デイサービスで働いていると、よくご利用者やご家族から「デイサービスを休んだ場合にも料金が発生しますか?」と質問されることがあります。
いわゆる、デイサービスのキャンセル料がかかるかどうかという部分の疑問ですね。
実は、デイサービスのキャンセル料に関して疑問を感じるのはご利用者だけではありません。
デイサービスの職員からしても「お休みになったご利用者からキャンセル料を頂いていいの?」と疑問を感じる部分です。
デイサービス側からすると、
- 休んだ方からお金を頂くのは申し訳ない
- キャンセル料は苦情やトラブルにつながりそう
- キャンセル料を頂く時の判断基準が分からない
と様々な理由でキャンセル料を頂くことに躊躇するかもしれません。
そこで、今回はデイサービス側から見て、ご利用者からキャンセル料を頂くことは可能かどうかについて次の疑問にお答えしていきます。
- デイサービスのキャンセル料は頂いてもいいの?
- デイサービスのキャンセル料を頂くことのできる条件は?
- デイサービスのキャンセル料が発生するタイミングの設定は?
- どんな理由で休んでもキャンセル料は頂いて良いの?
- デイサービスのキャンセル料の金額設定の方法は?
- デイサービスのキャンセル料はトラブルにつながるんじゃない?
デイサービスの職員でご利用者からキャンセル料を頂くかどうか悩んでいる方は是非ご覧ください。
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デイサービスのキャンセル料はご利用者から頂いてもいいの?
デイサービスのキャンセル料は、利用予定だったご利用者がデイサービスをお休みした場合に発生する料金のことです。
結論から言うと、デイサービスのキャンセル料はご利用者から頂くことができます。
逆に、キャンセル料をもらわないという選択もできます。
どちらの選択もできるということですね。
ちなみに、私のデイサービスではキャンセル料は頂いています。
今は多くのデイサービスでキャンセル料が発生する場合が多くなっています。
キャンセル料を頂くことに躊躇するデイサービスでは、利用していない人から料金をもらうのは申し訳ないという気持ちがあるかもしれません。
ですが、デイサービスの場合は曜日ごとにご利用者の予定が決まっている場合が多いですよね。
そうするとデイサービスでは、ご利用者の予定に合わせて次のような準備をしておきます。
- スタッフの配置
- 食事の準備
- レクリエーションの準備
デイサービスによっては、ご利用者1人が休むことで職員一人を休ませることができたりするので実はキャンセルの影響は結構大きいです。
ご利用者がお休みなった影響をキャンセル料で補填できるかというとそうではありません。
ですが、キャンセル料を頂かずに放置してしまうことは、年間でなかなかの経費を無駄にすることになります。
ご利用者の突然のお休みをできる限り防止するという意味でも、デイサービスではキャンセル料は頂くことをおススメします。
デイサービスのキャンセル料を頂くことのできる条件
では、デイサービスでご利用者からキャンセル料を頂くためにはどのような条件があるでしょうか?
それは契約時にキャンセル料についても説明をして同意を頂いていることです。
ここで言う同意を頂いているとは、
契約書類にに署名をいただいたかどうかよりも、キャンセル料に関して理解をしていただいたかどうかが重要になります。
契約時にはデイサービスの契約の他に次のようなことがあり、ご利用者やご家族はなかなかの体力を使うことになります。
- ケアプランの説明
- 他の事業所との契約
そうなると、ご利用者はデイサービスの契約書類の細かい部分まで覚えていないことがほとんどです。
特にデイサービスの料金に関してはご利用者やご家族が理解できるように説明しないと、後のトラブルにつながる可能性もあります。
ですので、ご利用者が後で契約書類を見返した時にも分かりやすいように工夫をしながら説明をする必要があります。
これは後で説明するデイサービスのキャンセル料はトラブルにつながる?にも関連します。
私の場合は、発生する可能性のある費用は必ず黒丸やマーカーをつけながらゆっくり説明をするようにしています。
そうすることで次のような利点があります。
- ご利用者やご家族の反応を見ながら説明できる
- ご利用者が後で契約書類を見返した時に分かりやすい
- 自分自身が説明したという確信を持つことができる
最初にお伝えしたように、デイサービスのご利用者やご家族がキャンセル料に関して理解したかどうかが重要になります。
デイサービスのキャンセル料が発生するタイミングの設定
先ほどもお伝えしたようにデイサービスのキャンセル料は、利用予定だったご利用者がデイサービスをお休みした場合に発生する料金です。
では、デイサービスのキャンセル料はどのタイミングでお休みになった場合に発生するのでしょうか?
