デイサービスや介護現場でリーダーをされている方は様々な悩みを抱えると思います。
デイサービスでは生活相談員が現場のリーダーになっていたり、介護職員として実務経験を5年以上積んで介護リーダーになるケースが多いかと思います。
しかし介護技術とは違って、リーダーとしてのノウハウを教えてもらう機会は極端に少ないですよね。
今回はデイサービスの介護現場リーダーの仕事内容・役割やリーダーとしての心構え、リーダーに向いているのはどんな人なのか解説します
デイサービスで介護リーダーになるには?
デイサービスで介護リーダーになるための、明確な基準のようなものはありません。
各法人や、所属する組織によってキャリアアップの要件は異なると思いますので、それぞれ確認をしてみてください。
厚労省の基準としては5年以上の実務経験を積んだ介護福祉士が望ましいとされています。
しかし、5年の実務経験でも全員が平等に同じスキルが身に着くわけではありませんので、5年以上実務経験を積んだからといって必ず介護リーダーになれるわけではありません。
逆に言うと、無資格で3年でデイサービスの介護リーダーになれる人はなれるということです。
私の管理者経験や生活相談員としてのチームリーダーの経験を基に、介護現場のリーダーにはどんな人が向いているかも後ほどお伝えしていきますので、最後までご覧ください。
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デイサービスの介護リーダーの仕事内容と役割
デイサービスの介護リーダーの仕事内容や役割は多岐に渡ります。
主に次のようなものがあげられます。
介護リーダーの役割
- 介護現場の通常業務
- 職員のマネジメント
- 研修の企画
- 管理者と職員とのパイプ役
- 利用者のリスク管理
- 職員の採用に関わる業務
- 請求業務
- シフトの作成
- 利用者家族との連絡調整
この中でも私が重要だと思う仕事内容や役割は赤字にしている所ですので次に詳しく紹介していきます。
黒字で書いている仕事内容に関しては、事業所によって与えられたり与えられなかったり様々だと思いますので参考程度にご覧ください。
職員のマネジメント
デイサービスの介護現場リーダーの役割として私が最も重要だと思うポイントです。
職員のマネジメントは管理者やリーダーに与えられる重要な役割です。
ここでのマネジメントには育成・教育・指導などの言葉が当てはまります。
職員のマネジメントを事業所ごとに的確に行うことで、デイサービスの介護レベルの上昇、離職率の減少、安定した運営につなげることができます。
介護現場リーダーが行なうマネジメントとしては以下のようなものがあります。
リーダーが行なうマネジメント
- 運営方針を現場に伝える・・・どんな方針で介護サービスを提供していくかを伝える
- まずは、自分がやって見せる・・・方針を伝えたうえで、自分がお手本を見せる
- 間違えている人を引き戻す・・・ルールから外れている人に指導する
- 不安を取り除く・・・職員が抱える悩みを聞く、リスクを察知して除去する
リーダーという役割の中で以上のようなマネジメントを行なっていきます。
基本的には上記のようなマネジメントを繰り返すことで、現場のレベルを上げていくということがリーダーには求められています。
研修の企画
介護現場で課題になっていることや、今後課題になっていきそうなことを察知して研修を企画することもリーダーの役割です。
研修に関しては、資料の準備などでなかなか体力を使いますので必ずリーダーが行う必要はありません。
研修はむしろ、リーダーが職員を指名して行うのが良いでしょう。
研修は、受けるのと行うのとでは身に着く知識が全く違うからです。(インプットしたものをアウトプットするからです)
リーダーがこの職員にもう少しこの知識を持ってほしいと思う人を意図的に指名することで、介護現場のスキルの底上げにつながります。
持ち回りでやってもいいですが、行う研修の内容は職員に合わせてリーダーが決めることをおススメします。
管理者と職員のパイプ役
デイサービス現場の職員によっては、管理者には何となく声をかけづらいと思う人もいるかもしれません。
管理者自身にも問題があるかもしれないということはいったん置いといてくださいね。
介護現場リーダーは管理者と現場のパイプ役になって情報のつなぎ役になる場面も出てきます。
運営の方針に関して不満を抱えていたり、現場の人員配置に不安を抱えている場合は特に管理者には話しづらいでしょう。
そんな時にはまずリーダーが話を聞いて、現場レベルで解決できそうな部分は管理者に報告をしたうえで解決に向けて動いてみてください。
現場レベルで解決が難しそうなことや、後々トラブルにつながりそうなことは管理者に相談して管理者に直接動いてもらう場面も出てくると思います。
現場の不満や不安を放置しておくことは、職員の離職にもつながりますので解決ができなくても早期に動き出すようにしましょう。
ここまでは、リーダーの役割についてお伝えしました。次にリーダーの心構えの部分をお伝えしていきます。
時には自分でやらない選択もしなければいけない
介護現場リーダーになると、デイサービスの中を縦横無尽に駆け回りながら、入浴・送迎・ホールの見守り・排泄介助・食事介助・レクリェーション・様々な判断などをされていることと思います。
介護リーダーは皆から頼りにされるし、自分が見本を見せなければと意気込んで業務に取り組まれているでしょう。
しかしながら、リーダーが頑張りすぎる職場は後継の職員が育ちにくいというデメリットが発生してしまいす。
ですので時には自分でやらないという選択もしなければいけません。
自分でやらないというのは、起きている事象を放置するのではなく他の職員に依頼するということです。
