日勤中心に働きたい方におすすめなのがデイサービスの介護職員です。
特に、これからデイサービスの介護職員として働きたいと思っている方にとって気になるのは、その仕事内容ではないでしょうか?
デイサービスの介護職員には、入浴や移動の介助などの身体介護の他に、送迎やレクリエーションなどデイサービスならではの仕事内容があります。
また、これからデイサービスの介護職員として転職や就職を考えている方は自分がデイサービスの介護職員に向いているの?と気になる方もいるかもしれません。
今回の記事では、デイサービスの介護職員の仕事内容の他に、持っておくといいスキルや資格は必要なの?という疑問についてもお伝えしています。
ぜひ最後までご覧ください!
デイサービス介護職員の仕事内容は?
デイサービスの介護職員の仕事内容は、入浴や排泄介助などの身体介護に加え、送迎やレクリエーションの企画、提供など、デイサービス特有のものがあります。
デイサービスの介護職員の仕事内容に関してはデイサービスの仕事内容とは?の記事でも簡単に触れています。
今回の記事ではもう少し深掘りをしてデイサービス介護職員の仕事内容をお伝えしていきます。
具体的にどのような仕事内容があるのかお伝えしていきます。
デイサービス介護職員の仕事は主に次のように分類されます。
- 送迎
- 血圧の測定
- 介助、見守り
- レクリエーションの企画、提供
- 介護記録
送迎
デイサービスの1日は送迎から始まります。
デイサービスによっては、タクシー会社を使っていたりシルバー人材を活用していて、運転業務は委託している場合もあります。
ですが、基本的にはデイサービスの介護職員が運転手または添乗者として送迎車に乗り、朝の迎えや帰りの送りを行います。
ご家族がいるお宅では、ご家族からご利用者の今日までの様子を聞いたり、逆にデイサービスでの様子を伝えてコミュニケーションをはかります。
送迎車内でも、いつもと違う様子はないかなど会話をしながら様子観察を行います。
送迎時に気を付けるポイントには次のようなものがあります。
- 安全運転
- 乗車時のご利用者の体調確認
- 乗車後(特に長時間乗っている場合)の体調変化の観察
- 降車時のご利用者の体調確認
コロナ禍になってからは、送迎車内での会話も控えるようになっているかもしれませんので、表情などを気にしておくようにしましょう。
血圧測定(バイタル測定)
デイサービスに到着すると、血圧や体温の測定を行うこともデイサービス介護職員の仕事内容です。
よく「血圧の測定は看護職員が行う仕事内容じゃないんですか?」と質問を受けることがあります。
ですが、自動血圧計を使用した血圧の測定は誰でも行うことができます。
逆に言うとバイタル測定は、自動血圧計を使っていれば介護職員にこだわることもない仕事内容ですので、チームの中で分担して行うようにしましょう。
コロナ禍では、体温は送迎車への乗車前に測っているデイサービスが多いと思います。
体温や血圧は入浴ができるできないの判断材料にもなりますので間違えないように記入しましょう。
また、デイサービスによってバイタルの再検査を行う基準は違いますので、事前に確認をしておきましょう!
介助、見守り
デイサービスの介護職員は名前の通り、様々な場面で介護を行うことが主な仕事内容です。
介護業務と呼ばれるような仕事内容はほとんど、介助・見守りのことを指す場合が多いでしょう。
介助や見守りを行う場面には次のようなものがあります。
- 入浴
- 移動
- 排泄
- 食事
- 口腔ケア
デイサービスの介護職員はこれらの場面で必要な介護業務を行います。
介護業務を行う上で注意するポイントは過剰な介護を行わないことです。
過剰な介護とは、ご利用者ができる部分までお手伝いをしてしまうことです。
デイサービスのご利用者の生活主体は主に自宅です。
デイサービスで過剰な介護をすることは、一見親切のように思うかもしれません。
ですが実は、今まで自分でできていたことを奪ってしまい自宅で生活できる期間を短くしてしまうことになるのです。
どこまで介護を行うべきかの判断材料となるものは次の通りです。
- ケアプラン
- 個別援助計画書
- 日々の情報共有
デイサービスの介護職員はご利用者自身ができることはご自身で行っていただく意識をもって介護業務に望むようにしましょう!