キャンセル料が発生するタイミングも実は明確な答えはなく、デイサービスによってキャンセル料が発生するタイミングは異なります。
利用予定だったご利用者がデイサービスを休みになるタイミングは大きく次の3つに分けられます。
- 利用予定日の前日までに休みの連絡をもらう
- 利用日当日に休みの連絡をもらう
- お迎えに行ったが休みになる
ご利用者からキャンセル料を頂いているデイサービスでは、この3つのタイミングのどこかでキャンセル料が発生していることが多いです。
それぞれのタイミングで発生するキャンセル料
デイサービスのキャンセル料に関しては、介護保険で決められている報酬ではなく実費負担です。
そのため、デイサービスによって社会通念の範囲で設定することができます。
3つのデイサービスのキャンセル料の例を挙げてみます。
Aデイサービス
利用予定日の前日17:30(デイサービスの営業時間内)までに休みの連絡を頂いた場合 | キャンセル料の発生無し |
前日17:30以降~当日8:30に休みの連絡を頂いた場合 | 利用料金の50% |
当日8:30以降に休みの連絡を頂いた場合 | 利用料金の100% |
Bデイサービス
利用予定日の前日までに休みの連絡を頂いた場合 | キャンセル料の発生無し |
当日にお休みの連絡を頂いた場合 | 食費分の実費負担 |
連絡がなかった場合 | 食費分+基本報酬のご利用者負担分 |
Cデイサービス
キャンセル料1,500円 | |
前日17:30以降~当日8:30に休みの連絡を頂いた場合 | キャンセル料の発生無し |
当日8:30以降に休みの連絡を頂いた場合 | キャンセル料の発生有り |
このようにデイサービスのキャンセル料が発生するタイミングや、キャンセル料の料金設定はデイサービスにより異なります。
キャンセル料が発生するタイミングはデイサービスの実態に合わせて考えてみるようにしましょう。
おそらく、キャンセル料を頂いているデイサービスの多くは、上記の表のようにキャンセル料が発生しない条件に付いても重説に記載されていると思います。
実はそれが凄く大事なことで、キャンセル料が発生しない条件を書いているとキャンセル料が発生する前に連絡をくれるようになります。
するとデイサービスでは、食事の手配やスタッフの調整などをしやすくなったり業務の調整も事前に行うことができるようになります。
そんなメリットもありますので、重説にキャンセル料が発生しない条件を書いていないデイサービスは付け加えることをおススメします。
おススメは当日連絡から発生するキャンセル料
キャンセル料の発生するタイミングでおススメなのは、当日の連絡から発生するBデイサービスのパターンです。
当日連絡で発生するキャンセル料をおススメとした理由は、私自身がこの方法しかとった事が無いからです。。。
ですが実際に近隣のデイサービスを見ても、キャンセル料が発生するタイミングに関してはBデイサービスと同じような設定をしている事業所が多いです。
キャンセル料では他のデイサービスと差別化を図る必要もありませんので、近隣のデイサービスの状況を見て設定することも考えてみましょう。
当日の連絡でキャンセル料が発生するように設定しておくと、ご利用者は前日までに連絡を入れるように意識するようになります。
前日までに連絡を頂くことでデイサービスでは次のことを事前に調整できるようになります
- スタッフの人数調整
- 業務の段取り
- 食材の調整
デイサービスでは事前に調整を行うことで、経費を無駄にすることが無くなるメリットが生まれます。
どんな理由でも休みになればキャンセル料は頂くことができるの?