判断の場面と、通常業務の場面から説明していきます。
判断の場面
リーダーになると、介護現場で何かを選択する判断を迫られた時に、様々なことを決断しなければいけません。
多職種連携なので、他の職種とも検討をすると思いますが、現場で最終的なGoサインを出すのは現場のリーダーというケースも多いでしょう。
しかしながら、全ての事をリーダーが自分で判断をしていてはリーダーが不在の時に何も判断ができないチームになってしまいます。
ですので、時にはリーダー以外の職員にあえて判断をさせるようなことも大事です。
リーダー以外の職員に判断をさせて、間違っていれば理由を添えて指導する、正解でも理由を添えて褒めるというような育成をしていきます。
大事なのは正解でも間違いでも理由を添えて教えるということです。
通常業務の場面
基本的には判断の場面と同じことです。
現場を縦横無尽に駆け回るリーダーは現場の職員からは尊敬されるし、頼りにされるでしょう。
でも、それだけです。
私は、恩師からよく「人は本能的に楽な道に行こうとする」と教えてもらうことがありました。
まさに仕事の場面も一緒で、リーダーが頑張れば頑張るほど他の職員の仕事量は減っていきます。
つまり、リーダーが頑張れば頑張るほど他の職員が育たなくなるということです。
ただ、動かなすぎるのも現場のモチベーションに悪影響なので塩梅を見ながらリーダー以外の職員にも仕事を振っていくようにしましょう。
リーダーになる方とは考え方が違うでしょうが、職員は教えてもらうことを待っています。
というよりも、考え方が違うからあなたは介護リーダーになれるのです。
リーダーなんだから自分でやらなければいけないという考え方は捨ててください。
リーダーなんだから職員にやってもらわなくちゃいけないのです。
介護リーダーの役割にはスタッフのマネジメントがあるということも頭に入れておきましょう!
ここまでは、デイサービスの介護リーダーの心構えについておつたえしてきました。
では次に、介護リーダーに向いている人とはどんな人なのかについてお伝えしていきます。
介護リーダーに向いているのはどんな人?
これから介護リーダーになりたいと思っている人にとって気になるのは、どんな人が介護リーダーに向いているのかということではないでしょうか?
私のこれまでの経験の中で、介護現場のリーダーに向いているなと感じた職員の特徴をお伝えしていきます。
自分で考えて行動できる人
自分で考えて行動できる人は、リーダーに向いていると感じます。
逆に言うと自分で考えて行動できない人はリーダーに向いていないと私は感じています。
両者の違いを身近な例で説明していきます。
管理者が何か新しいことを始めようと職員に説明した時に、
リーダーに向いていない職員は「それで、どういう風に進めるといいですか?」と聞いてきます。
リーダーに向いている職員は「私は、こういう方法で進めようと思うのですが、良いですか?」と聞いてきます。
前者は管理者に0を1にする作業をさせますが、後者は1を承認(もしくは修正)するだけです。
介護リーダーになると現場のある程度の事は、自分で判断しなければいけない場面が出てきます。
1を自分で作り出す習慣がついている職員は、ほとんど間違うことなく判断ができる力を持っています。
ですので、自分で考えて行動できる人はリーダーに向いていると感じます。
変化に気付ける人
次に紹介するのは、変化に気付ける人です。
表現を変えると、他の職員と違う視点を持っている人ですね。
変化に気付ける人は利用者のちょっとした変化に敏感で、その変化を職員間で共有する習慣がついています。
言わずもがなですが、介護は変化に敏感になることで大事になる前に対処できることがあります。
ですので、ちょっとした変化に気付ける人がリーダーになっているチームは、チーム全体で変化を見逃さないという習慣がつき質が高い介護サービスを提供することができます。
変化に気付ける人は私も学ぶことが多く、本当に脱帽ものです。
お願いできる人
仕事を他の人にお願いできる人も、介護リーダーに向いています。
リーダーになると、これまでの通常業務にプラスして、様々な役割や権限が与えられます。
介護リーダーの身体は他の人と一緒で一つなので、できることには限界があります。
介護リーダーとして、今何をしなければいけないのかを考えたうえで、自分の中で受け持つ仕事の割合を調整できる能力が必要になります。
自分の中の限界、つまり100%を超えた部分は他の職員に仕事をお願いしていくことになります。
もう少し欲を言うと、予期せぬ事態に対応するため10~20%くらいの余白を作っておけることが理想です。
いずれにしても、先ほどもお伝えしたように全てを自分で行う人はリーダーには向いておらず、チームの成長も止めることになります。
もし、自分が仕事を抱えてしまうタイプだと自覚している人は勇気を出して仕事をお願いしてみてください。
お願いされた方は意外と「私を信頼して頼んでくれた」と嬉しく感じるかもしれませんよ。
さて、今回はデイサービスの介護リーダーの役割や心構えなどについてお伝えしてきました。
最後に今回お伝えしたことをまとめますので、ぜひご覧ください。
まとめ
デイサービス介護現場リーダーの役割や心構え、リーダーに向いている人についてお伝えしてきました。
介護リーダーの主な仕事内容や役割には
- 職員のマネジメント
- 研修の企画
- リスク管理
などがあります。
介護リーダーになると、与えられる役割が増えますが時には他の職員に判断してもらう、動いてもらうというリーダーシップも必要になります。
自分で考えて行動できる人や、変化に気付くのが得意な人はぜひ、デイサービスの介護リーダーを目指してみましょう!!