デイサービスの生活相談員になると、介護業務の他にも書類作成やケアマネージャー、ご家族との連絡などの仕事を任せられます。
その仕事内容は多岐に渡るうえに、デイサービスの生活相談員には月末特有の業務もあります。
特にデイサービス生活相談員になったばかりの人にとっては、月末が近づいてくると何から手を付ければいいのかと混乱状態に陥る方もいるのではないでしょうか?
そこで今回の記事では、デイサービス生活相談員の月末の仕事内容に関する次のことをお伝えしていきます。
- デイサービス生活相談員3つの月末業務
- 実績の確認で間違えやすい項目
- 月末の突発的な出来事への対応方法
- 月末業務に取り組み始める時期
デイサービス生活相談員の月末の仕事内容や、月末に起きる突発的な出来事への対応方法を理解しておくことでスケジュールを調整しながら業務に取り組むことができるようになります
実際に私も生活相談員になりたての頃は、何を優先にして取り組めばいいのかわかりませんでした。
ですが、私も生活相談員になり100回以上の月末を繰り返してきました。今回はそんな私が積み上げてきたノウハウをお伝えすることで役立つ記事をお届けしていきます。
デイサービス生活相談員の3つの月末業務とは?
それぞれのデイサービスによって、生活相談員に与えられる仕事内容は違うかもしれません。
生活相談員は介護業務に加え、書類作成と整備、ご家族やケアマネージャーへの連絡など多岐に渡ります。
デイサービス生活相談員の仕事内容は?の記事でもお伝えしましたが、仕事幅の大きさから『何でも屋』と表現されることもあります。
今回はそんなデイサービス生活相談員の業務の中でも、月末に行うべき仕事にフォーカスを当ててお伝えしていきます。
デイサービス生活相談員が月末に行う仕事は大きく次の3つです。
- 利用状況報告書の作成
- 実績の確認
- 実績配布の準備
月末に行う業務は主に、各ご利用者を担当しているケアマネージャーに向けて準備していくものになります。
日々の忙しい業務の中で、月末にやるべきことを理解して整理しておくことでスケジューリングがしやすくなります。
では上記3つの業務を何のために、どのように行うのかについて説明していきます。
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参考デイサービス生活相談員の仕事内容は?
必要なスキルや資格についてもお伝えします。続きを見る
利用状況報告書の作成
利用状況報告書の作成は、デイサービスの利用状況報告書は2つのことを組み合わせて書く!の記事でも書き方などについてお伝えしています。
利用状況報告書を書くのが苦手な方に参考になる内容ですので是非ご覧ください。
さてデイサービスの利用状況報告書は、ケアマネージャーに必ず提出しなければいけないものではありません。
ですが、デイサービスとケアマネージャー間での情報共有やデイサービスの信頼獲得という観点から私は必ず提出することをオススメしています。
利用状況報告書を書くには次の3つのことを行う必要があります。
- 日々の観察
- 他職種や関係者からの情報収集
- ケアプランの把握
デイサービスの利用状況報告書は2つのことを組み合わせて書く!でもお伝えしているように、デイサービスの利用状況報告書に書く内容は主に次の2つです。
- 利用目的に対する答え
- ご利用者特有のエピソード
実際に利用状況報告書を書いてみると分かりますが、この2つのことを書くためには日々の観察、情報収集、ケアプランの把握をしておかないと質の高い利用状況報告書を書くことができません。
特に自分が見えない部分はわからないまま適当に利用状況報告書を書くのではなく、他の職員に必ず確認をするようにしましょう。
利用状況報告書を書く時に初めて焦るのではなく、常日頃からご利用者のことを把握しておく必要があります。
実績の確認
実績の確認は国保連に伝送する実績と、ケアマネージャーに提出する実績に相違が無いようにするために行います。
デイサービスから国保連に伝送した実績の単位数と、ケアマネージャーに提出した実績の単位数に違いがあると返戻として請求ができない事態になります。
場合によっては、ケアマネージャー側にも迷惑をかけることにもなりますので実績の確認は正確に行う必要があります。
特に私が働く地域密着型デイサービスでは、一件の返戻が経営に与える影響は大きいので慎重に行うようにしています。
実績の確認でチェックする項目は次の通りです。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 介護度
- 被保険者番号
- 利用回数や加算の回数
- 単位数
私の場合は、実績の確認は必ず2人で読み合わせという方法で行うようにしています。
実績の読み合わせの流れを紹介していきます。
- 介護ソフトに入力されている各ご利用者ごとの該当月の実績をプリントアウトする。
- 提供票に書き込んだ実績を準備する。
- 1人が介護ソフトからプリントアウトした実績から先ほど紹介したチェック項目を読み上げる
- もう1人は提供票の実績を追っていく。
- 2つの実績に違いがあったらソフトの実績が間違えているか、提供票の実績が間違えているか確認する。
- 修正個所が特定できたら再度読み合わせを行う
実績の確認をする時には、チェック漏れが起きやすい項目もあります。後ほど実績で間違えやすい5つの項目で紹介していきます。
実績配布の準備
さて利用状況報告書や実績の確認が終わったら、ケアマネージャーに実績を配布するための準備をしていきます。
私の場合、実績は基本的に居宅や包括を訪問して手渡しとしています。ですので、FAXや郵送ではなく手渡しで配布するための準備の解説をしていきます。
ちなみに、手渡しにこだわる理由はケアマネージャーの顔を見て話す機会を作るため、営業活動の機会を作るためというのが大きな理由です。
主に次の書類をケアマネージャーや包括の担当者ごとに揃えてゼムクリップで留めていきます。