キャンセル料を頂く時には、どんな理由でもキャンセル料は発生させていいの?と疑問が生まれます。
基本的な考えとして、キャンセル料はどんな理由でも発生させて大丈夫です。
ですが、ご利用者に長くデイサービスを利用してもらうためには例外を作ることも必要です。
私のデイサービスでは、次の2つの理由の場合はキャンセル料を頂いていません。
- 救急搬送された場合
- 冠婚葬祭に出席や参列する場合
この2つの理由でキャンセルになった場合にはキャンセル料は頂かないことにしています。
この2つの場合にキャンセル料を頂かない理由は次の通りです。
- 命にかかわる事態の時に、キャンセル料を理由に救急車を呼ぶことを躊躇させないため
- 冠婚葬祭では、祝ったり弔ったりする相手のために集中して出席や参列してもらうため
この辺りも、デイサービスによって様々な設定ができますので、参考程度にご覧ください。
デイサービスのキャンセル料の金額設定
デイサービスのキャンセル料の金額設定に関しても、それぞれのデイサービスによって異なります。
それぞれのタイミングで発生するキャンセル料の項目でも例に挙げたように、3者3様の金額設定をしています。
キャンセル料の金額設定としては主に次のような方法があります。
- 食費分のキャンセル料
- キャンセル料○○円という設定
- 利用料金の○%
- 利用料金の負担分
キャンセル料をどの金額で設定するにしても、キャンセル料金の根拠を聞かれた時に答えられるようにしておくといいでしょう。
例えば食費分をキャンセル料として設定するのであれば「お休みになることで、準備していた食材を破棄することになるので」と説明ができるようにしておくということです。
キャンセル料の金額設定も、近隣のデイサービスでどのような金額設定をしているかをリサーチしてみるといいでしょう。
近隣デイサービスに比べて最安にする必要は全くありませんが、あまりにも高額なキャンセル料を設定してしまうと客離れの原因になるので気をつけましょう。
キャンセルになったからといって、利用料の10割負担を求めるのはあまりにも酷ですよね。
キャンセル率は下げられるかもしれませんが、休んだら利用する以上にお金がかかるデイサービスにはケアマネージャーもご利用者を紹介しづらいですよね。
デイサービスのキャンセル料は苦情やトラブルにつながる?
デイサービスのキャンセル料は、頂き方によっては苦情やトラブルにつながる可能性があります。
実際に苦情やトラブルが起きやすい理由は次のようなものがあります。
- キャンセル料なんてそもそも聞いていない
- キャンセル料の金額が高すぎる
- デイサービスを利用していないのになんで料金を払わなくちゃいけないの
トラブルが起きる原因は説明不足にあります。
キャンセル料を頂くことのできる条件の項目でも説明しましたが、キャンセル料に関しては説明をしているだけでは不十分で理解していただく必要があります。
ですがキャンセル料は基本報酬や加算などと違い、常に発生する料金ではありません。
契約で説明をした時に、理解をしてもらったつもりでも再度念を押しておく必要があります。
具体的には次の二つの方法があります。
- お休みの連絡をもらった時点でもう一度キャンセル料の説明をする
- 重説を説明する時に黒丸やマーカーをつけながら説明する
「キャンセル料として○○円ほど料金が発生してしまいますのでご了承下さい」という感じで説明をしておきます。
そうすることで請求書にキャンセル料の項目が載っていても苦情やトラブルにつながる可能性をぐっと減らすことができます。
重説に黒丸やマーカーをつけるのは、先ほどデイサービスのキャンセル料を頂くことのできる条件で説明した通りです。
キャンセル料が万が一苦情につながった時のために、説明をしたという確信を残しておくことも重要ですね。
基本的には
- 契約時の説明で理解をしていただいて
- ご利用者やご家族との良好な関係作りができていれば
トラブルにつながる可能性はかなり低いですのであまり敏感にならなくてもいいでしょう。
まとめ
さて、今回はデイサービスのキャンセル料はご利用者から頂いて良いの?というテーマでお伝えしてきました。
デイサービスのキャンセル料はご利用者から頂くことができます。
ですが、近隣デイサービスと比べてあまりにも金額が高すぎると客離れの原因になりますので、リサーチしてみるようにしましょう。
デイサービスのキャンセル料を頂く場合は、契約時に理解していただけるように説明しましょう。
合わせて、ご利用者からお休みの連絡が入った時に重ねてキャンセル料が発生することを伝えると不要なトラブルの回避にもつながります。
デイサービスでキャンセル料を頂くには、申し訳ないという気持ちがあるかもしれません。
ですが、デイサービスを安定して運営させるために必要な方法でもあります。
デイサービスのご利用者やご家族からきちんと理解してもらったうえで、キャンセル料を頂くようにしましょう!
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