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【実例あり】デイサービスで介護事故の未然防止5つの方法
ヒヤリハット報告書の活用事例も紹介

なひのひ

職歴:デイサービス約11年です!
資格:社会福祉士、保育士、幼稚園教諭など
職種:介護職、生活相談員、管理者、会社役員を経験
抱負:様々な職種の経験を生かした記事で皆さんのお役に立っていきます!!

デイサービスや介護現場において気をつけなければいけないことの一つに、事故の未然防止があります。

私もデイサービスの勤務経験の中で、介護事故の当事者になりましたし、様々な介護事故もみてきました。

 

「介護事故は起きてしまうのは仕方がないよね?」と未然の防止を怠っていると、思わぬ大事故につながる可能性が出てきます。

 

そうは言っても「介護事故の未然防止はどうやって取り組んだらいいの?」と悩ましいものですよね。

今回の記事では、実際に私がデイサービスで取り組んで効果のあった介護事故の未然防止の方法についてお伝えしていきます。

 

記事を読んでいただくと、ヒヤリハット報告書がデイサービス介護事故の未然防止にいかに重要か理解していただけます。

それではご覧ください。

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介護事故の未然防止に必要な5つのこと

では早速、デイサービスの介護事故を未然防止のための取り組みを紹介していきます。

私が介護事故の未然防止のために取り組んできた内容は、大きく次の5つです。

介護事故未然防止の取り組み

  1. ヒヤリハット報告書の活用(最重要)
  2. 職員の体調配慮
  3. 個別に声かけ
  4. 過去の介護事故を定期的に見直す
  5. 観察と変化の共有(なかなか重要

順番に詳細を説明していきます。

ヒヤリハット報告書の活用(最重要)

介護事故の未然防止に必要な5つのことの中で私がデイサービスや介護現場での介護事故の未然防止で最も重要視するのは、ヒヤリハット報告書の活用です

 

ヒヤリハット報告書を正しく、そして楽しく活用することで介護事故の未然防止にぐっと近づきます。

後ほどかなり詳しく説明していきますので、ここでは一度割愛しますね。

職員への体調配慮

介護事故の未然防止には、職員への体調配慮もとても大切です。

職員は仕事ができる体調だからデイサービスや介護現場に出勤してきているわけですが、何となく調子が悪かったり家で嫌なことがあったりすると仕事に気持ちが乗っていないことがあります。

 

そのままの状態で介護現場に入ると「なんで誰も気づいてくれないの!?」と業務以外の所に意識が行ってしまいます。

そうすると思わぬ介護事故につながる可能性があります。

 

そんな時に必要なのは受容ですね。

「○○さん、何となく表情がくらいなぁ、挨拶にいつもの元気がないなぁ」などと感じたら、とりあえず声をかけてみてください。

 

正直、声のかけ方はなんでもいいと思います。

○○さんからしたら、声をかけてもらえただけで「あ、気づいてもらえたのかな」と思うものです。

 

あとは朝から他愛もない話で笑うことができればいいと思います。

正直なところ、私自身はこれがかなり苦手です。

 

利用者を目の前にしないと、どうもスイッチを入れられない気質なので苦労しています。

ただ、デイサービスの職員の中に周りへの察知能力が異常に優れている方がいますので、私はかなり助けられています。



職員へ個別に声かけ

次に紹介するのは個別に声かけをするということです。

 

デイサービスなどの介護業務で周りの目から見て「あ、今のちょっと危ないな」と思うようなことがありますよね。

例えば次のようなことが考えられます。

  • 歩行介助の方法が決められたやり方と違う
  • 車いすの操作方法が違う

介護現場でこのようなことにあなたが気づいた場合は、他の職員も気づいている可能性があります。

 

そんな時に夕礼などで皆の前で「今日歩行介助の方法が決まったやり方と違うことがありました。気を付けていきましょう」みたいな発信をするとどうでしょうか?

