みの日には、他の職員が新人介護職員の指導にあたることになります。
そうすると新入職員から次のような相談をされることがよくあります。
「人によって教え方(教える内容)が違うんです。」
私の考え方として、人によって教える内容が違うことは別に悪い事ではないと思っています。
いくらマニュアルや常日頃の情報共有を徹底していても人による違いは出てしまいます。これは人がやることなので仕方ないことです。
問題は、教える内容が違ったことを放置してしまうことです。
教える内容が違ったということは、その部分は統一ケアができていないということです。
統一ケアを必ず行わなければいけない場面で統一ケアが行なわれないことは、事故などのリスクにもつながります。
そのうえで指導する立場のあなたが何をしなければいけないかというと次のことを親入職員に事前に声をかけておきます。
「他の職員と私の教え方とか教える内容が違った場合は必ず私に教えてね」
この声掛けをしておくことで新入職員を通して、デイサービスの業務改善につながることにもなります。
もちろん、全ての場面で統一ケアが必要ではないのでデイサービスによって改善の必要と不要の取捨選択を行なってください。
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指導する側も成長のチャンス
新入職員の指導係に任命された時には、あなた自身も成長するチャンスをもらったと思うようにしましょう。
少なくとも私が職員を指導係に任命する時は、その職員にも成長して欲しいと思っている時です。
これは決してあなたのそもそものレベルやスキルが低いから成長してほしいという意味ではありません。
新入職員が入ることを機に、指導係のあなたにもレベルアップしてもらうことで、デイサービス全体の力の底上げを狙うと言う意味です。
実際に新入職員の指導や教育をしているとあなた自身も勉強になることがいくつも出てきます。
- なぜ、それをやるのか再確認ができる
- 自分が忘れていることや分からないことが明確になる
- 相手に伝わりやすい言葉の選び方をする
- 相手の気持ちを聞き取ることができる
自分も成長しようと意識をしながら指導をすること自分の自信にもつながっていきます。
あなたが成長することはデイサービス全体が成長することにもつながりますので、自分自身が成長することにも目を向けながら新入職員の指導を行ないましょう。
まとめ
今回の記事では、デイサービスの新入職員の指導方法をお伝えしてきました。
新入職員の指導を行なう時には、成長・技術・改善の3つのパターンを持つことでメリハリのある指導ができるようになります。
デイサービスでの新入職員の指導では次の4つのことを明確にする指導方法を行うようにします。
- どうなってほしいか
- なぜやるのか
- 何がダメか
- 何がわからないか
自分の考えを押し付けたり、指摘ばかりするような指導方法はNG行動で、新入職員の早期離職にもつながる原因になります。
デイサービスで新入職員の指導係に任命された時には自分も成長するチャンスとポジティブに捉えて臨むようにしましょう。