- サービス提供票(実績と単位数を入れたもの)
- 利用状況報告書
- 居宅サービス計画書の受領書(ケアプランが交付されていて、受領書をすぐにお返しできなかった場合)
- デイサービスの計画書関係(必要時)
- デイサービスの通信(行事予定や活動の写真が入っているもの)
例えば、AケアマネージャーからB様・C様・D様の3名の紹介を頂いていた場合は次のような順で上から重ねていきます。
B様サービス提供票、利用状況報告書、受領書、計画書
↓
C様サービス提供票、利用状況報告書、受領書、計画書
↓
D様サービス提供票、利用状況報告書、受領書、計画書
↓
通信
のような感じですね。3名分をまとめてゼムクリップで留めていきます。
受領書や計画書は必要時ですので、毎月入れる必要はありません。
包括や居宅ごとにクリアファイルに入れておくと、配布順番も整理しやすく渡し忘れも防止できます。
補足として、私の場合は実績の配布準備をした後に必ず自分でもう一度実績の確認を行うようにしています。
人のやることは100パーセントではないので、ミスの確率をできる限り低くするためですね。
再度実績の確認をする場合、できれば集中力の高い翌日の朝に行うことをお勧めします。
では、次に実績で間違えやすい5つの項目について簡単に説明していきます。
実績で間違えやすい5つの項目
月末の実績準備ではいくら慎重に行なっていても、間違えやすい項目があります。
私もそうなのですが、自分の仕事にはなぜか自信を持っていて間違えるはずがないと思い込んでいます。
ですが先ほどもお伝えした通り、人の仕事に100%はありません。実績に関しては油断していると特に間違えやすい項目がありますのでお伝えしていきます。
これから紹介する項目に間違いがあると、返戻となりその月に請求ができなくなりますので意識して注意しておきましょう。
実績で間違えやすい5つの項目は次の通りです。
- 性別(要注意)
- 生年月日(要注意)
- 単位数
- 介護度
- 変更申請中
これらの情報はご利用を開始する時点で、介護ソフトに打ち込んであると思います。
一度データを入力すると、その後はなかなか再度確認することなく請求時期を迎えることもあります。
介護度や単位数が間違えている場合は、ケアマネージャー側が実績を確認して気づいて連絡をいただける場合もあります。
しかしデイサービスで打ち込んだ性別や生年月日のデータまでは、ケアマネージャーには届きません。
そのため請求までの間に再確認をしておかないと、返戻が来て初めて間違っていたことに気付く場合があるのです。
返戻になると、事業所や会社への入金も遅れることになり運営にも影響が出てきます。
そうならないためにも、介護ソフトに打ち込んだ新規ご利用者の情報は実績までの間に再度確認をしておくようにしましょう。
突発的な出来事への対応方法
ここまでは、デイサービス生活相談員の月末の決まった仕事についてお伝えしてきました。
いわゆるルーティンワークと呼ばれるものですね。
ですが、中には自分で予定していなかった突発的な出来事が起きることもあります。例えば次のようなものがあります。
- サービス担当者会議への出席
- 見学対応
- ご利用者の体調急変への対応
突発的な出来事は上げていけばもう少し色々ありそうですが、主に上記のようなものがあります。
先ほどまでお伝えしてきた生活相談員の月末業務はあくまでも生活相談員が時間やスケジュールを調整しながら行うものでした。
ですが突発的な出来事の中には、外部の関係者が関わってくるものもあります。
外部の方が関わってくるような事は、できる限り優先的に行なったほうがいいでしょう。
とはいえ、生活相談員の月末業務は実績に関わるような業務が多く、遅れてしまうとケアマネージャーや包括の職員に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
そのためにも、月末業務はゆとりをもって取り組み始めることが重要になってきます。
月末業務に余裕をもって取り組む方法に関しては後ほどお伝えしていきます。
先に突発的な出来事に関しての対応方法などの解説をしていきます。
サービス担当者会議への出席
サービス担当者会議は介護保険証の有効期間が切れる月末近くに開催される場合が多いです。
多くの場合は、事前にケアマネージャーから余裕をもって担当者会議の連絡が入ります。
ですがケアマネージャーも日々の業務が忙しかったり、サービス事業所間での日程調整に時間がかかったりすると月末直前に連絡が入るようなこともあります。
ぎりぎりの連絡に慌てないようにするデイサービス生活相談員側の対策としては、ご利用者の介護保険の有効期間をチェックしておくことです。
有効期間をチェックしておくことで、事前にケアマネージャーに担当者会議の予定はあるかどうか確認することができるようになります。
- 何らかの理由があって調整が遅れている
- 特段大きな変化が無く照会票での対応を考えている
- デイサービスへの連絡が抜けている(極稀にあります)
生活相談員がサービス担当者会議に関する情報を事前に把握しておくだけで、月末業務のスケジューリングがしやすくなり心にゆとりも出てくるようになります。
サービス担当者会議は30分~1時間程の時間がかかる場合が多いです。事前に情報をキャッチしてゆとりをもって月末業務に臨めるようにしておきましょう。
見学対応
デイサービス生活相談員の中には、見学に来られた方の対応を任されている方も多いでしょう。
デイサービスの見学も突発的なものですので、いつ連絡が来るかは分かりませんよね。
ですが多くの場合は飛び込みで来るわけではなく、事前にデイサービスに連絡をもらい双方の日程調整をしたうえで見学に来られるのが一般的です。
月末に見学の連絡が来た際にやってはいけないことは、月末で忙しいからと、見学の対応を後回しにしてしまうことです。
デイサービスの見学を考えている方は、どういった理由で見学を考えているでしょうか?