当事者の職員は「なにもみんなの前で言わなくても」とモチベーションが下がってしまいますよね。

 

デイサービスや介護現場では全体で情報の共有をすることも大事なのですが、一人だけが違う方法でやっている場合には配慮が必要です。

「○○さんちょっと・・・」と他の職員にわからないように声をかけて、こそっと教えたほうが効果的です。

 

配慮してもらえた○○さんは仕事へのモチベーションも上がるし、今後は間違えないように自分から気を付けるようになっていきます。

これも事故を未然に防ぐための方法としては効果的ですよね。

 

過去の介護事故を定期的に見直す

デイサービスや介護現場で過去に起きた介護事故は時間とともに忘れ去られる傾向にあります。

恐らく、介護事故が発生した当時には一生懸命に再発防止努めていると思います。

 

ですが、介護事故の発生から時が流れ、職員の入れ替わりがあった時に間違いなく申し送られているでしょうか?

意外とと言うよりも、実際に私のデイサービスでも新入職員には「時間ある時に、事故報告書のファイルも見ててね」と言ってほぼ放置していました。

 

同じ介護事故を繰り返さないために、当時は一生懸命検討をしたはずなのに、過去の事として事故報告書が埋もれてしまうのはとてももったいないですよね。

 

デイサービスなどの介護事故は、当事者でないとなかなか自分ごととして捉えられないものです。

 

ですので、定期的に過去の介護事故を見直す必要があります。

過去の事故報告書をランダムに引っ張り出して1~2事例の介護事故を1ヶ月に1回くらい研修的に行うといいでしょう。

 

あまり時間をかけてやらなくてもいいので、実際に自分たちが働くデイサービスで過去に起きた介護事故の実例と原因と改善策を把握できるだけでも違います。

この時に、今実際に用されている利用者に置き換えられると職員も状況をつかみやすいです。

 

観察と変化の共有を行う(なかなか重要

デイサービスや介護現場では当たり前のように行われていると思いますので、いわずもがなですよね。

ただ、当たり前の事にも意味がありますので意味を理解しておきましょう。

 

介護事故の未然防止には、観察と変化の共有もとても大事です。

 

私が、学生だった頃に先生から「異常を知るには正常を知っておかなくてはいけない」と教えていただいたことがありました。

当時は、何となく聞き流していましたがデイサービスの介護現場で働くようになってからは身に染みています。

 

デイサービスや介護現場では利用者や入居者の正常な状態を知ったうえで、異常が起きていると感じた時に小さな情報でも共有しておくようにしましょう。

 

特に、介護現場で利用者や入居者を一番近くで見ている職員が感じる違和感のような感覚はとても大事です。

実際に「うまく表現できないけれどもなんとなくいつもと違う感じがする」という現場職員の声から、初期段階の脳梗塞で搬送されたケースも経験しています。

 

これを、自分の中だけで「なんとなく違うけど、まぁ報告するまでもないか」と思っていたとしたら結果は変わっていたでしょう。

 

同じように、利用者や入居者のADLなどの微妙な変化に気づいて共有することが介護事故の未然防止つながります。

変化に気づいて共有できるには普段から継続的に観察をしておかないとできません。

 

普段から当たり前のように行なっていることでも、意味があることですので改めて意識していただけると幸いです。

 

では次に、介護事故の未然防止のために私が最も重要だと思うヒヤリハット報告書の活用に関して詳しくお伝えしていきます。



介護事故の未然防止にはヒヤリハット報告書が一番効果的

私が11年間のデイサービス勤務経験の中で介護事故の未然防止のために一番効果的だと感じたのはヒヤリハット報告書の活用です。

ヒヤリハット報告書が持つ役割は、介護事故の未然防止です。

 

介護現場では、どうしても事故報告書やヒヤリハット報告書を書くことは気が重いことと捉えられがちです。

介護保険制度ができてから20数年、、事故やヒヤリハット報告書は反省文のように扱われてきた風習が少なからずあったように感じます。

 

ですが、事故報告書もヒヤリハット報告書もその目的をしっかりと理解して前向きにとらえることが必要です。

特にヒヤリハット報告書は活用の方法次第で、楽しみながら事故の防止に取り組むことができます。

 

ヒヤリハット報告書の持つ役割を正しく理解して、介護事故の防止に臨みましょう。

ヒヤリハット報告書を提出する目的

デイサービスや介護現場においてヒヤリハット報告書の目的は提出してもらうこと・・・ではありません!