レクリエーションの企画、提供
デイサービスの中では、日々のレクリエーションを行っているところも多いと思います。
特にレクリエーションに力を入れているデイサービスではレクリエーションの企画と提供の仕事内容は欠かせません。
レクリエーションを企画する時にも様々な項目を考える必要があります。
- レクリエーションの内容
- レクリエーションを行う目的
- 職員配置
- 時間配分
- 必要な備品
デイサービスで行うレクリエーションなので、内容を考える時には何のために行うのかという目的もセットで考える必要があります。
実際にレクリエーションを進行する時には、
- 大きな声で
- はっきりと
- ゆっくり
を心がけて、ご利用者が置いていかれることのないように気をつけましょう。
介護記録
日々の介護記録を書いていくことも、デイサービス介護職員の重要な仕事内容です。
介護記録の作成や保存は介護保険方の中でも義務付けられています。
介護記録はなかなか効率良く行う方法がないし見返す機会もあまり無いので、煩わしく思う方もいるかもしれません。
ですが、日々の小さな変化や処置を行った記録は次のような様々な場面で役に立っています。
- 主治医への情報提供
- ケアプランへの反映
- 統一ケア
- ご家族への情報提供
- ケアマネジャーへの情報提供
介護記録を書いているだけだと、介護記録が役に立っている実感はあまりわかないかもしれません。
ですが、例えば生活相談員はご家族やケアマネージャーに状況を報告する場面で介護記録を遡りながら活用しています。
他にも急な体調変化などが起きた時に、その前までデイサービスでどんな状態だったかなど記録が残っていると、生活相談員としてはホッとします。
介護記録は必要なのかな?と思う人もいるかもしれませんが、実際には様々な場面で活躍しています。
デイサービスの介護職員に必要なスキルは?
ここまでは、デイサービス介護職員の仕事内容についてお伝えしてきました。
では、デイサービスの介護職員が持っておいたほうがいいスキルはあるのでしょうか?
私自身も介護職員を経験してきた中で必要だと感じたスキルがありますので、紹介していきます。
- 介護技術
- ゆっくり力
- 元気
この3つのスキルはデイサービスの介護職員に必要なスキルだと感じます。
詳しく説明していきますね。
介護技術
デイサービスは比較的自立している方が多く、他の介護サービスに比べると介護技術を必要としないように思われがちです。
ですがデイサービスでも例えば、
- 移乗に介助を要する方
- おむつ交換が必要な方
- 食事介助が必要な方
は利用されます。
他の介護サービスと比較するとその割合は少ないかもしれません。
ですが、目の前に介護を必要とするご利用者がいれば「私、できません」と言っている場合ではありません。
ご利用者からすれば、デイサービスで働いている職員は介護のプロとみられます。
デイサービスをご利用される方の情報は事前に共有されるはずですので、介護技術に不安がある方は事前に先輩職員に確認を行うようにしておきましょう。
ゆっくり力
ゆっくり力とは聞きなれない言葉だと思いますが、デイサービスで働くうえで私自身も常に心掛けていることです。
精神面での心構えという意味でのスキルです。
デイサービスのご利用者は、介護職員と比べると色んなことがゆっくりしています。
- 質問への返事の早さ
- 歩く速さ
- 着替える速さ
- 食べる速さ
デイサービスで働いていると、どうしても時間に追われてしまい急ぎたくなることが出てきます。
ですが、デイサービスは介護職員が主体の場ではありません。
あくまでも、ご利用者のペースでご自身でできることは行なっていただくということが基本です。
ご利用者お一人にかけられる時間が限られているという介護現場の現状も分かりますが、時間を言い訳にして職員主体にならないように心掛けられる心構えが介護職員には必要です。
元気
デイサービスの介護職員に一番必要なスキルは元気と言っても過言ではないかもしれません。
元気と一言で言っても理解しづらいかも知れませんので、具体的に3つの元気に分けてみます。
- 1日動き続けられる元気
- 大きな声で話ができる元気
- 前向きに考えられる元気
見た目で元気だなぁとわかるものや、精神面での元気ですね。
一つずつ詳しく説明していきます。
1日動き続けられる元気
デイサービスは、他の介護サービスに比べると身体介護が少なく介護職員への負担が少ないように思われがちです。
ですが実際には、入浴介助は汗をかきかき行いますし、レクリエーションでも盛り上げるためになかなかの体力を使います。
また、ご利用者は朝から夕方までデイサービスで過ごすわけですので、危険が無いように集中しておく見守りをする時間も多くなります。