- 新しくデイサービスの利用を始めたい
- 今通っているデイサービスが合わなくて別のデイサービスに通いたい
- デイサービスの説明を聞きたい
様々な理由があって見学をされますが、共通していることはデイサービスの利用を考えているということですよね。
デイサービスの利用を考えている方の見学対応を後回しにすると、他のデイサービスに決められたり対応が遅いデイサービスと思われてしまいます。
そうなると、せっかくの新規ご利用者の獲得の機会を逃してしまうことにもなってしまいます。
なぜ自分のデイサービスに見学の連絡をして来たのか、なぜ今見学が必要なのか相手側の気持ちを汲んで迅速に誠実に対応するように心がけましょう。
ご利用者の体調急変への対応
ご利用者急変もいつ起きるか分からないものですよね。
ご利用者の体調急変時には、ご利用者やご家族と関わりの深い生活相談員にどのような対応がいいか判断を求められることもあります。
言わずもがなですが月末に限らず、ご利用者急変への対応は最優先で行うべきですよね。
突発的な業務で紹介した担当者会議や見学対応とは違い、ご利用者の体調急変は事前に調整できるものではありません。
だからこそ、重要になる事が一つあります。それは、普段からご利用者と関わり観察をしておくことです。
デイサービスのご利用者と普段から関わり、観察をしておくことで様々な変化に気付くことができるようになります。
- 顔色
- バイタル(体温、血圧、脈など)
- 行動、言動
- 食事、水分量
- トイレの回数
- どう表現したらいいか分からない違和感
このような変化に気付いておくことで、事前に職員に申し送りができたり状態に合わせた対応ができるようになります。
ある程度、経験や勘なども必要になってくるスキルですが、いずれにしても普段のご利用者を分かっていないとご利用者の変化には気づくことができません。
デイサービスの生活相談員として、書類の作成や外部とのやり取りに没頭するのではなく普段からご利用者との関わりを持つようにしておきましょう。
月末の業務には末日の5日くらい前から取り組んでおきましょう
ここまでは、デイサービス生活相談員の月末業務や突発的な出来事への対応についてお伝えしてきました。
最初の方でもお伝えしたように、生活相談員の業務は多岐に渡る場合が多くなります。
特に月末付近は通常業務に加えて、月末特有の業務が入ってきます。ですので、生活相談員の月末業務には余裕をもって取り組むようにしましょう。
私の場合は、基本的には末日を含めて5日前から取り組むようにしています。
30日までの月の場合は26日から始めるということですね。
生活相談員が取り月末業務に取り組み始める時期は様々な要素が絡んできます。
- 事業所の規模
- 生活相談員の人数
- ご利用者の人数
生活相談員として働いているデイサービスの実態に合わせて、余裕をもって取り組むようにしていきましょう。
まとめ
今回は、デイサービス生活相談員の3つの月末業務についてお伝えしてきました。
デイサービス生活相談員の月末業務には主に次の3つがあります。
- 利用状況報告書の作成
- 実績の確認
- 実績配布の準備
どれも、ケアマネージャーに実績を提出するための大事な月末業務です。
デイサービスの評価にも直結する大事な業務ですので「通常業務が忙しいから」と蔑ろにすることの無いようにしましょう。
デイサービスの生活相談員は、担当者会議への出席や見学対応、緊急時対応など突発的に発生する業務にも対応しなければいけない場合があります。
突発的に発生することでもデイサービスの為に重要な業務が多いです。
突発的な業務にも慌てることの無いように余裕をもって月末業務に取り組むようにしましょう!