ヒヤリハット報告書を提出する目的はズバリ「リスクの共有」と「介護事故の未然防止」です。

 

リスクを共有して介護事故を未然に防止するということですね。

 

お分かりの方が多いと思いますが、デイサービスや介護現場には放置しておくと重大な介護事故につながりかねない多くのリスクがありますよね。

リスクの例

  • 利用者(入居者)様の導線上にごみ箱がはみ出していてつまずくリスク
  • 浴室の排水口が流れにくくなっていて滑りやすくなっている
  • 利用者(入居者)様が他の利用者(入居者)様の悪口を言っていて利用者同士のトラブルにつながる可能性がある
  • 間違えて他の利用者(入居者)様の薬を渡しそうになった

挙げていけばきりがないですよね。

 

介護現場のリスクは個人が気づいていればいいというものではありません

ヒヤリハット報告書を活用してリスクをデイサービス全体で共有することで介護事故の防止につなげることができます。

 

 

ヒヤリハット報告書活用の効果

ヒヤリハット報告書の効果的な活用方法は次の項目でお伝えします。

気になる方は先に、次のヒヤリハット報告週間を設けるを読んでから戻ってきてください。

 

その前に、実際に私がヒヤリハット報告書を上手に活用したことで得られた効果についてお伝えします。

ヒヤリハット報告書を活用するようになって目に見えて現れた効果は次の3つです。

  • 介護事故の数が減少した
  • ヒヤリハット報告書の数が増えた(リスクへの意識が強くなった)
  • 職員同士で言い合えるようになった

 

ヒヤリハット報告書を活用したことで、間違いなく介護事故の数が減りました

 

元々事故が発生しやすいデイサービスではなかったのですが、それでも3~4割程度は介護事故が減少しています。

自分のデイサービスのデータしかないので、もしかすると大きいデイサービスではもっと大きな効果が出るかもしれません。

 

なぜ介護事故が減ったかというと、職員がリスクを意識してヒヤリハット報告書を積極的に書くようになったからです。

全員がリスクを意識するようになると、リスクを意識することが当たり前になるので職員同士で危なかったところを言い合えるようになります。

 

ヒヤリハット報告書の活用がうまく行くと、好循環が生まれ介護事故の未然防止に良い効果を生んでくれることがお分かりいただけたと思います。




【実例】ヒヤリハット報告週間を設ける

では、ここからは私がヒヤリハット報告書をどのように活用したかお伝えしていきます。

ヒヤリハット報告書の活用方法として、私が実際に取り組んだのは次のような取り組みです。

1ヶ月の期間、ヒヤリハット報告週間を設ける

 

ヒヤリハット報告週間のルールとして次の物をつくりました。

ヒヤリハット報告週間のルール

  • ヒヤリハット報告週間中に1人5件以上ヒヤリハット報告書を提出する
  • ヒヤリハット報告書の内容の質にこだわらない
  • どんな内容でも全員が受け入れる

 

ヒヤリハット報告週間の目的はリスクを意識すること”です

ヒヤリハット事例としては、職員が危険だと感じたことや普段から危険だと思っていたけど言い出せなかったことなど幅広く容認します。

ヒヤリハット報告週間の利点

ヒヤリハット報告週間をやると次のような利点があります。

  • 職員によって視点が全然違うリスクがわかる
  • 職種ごとでも視点が違うリスクがわかる
  • 自分では全く気付かないような事例も出てくる

 

内容として例えば次のようなものが上がってきます。

    • 15時のおやつがもちもちすぎて誤嚥のリスクがある
    • 機械浴(特別浴)用の椅子のネジが少し緩んでいた
    • 車両点検をしないまま送迎にでてしまった
    • 利用者○○様の午睡時に使用したベッドが低すぎて立ち上がりが大変
    • 利用者△△様が利用者□□様のほうをずっとみていた
    • 食材の賞味期限(明日切れます)が切れかかっているのに気づかなかった   