デイサービスでは、一日を通して活動的に動くことが多くなります。
例えば、デイサービスの大まかな一日の流れの例を簡単に説明してみます。
- 送迎
- バイタル測定
- 入浴介助
- レクリエーション活動
- おやつの時間
- 簡単なレクリエーション
- トイレの誘導
- 送迎に出発
介護職員はこの全ての場面で関わることが多くなります。
ですので、一日を通して動き続けられる体力が必要になります。
大きな声で話ができる元気
デイサービスの介護職員はご利用者全体に向かって話をする場面が多くあります。
- レクリエーションの進行
- 朝の挨拶
- 帰りの挨拶
- 昼食メニューの紹介
- 集団体操の声掛け
様々な場面で声が小さかったり、ぼそぼそと喋っていてはせっかく楽しいことを話していても、皆さんに伝わらずに時間だけを消費してしまうことになります。
お互いに意味のない時間になるのは、もったいないので人前に立って話をする時には大きな声で話せる明るさを持ち合わせておいたほうがいいでしょう。
普段、大きな声で話すのが苦手な人でもデイサービスで働いている間には割り切って考えられるようにしてみましょう。
考え方を変えてみると、大きな声でしゃべれる人は小さな声でしゃべることもできるので場面場面で話し方を変えられる技術のようなものも身に着けることができるようになります。
前向きに考えられる元気
言葉を変えると、ポジティブ思考やプラス思考という呼び方になりますね。
デイサービスで働いていると、実は意外と落ち込む場面ってあるんですよね。
ポイント
- 事故の当事者になった時
- 苦情の対象になった時
- ミスをした時
- 自分の意見が通らなかった時
- 怒られた時
これらのことは頻繁には起こりませんが、たまにこういう事案が発生してしまうとなかなか立ち直れないという方も多いかもしれません。
ちなみに私も、引きずってしまうようなタイプでした。。。
ですが、デイサービスでの勤務経験が長くなってくると「引きずっていても意味がないな」と気づく時が来ます。
それよりも例えば、
- 怪我をしなくてよかったな
- 次に同じことが起きないようにどうしたらいいかな
- どうやったら自分の主張が通るかな
と前向きに捉えたり、次につながる考えに切り替えてしまったほうが時間を効率よく使うことができます。
デイサービス介護職員は資格が必要?
デイサービスの介護職員は現状では資格が必須ではありません。
この辺りはデイサービスで働くのに資格は必要?の記事でも触れています。
ですが、2021年4月からは無資格の介護職員は認知症介護基礎研修の受講が努力義務とされました。
あくまでも無資格の介護職員ということに限定していますが、努力義務の期間は2024年3月までの3年間です。
それ以降は、完全に義務化に切り替わることになります。
現在無資格で、これからデイサービスの介護職員を目指す方やすでにデイサービスの介護職員として働いている方は、受講をするか他の資格の取得をすることをおススメします。
認知症基礎研修の受講は有資格者の方は免除となります。
デイサービス介護職員に関わりのありそうな資格で言うと次の資格を持っている方は受講が免除となります。
- 介護職員初任者研修
- 介護職員実務者研修
- 介護福祉士
- 介護支援専門員
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 介護職員基礎研修課程修了者
この他にも、看護師や准看護師、医師、栄養士なども免除の対象となります。
認知症介護基礎研修自体は講義180分(3時間)、演習180分(3時間)の計360分(6時間)で修了する研修です。
すでに資格を持っている方でも、知識の再確認や基礎の復習などで割と手軽に受講できるようですので興味のある方は調べてみてください。
まとめ
今回はデイサービスの介護職員の仕事内容や必要なスキルについてお伝えしてきました。
デイサービスの介護職員の仕事内容は、送迎から始まり、介助や見守りなどの介護業務、レクリエーションの企画、進行などがあります。
また、基本的には介護業務を行ないながら動き回るデイサービスの介護職員に必要なスキルは3つ紹介しました。
- 介護技術
- ゆっくり力
- 元気
デイサービスの介護職員はこの3つのスキルを持ち合わせておくと、ご利用者に寄り添ったケアができるでしょう。
現状でデイサービスの介護職員は無資格でも働くことができますが、2024年からは最低でも認知症介護基礎研修の受講が必要になります。
現在、無資格の方は資格の取得や研修の受講を考えておくことをおススメします!
デイサービスの介護職員はご利用者の一番近くで働くことが多く、やりがいを感じる仕事です。
デイサービスの介護職員の仕事内容に興味のある方はぜひ、チャレンジしてみましょう!