 

内容は本当にこだわらなくていいですし、思わず笑っちゃうような内容でも全く問題ないです。

普段ならそこまで報告しなくてもいいかなと思うような内容でも受け入れるようにします。

 

ここの内容で考えすぎてしまうのは、時間がもったいないですし、ヒヤリハット報告書の提出自体が目的ではないので。

例を見ると、意外とこのまま放置しておいたら大きい事故につながってしまいそうなものもありますよね。

 

ヒヤリハット報告週間で職員のリスクへの意識が変わる

一年のうち2、3回くらいヒヤリハット報告週間を行うと、職員は普段から自然とリスクを意識するようになってきます。

例えば、「あれ?このお菓子って○○様には飲み込みづらいかもしれないよね?」と素早く察知することができるようになります。

 

他にも、ヒヤリハット報告書が職員にとって身近なものになるので普段から提出しやすくなるというメリットもあります。

ヒヤリハット報告書はどうしても気が重い作業になりがちです。

 

ですが、ヒヤリハット報告書の目的を理解できるとヒヤリハット報告週間が終わった後でも、提出しやすい環境になります。

 

そうなってくると、わざわざヒヤリハット報告週間をやる必要もなくなってきます

ヒヤリハット報告週間の目的はリスクを意識することでしたので、見事に目的をクリアできているからです。

 

ヒヤリハット報告週間は、デイサービスでの介護事故の未然防止の対策としてはとっかかりやすいと思います。

目的をきちんと説明できれば職員も受け入れやすいのでお勧めします。

 

では、デイサービスや介護現場で実際にヒヤリハット報告書を書く状況になった場合、どのように書いていくといいのでしょうか?

次の項目でお伝えしていきます。


 

ヒヤリハット報告書の書き方のコツ

デイサービスや介護現場で実際にヒヤリハット事例に遭遇し、介護事故の未然防止のためにヒヤリハットを提出する場合どのように書くといいでしょうか?

 

書き方のコツとしては5W1Hを意識して、私情を挟まずに書くことです

5W1Hとは?

  • いつ(When)
  • どこで(Where)
  • だれが(Who)
  • なにを(What)
  • なぜ(Why)
  • どうした(How)

のことですね。

一般的にも良く知られていると思います。

 

5W1Hに当てはめながら、私情を挟まずに書くということですね。

私情を挟まずにとは

  • 誰かや何かのせいにしない
  • ~してしまいました。と反省文にならない
  • 事実を書き換えない

 

私情を挟んだ報告書はデイサービスでヒヤリハット事例が起きた時に、ついついやってしまいがちなので注意しましょう。

以上のことを踏まえて、質の高いヒヤリハット報告書を活用できるようにしましょう!

 

では最後に今回の記事をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。



まとめ

今回はデイサービスでの介護事故の未然防止に大切な5つのことをお伝えしてきました。

介護事故に未然防止の方法の5つの中でも、ヒヤリハット報告書の上手な活用が最も効果的です。

 

私が取り組んだヒヤリハット報告書の活用方法は、ヒヤリハット報告週間を作るということです。

ヒヤリハット報告週間を作ることで次の3つの効果を得ることができました

  • 介護事故の数を減った
  • ヒヤリハット報告書の数が増えた(リスクへの意識が高まる)
  • 職員同士でリスクを教えられるようになった

 

デイサービスでの介護事故の未然防止は、取り組んだからと言ってすぐに効果がでるものではありません。

ですが、取り組まないと何も変わりません。

 

何かしらの対策を行うことで効果は後からついてきますので、是非積極的に介護事故の未然防止に取り組んでみましょう!

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この記事を書いた人

なひのひ
職歴:デイサービス約11年です!
資格:社会福祉士、保育士、幼稚園教諭など
職種:介護職、生活相談員、管理者、会社役員を経験
抱負:様々な職種の経験を生かした記事で皆さんのお役に立っていきます!!

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